保育士として、保育園や保育施設で働いている方は定年までずっと同じ職場に、居続けられる保証はありません。
働き方は、正社員以外にも色々ありますが、慢性的な人手不足の業界でもあるので異動や転勤になるケースもあります。
せっかく、長年同じ職場で働いていたのに、突然、異動辞令が出たら、また人間関係も一から構築しなければいけませんし、園ごとのルールや決まり事に違いがあるので覚える必要があります。
ですが、異動や転勤をお願いされるのは、必ずしもネガティブな事ではありません。
今回は、保育士に異動や転勤があるのかや、異動対象になったときにするべきことなどについて紹介していきます。
Contents
そもそも保育士に異動はあるの?
保育業界は、待機児童問題や保育施設の数の問題などもあり、保育士が足りていない現状があります。
小規模施設であれば、預かる子供の数が少ないので保育士もたくさん揃えなくても良いですが、多くの子供達の世話をしている園は、担当する保育士の数も多くなければいけません。
ただ単に、園によって保育士の人数が不足しているから、異動や転勤で人員を補充するというわけでもなく、様々な事情や理由があります。
基本的に、保育園の異動のタイミングは同じ時期の所が多いです。
保育士として、職場に勤務している人の中には、異動や転勤に心の準備が必要になるので急に言われるのは不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
毎年のようにあるわけではないですし、何年も一つの勤務先で働いている方もいます。
保育士に異動があるのは、以下のようなケースになります。
公立保育園は異動がある可能性
地方自治体が運営している保育施設が、「公立保育園」です。
公立保育園で働く保育士は、園がある市区町村の事情で保育園以外の施設へ異動辞令が出る可能性があります。
公立保育園に勤務している保育士は、地方公務員ですから、その地域内の異動や転勤をお願いされる事があります。
地方公務員ですから、いきなり今の職場から遠く離れた県外に飛ばされるという事はまずないでしょう。
雇用されている各市区町村の管轄地域内での、職場異動になります。
同一法人が複数園を運営している場合
私立保育園の場合でも、異動や転勤をお願いされる事はあります。
それは、有限会社やNPO法人、福祉法人、株式会社などを経営しているケースで、複数のエリアでそれぞれ保育園を運営している場合です。
勤め先の園が、1箇所しか運営していないのであれば異動や転勤はありません。
経営母体が複数の施設を、運営しているのであれば、管轄内で職場を変って欲しいとお願いされる場合があります。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士はどんな仕事?その業務内容についてを徹底解説!
保育士の異動はどれくらいの期間?
何年も同じ保育園で働いていると、職場の人達と仲良くなったり仕事もスムーズにできるようになってきますよね。
しかし、同じ勤務先でずっと仕事をしていると、逆に業務がマンネリになって勤務態度に影響したり、人間関係の風通しが悪くなってしまう場合もあります。
保育士の異動や転勤が出るのは、職場環境や勤務態度の悪化を防ぐ為に実施される事もありますが、その他にも様々な事情が絡んできますので、園ごとに違いがあります。
保育士の異動の周期は、約3~4年位が一般的です。
人によって、異動辞令が出るタイミングベルトが早くなったり遅くなったりしますが、新年度を控えた3月下旬頃が多いです。
急に、明日から職場を変わってくれと言われると、とても困りますが、そこまで急に言われる事はありません。
保育士が異動をすると良いことがあるの?
保育士が職場を異動や転勤する事に対して、ネガティブな思いを持っている方も少なくないですが、人間性や勤務態度を認められたうえでお願いしているケースもあるのです。
一つの保育園だけしか、勤務経験が無いと隣の芝生が青く見えていたり、今の職場だけの世界しか見えなくて視野が狭くなりがちです。
新たな所で働く事で、人間的にも成長したり視野が広くなって仕事の対応力もアップしたりする可能性も十分あります。
その他には、保育士が異動をすると以下のような良いことが起きる可能性があります。
人間関係の解消
何年も、同じ勤務先で働いているといつのまにか職員達と上下関係ができてしまったり、仲が悪くなってしまう恐れがあります。
保育士の仕事は、チームワークが大切ですので、人間関係が悪化してしまう事で日常業務に支障が出てしまいます。
職場の異動や転勤によって、人間関係を一度リセットする事ができるので、居心地が悪かったのであれば、心機一転して新たな職場で気持ちよく働き始める事ができるでしょう。
仕事のレベルアップ
一つの保育園だけで、ずっと働き続ける事は素晴らしいですが、仕事がマンネリ化しやすい恐れがあります。
異動や転勤のお陰で、色々な経験を積む事ができるので人間的に成長や、仕事のレベルアップを目指すことができます。
異動や転勤は、左遷になると捉える人もいますが、昇進・昇格でキャリアアップに繋がっているケースも多いのです。
このように、保育士の異動には色々なメリットがあります。
保育士が異動対象になったときにするべきこと
立つ鳥跡を濁さずということわざがあるように、保育士が移動対象になった時は今までお世話になった職場に迷惑をかけて出ていかないようにする必要があります。
仕事ですから、理不尽な事もあるでしょう。
給料は、我慢料でもあるので、一日一日、仕事を無事に出来た事に対して感謝の気持ちを持って職場の人達や子供達に笑顔で別れを伝えるべきです。
そして、異動や転勤する職場に赴任する前に以下のような事をして、気持ちよく職場を去りましょう。
引継ぎ
自分が別の職場に異動する事で、新たな保育士が入って来る可能性があります。
後輩や同僚、先輩の保育士さんなどが安心して引き継ぎできるように。引き継ぎノートを作成したり、担当していた子供達の特徴や状況を伝える事が大切です。
例えば、この子どもは食べ物の好き嫌いがあって、これは食べさせないで下さいと前もって教えてあげたり、アレルギーや持病があれば注意するように伝えておくとトラブルが起きにくいです。
保護者対応
保育園で預かるのは、子供ですが保護者対応も定期的にする必要があります。
子ども達だけではなく、保護者にもしっかりとお別れの挨拶をしておくと、自分が転勤や異動した後も、気持ちよく園を利用してくれる事に繋がります。
また、引き継ぎの保育士を教育している時に、後任はこの先生になるので今後ともよろしくお願い致しますと、園児のママやパパに伝えてあげると後を任された保育士のプレッシャーも少なくなるでしょう。
異動先の園の情報収集
異動先の園では、職場の人達と人間関係を一から築いていかなくてはいけません。
子供達の特徴や性格も、それぞれ違います。
仕事内容も変わる可能性もあるので、新しい勤め先の情報収集を早めに行いスムーズに仕事ができるように準備しておく事が大切です。
まとめ
同一法人が複数園を運営している場合や、公立保育園を運営している施設などで、保育士は異動や転勤が約3~4年周期で実施される事が多いです。
その理由は、仕事のスキルアップや人間関係の悪化防止、業務のマンネリ化などを防ぐ為に実施されています。
新たな職場に、異動や転勤する直前まで気を抜かずに引継ぎ、保護者対応などに全力を注いで迷惑をかけないようにする事が大切です。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
「役に立った!」と思ったらいいね!してね(^-^)