共働き家庭の増加や、待機児童問題が社会問題となっています。
保育業界では保育の多様化が求められており、家庭的保育事業は小規模で家庭的な環境のもと、子ども一人ひとりに寄り添った保育を提供する仕組みとして注目されています。
家庭的保育事業では、保護者とのコミュニケーションが活発になりやすいです。
保育者が子どもの様子を詳しく伝えることで、保護者は安心して仕事や家事に専念できます。
育児に関する相談にも応じてもらえるため、子どもを預けるママやパパにとって心強いサポートになるでしょう。
今回は、家庭的保育事業についてや、特徴や魅力をわかりやすくお伝えしていきます。
Contents
家庭的保育事業とは?
家庭的保育事業は、地域社会の中で少人数の乳幼児を家庭的な環境で預かる保育サービスです。
例えば、保育者の自宅や専用の保育室などの場所で、子どもを預かります。
主に0歳~2歳までの子どもを対象とし、保護者が仕事やその他の理由で日中の保育が難しい場合に利用されます。
家庭的保育者は、通称「保育ママ」と呼ばれていて、自宅や専用の保育室で子どもたちを預かり、家庭的な雰囲気の中で成長を見守るというものです。
子ども達にとっては家庭的な環境の中で、安心して過ごせる居場所です。
家庭的保育は待機児童問題の解消や、地域密着型の子育て支援を目指しており、保育所や他の地域型施設とも連携しています。
家庭的保育事業は、2010年に児童福祉法によって正式に位置づけられ、地域型保育事業の一環として認められています。
家庭的保育事業の利用条件は?
家庭的保育事業を利用するためには、いくつかの条件があります。
自治体の認可の必要性や、対象となる子どもの年齢が0歳~2歳までで、年度途中で3歳になった場合は、その年度末まで利用可能です。
利用者は親が就労や出産などで、日中に家庭での保育が困難な場合に限られます。
1人の家庭的保育者が、預かれる子どもの数は3人までとなっています。
ただし、補助者がいる場合には最大5人まで受け入れることが可能です。
市区町村から認定を受けた、家庭的保育者が提供する公的なサービスになるため、利用には自治体への申請が必要です。
家庭的保育事業の利用には、市区町村への申請を行う必要がありますが、自治体によって詳細な条件や手続きが異なる場合があります。
家庭的保育事業の特徴と魅力は?
家庭的保育事業は、少人数制で一人ひとりの子どもの発達や、興味、関心に合わせたきめ細やかな保育が可能なところが特徴です。
家庭的な環境での保育が行われるため、子どもたちは安心して過ごすことができます。
同じ保育者が継続して子ども達を見守ることで、保護者との信頼関係を築きやすくなっています。
地域密着型で、公園や地域行事を通じて地域との交流、保育所や認定こども園と連携して、集団保育の体験機会を提供しているのも特徴の1つです。
家庭的保育事業は、安全性と質が保証された環境で、子ども達が安心して過ごせるよう配慮されています。
子どもの成長に寄り添える環境
家庭的保育事業では少人数制のため、保育者が子ども一人ひとりの成長に寄り添うことができます。
幅広い年齢の子ども達が家庭的な雰囲気の中で、一緒に過ごしていると、思いやりや社会性を自然に学べるでしょう。
個々の発達段階に応じた保育が行われ、子ども達は安心して成長することができます。
家庭的な環境は子どもの安心感を高め、自発性や創造性を伸ばす場としても役立つはずです。
保護者へのサポート
家庭的保育事業では、保護者とのコミュニケーションが図りやすい環境です。
例えば、日々の送迎時に情報交換を行い、保護者と密接な連携を図ります。
困ったときには相談できる環境が整っており、安心して子どもを預けられる点も魅力です。
保育者が子どもの様子を詳しく伝えることで、パパやママは安心して仕事や家事に専念できます。
個別対応が可能で、親のニーズにも柔軟に応じることができるため、信頼関係が築きやすくなっています。
経済的負担の軽減
家庭的保育事業は、一般的な保育施設に比べて料金が比較的安価になりがちです。
家庭的保育事業は自治体が認可するため、地域型保育給付の対象となります。
市区町村から補助金を受けられて、公的支援によって安定した運営が可能です。
高額になりがちな民間サービスと比べて経済的負担が軽減されて、経済的な負担を軽減しながら、質の高い保育を受けることができます。
家庭的保育事業に関連する記事はこちら⇒一時保育とは?一時預かりや保育園との違いと保護者への影響
家庭的保育事業はベビーシッターと違う?
家庭的保育事業とベビーシッターは異なります。
家庭的保育事業は、自治体の認可を受けた保育者が行うものであり、一定の基準を満たしています。
ベビーシッターは個人が行うもので、無資格でも働くことができ公的支援は受けられません。
家庭的保育では主に0歳~2歳児を対象とし、自宅や専用施設で行われます。
ベビーシッターは、0歳~12歳位の子どもまで幅広い年齢層を対象とし、依頼者の自宅など様々な場所で活動します。
家庭的保育事業とベビーシッターは、異なるニーズに応じたサービスとして提供されており、利用目的によって選択肢が異なるでしょう。
家庭的保育は、自治体認可を受けた公的な制度であり、安全性と質が保証されています。
子ども達にとって安心で成長を支える環境を提供し、保護者にとっても心強いサポートとなります。
家庭的保育事業はこんな方におすすめ
保育園に子どもを通わせる場合、ママやパパが迎えに来るまで、日中は集団生活をすることになります。
園内では年代が異なる乳幼児~未就学児まで、幅広く過ごしていて、人数も多いので、どうしても保育士は個々のサポートを手厚くするのは難しくなっています。
子ども達みんな平等に接していて、サポートも偏ったりひいきしたりにならないように気をつけなければいけません。
一方、家庭的保育事業では、少人数制なので子ども一人ひとりに、丁寧に向き合える環境を整えやすいです。
手厚いサポートを受けたい、保育者と綿密なコミュニケーションを図りたい、など家庭的な雰囲気の保育環境で、子どもを見守って貰いたい人はおすすめです。
家庭的保育事業は、待機児童問題の解消や人口減少地域での、保育ニーズに応えるために設けられたもので、地域型保育事業の一環として位置づけられています。
常に同じ保育者が担当するため、子どもは懐きやすくなりますし、保護者との信頼関係も築きやすくなります。
パパやママは自分の子どもが集団生活よりも、家庭的な環境が向いているなと見極めることも重要です。
子どもが苦手な環境で日常生活を送るよりも、快適に過ごして欲しいと思うのが、多くの人に当てはまる親心でしょう。
まとめ
家庭的保育事業は、小規模でありながら個々の子どもに対する手厚いケアを、提供できる魅力的な保育形態です。
0歳~2歳の乳幼児を対象として、地域社会との繋がりを大切にしながら、安心感と温かさに満ちた保育環境を実現するものです。
異なる年齢の子ども達が共に成長し合う環境や、一貫した保育者との関係性は、子どもの健全な発達を促進します。
地域社会との連携を通じて、子どもに対して安全で豊かな成長環境を提供しており、マンツーマンに近い形です。
家庭的保育事業は、多様な家庭のニーズに応える重要な役割を果たしています。
乳幼児期の子どもに適した環境で、今後も多様化する保育に対するニーズに応える重要な選択肢として、これからも価値が見直されていくでしょう。
この記事の監修は
森 大輔
保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事を兼任中。
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