保育士は一般企業のように、係長・課長・部長などの役職ではなく、独自の役職が設けられています。
職場で役職者の枠や人数も限られているため、なかなか昇進する機会が少ないというのも、保育士の給料が安い要因になっています。
働き方は多様化しており、非正規社員としてパートタイマー、派遣社員、アルバイト、契約社員など時給制や、基本給が決まっている正社員などで働くことが可能です。
時給制では様々な雇用形態を選択できたり、仕事とプライベートのバランスを取りながら勤務したりできる点が魅力の1つです。
保育現場で時給制の働き方に興味がある人は、相場はいくら位なのか気になる人もいるのではないでしょうか。
今回は、保育士の時給は安いのかや、時給相場と待遇UPが期待できる方法などについて紹介していきます。
Contents
保育士の時給は安い?
基本的に認可保育園で働く場合、職員の給料は経営者が勝手に金額を決めることはできません。
国から支給される公定価格や地方自治体による補助金、利用者の保育料などが運営費になるため、まず運営費に使われた後に、残ったお金
から職員の給料が調整されて支給となります。
認可保育園によっては、運営費を捻出するだけで一杯一杯になっていて、保育士の給料が安くなってしまう傾向があります。
また、冒頭でお伝えしたように、役職者になれる人数が限定的なことも、給与が低くなってしまうことに関係しているのが現状です。
正社員の保育士だからと言って、高額な給料が保証されているわけではないのですね。
フルタイム勤務している正職員の保育士の給料が充実していない背景があるので、時給制で働く非正規社員の賃金も安く抑えられている傾向があります。
時給制で働く非正規社員が大きくお金を稼ぎたいなら、長時間労働することで実現可能ですが働きすぎると、身体を壊してしまうリスクもあります。
保育士の時給相場はいくら?
基本的には地方よりも東京都など都市部の方が、最低賃金が高く設定されているため、保育士の時給相場も高くなります。
全国の地域ごとに最低賃金の幅が違いますから、保育士の時給相場は全国同じではありません。
少しでも高い時給で働きたい人は、都市部の保育園や保育施設で働いた方が良いでしょう。
保育現場で非正規社員として働いている人の平均的な時給相場は、1300円台と言われています。
あくまで時給相場は目安ですので、なかには時給900円台で働いている人もいたり平均以上の時給で仕事をしていたりなど、個々によって違いがあります。
賃金に不満がある正社員の保育士や非正規社員も少なくありません。
保育現場で働いていたけれど、離職している人も多く人材不足に陥っている職場もあります。
保育士の時給制は正社員の場合もある?
保育士の時給は地域や雇用形態によって大きく異なります。
一般的には正社員は月給制が主流です。
ただし、正社員を時給制で雇用することはダメというわけではありません。
・雇用期間
・労働日数
・労働時間
上記によって区分されるため、最低賃金を下回らない限り、時給制の正社員も合法的な雇用形態となります。
正社員の保育士が時給制で働くことで、優遇されるとか有利になるとかはないので、大きなメリットになるとは言えません。
正職員の雇用形態は、基本給だけではなくボーナスや福利厚生を含めた総合的な待遇が考慮されています。
わざわざ正社員の保育士になって、時給制で働くとなるとボーナスや福利厚生が月給制の人よりも劣ることになるでしょう。
そのため、正社員の保育士として働く際に、好んで時給制で働く人はいないのではないでしょうか。
保育士として時給制の働き方ができる雇用形態
保育士の職業において時給制の働き方は、多様なニーズに応える柔軟な雇用形態として注目されています。
時給制の働き方ができる雇用形態は、パートタイムやアルバイト、派遣社員、契約社員などがあります。
時給制は自分のライフスタイルや、家庭の事情に合わせた働き方を求める人々にとって、魅力的な選択肢でしょう。
例えば、子育て中の方や学生などは、自分の都合に合わせて働くことが可能です。
ただし、注意しないといけない点があります。
保育現場で時給制で働く非正規社員は、正社員の保育士と同じ仕事内容ではなく保育補助として、サポート業務を行います。
正社員の保育士になりたいのであれば、保育士資格という国家資格を取得しなければいけません。
一般的に時給制で保育園や保育施設で働く場合は、保育士資格がいらない保育補助の仕事になります。
非正規雇用の場合、ボーナスや福利厚生が充実していない場合もありますので、それらを考慮に入れた上で働き方を選ぶことが重要です。
保育士として時給制で働くと正職員の給料を上回るケースも
保育現場で時給制で働くと、残業が多い場合や経験やスキルを持っている場合には、時給が高く設定されることがあります。
高い時給で長時間労働をするなどにより、正職員の給料を上回るケースも存在します。
自分自身の価値を高めると、勤め先によっては高待遇を受けられるということです。
しかし、時給制で働く場合は正職員に比べてボーナスや福利厚生の面で不利になったり、長期的なキャリア形成や安定した収入に繋がりにくいでしょう。
保育士としての働き方を選択する際には、自分のライフスタイルやニーズに合った雇用形態を見極めることが大切です。
保育士の時給や待遇UPが期待できる方法を紹介
保育士の時給や待遇UPが期待できる方法を紹介していきます。
転職をする
今の職場で保育士の給料や労働環境に不満がある場合、転職をして新たな環境でスキルや知識を活かすことで、時給の上昇や待遇改善が期待できます。
新しい職場では、以前の経験やスキルを評価してもらえることがあります。
効率良く転職活動をしたいのであれば、転職サイトやエージェントを活用して、自分のスキルや経験を高く評価してくれる職場を見つけることが重要です。
非正規社員から正社員を目指す
非正規社員から正社員になることで、雇用の安定性が増し給料や福利厚生の充実など、待遇面でのメリットがあります。
正社員になるためには、自己啓発を続け責任感を持って仕事に取り組むことが求められます。
例えば、働いている保育園や保育施設で実績を積み重ね、責任感やリーダーシップを発揮したりなどです。
キャリアアップを目指す
専門性を高めより高い待遇を得るために、保育現場でコツコツ働きキャリアアップを目指すのも良いでしょう。
例えば、保育士としての専門知識を深めるための研修や、セミナーへ参加したり新しい役職に挑戦したりです。
自己成長にも繋がりますし、昇給や昇格の際の評価材料となり得ます。
資格を取得して資格手当を貰う
保育士資格以外にも幼児教育や、保育に関連する資格は多数あります。
例えば、幼児体育指導員や音楽療法士など、特定の分野での専門性を示す資格を取得することで、資格手当が貰える可能性があります。
資格取得のための勉強は大変ですが、努力は待遇改善に繋がるでしょう。
まとめ
保育士として働く際には、時給制か月給制かまたその他の待遇を含めて、自身のライフスタイルやキャリアプランに合った雇用形態を選択することが重要です。
国としても保育士の働き方を充実させるために待遇改善に取り組んでおり、今後も保育士の給与体系は変化していく可能性があります。
あるいは、保育士資格を持っていない人は、まずは保育現場で時給制の非正規社員から始めてみてはいかがでしょうか。
実務経験を積みながら正社員を目指すことで、保育士試験に受かりやすくなる可能性があります。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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