保育学生は授業だけではなく、多くの課題や実習準備にも追われます。
時間的、精神的な余裕がなくなり、もう続けられないと感じる人も少なくありません。
課題提出期限などプレッシャーによって、ストレスが蓄積すると、やめたい気持ちになりやすいです。
今回は、保育学生が保育の道を、すぐに諦めるのはもったいないことや、やめたいと感じる理由と対処法などについてお伝えしていきます。
Contents
保育学生がやめたいと思って保育の道を諦めるのはもったいない
保育士を目指す学生にとって、実習や学業での挫折感から、やめたいと感じることは珍しくありません。
保育学生が学業をやめたいと感じる理由はさまざまです。
例えば、実習での挫折感や将来への不安、学業や課題のプレッシャー、周囲からの理解不足などが主な要因として挙げられます。
特に実習期間中は、慣れない環境での業務や、指導案作成、日誌の記入など想像以上の負担を感じることがあるでしょう。
しかし、やめたいと思ってすぐに保育の道を、諦めるのはもったいないです。
保育士を目指す多くの学生が経験する共通の課題ですから、乗り越えることで大きな成長に繋がります。
保育学生がやめたい場合の就職への影響とは?
保育学生が学業を途中で辞めることは、就職活動に一定の影響を及ぼします。
途中で学業をやめることを考える場合、決断が将来の就職にどのような影響を、与えるかを理解することが重要です。
保育士資格取得を目指していた場合、中退は目標を達成できなかったという印象を、面接官に与える可能性があります。
保育士としてのキャリアを目指していた場合、学業を中断することは直接的にその道を閉ざすことになります。
他の職業に転向する場合でも、途中で学業をやめたという事実が、履歴書に記載されることになり、面接でその理由を説明する必要が出てくるでしょう。
ポジティブな理由や自己成長のための決断であれば、理解を得られることもありますが、計画性や忍耐力に疑問を持たれる可能性もあります。
単なる挫折や逃避と見られないように、辞めた理由を明確に説明して、その後の行動や成長について具体的に伝えることが重要です。
中退後の行動次第では、就職活動で不利になるどころか、新たなキャリアプランが評価されることもあります。
保育学生はやめたいと思ったらバイトや趣味で視野を広げてみよう
保育学生が学業をやめたいと感じた時、まずはバイトや趣味を通じて視野を広げることを考えてみましょう。
学業に行き詰まりやストレスを感じた時には、視野を広げるためにアルバイトや趣味に取り組むことがおすすめです。
保育学生は忙しいスケジュールの中でも、適切なアルバイト先を選ぶことで学業との両立が可能です。
保育関連のアルバイトは例えば、ベビーシッターや児童館スタッフなどであれば、現場の雰囲気を体験しながら自分の適性を再確認するチャンスとなります。
保育以外の分野でのアルバイトも、新しいスキルや興味を発見するきっかけになるでしょう。
趣味においても、新しい挑戦により心身のリフレッシュが期待できます。
例えば、音楽やアートなどの趣味は、保育現場でも活用できるスキルとなり得ますし、スポーツやアウトドア活動はストレス解消だけでなく健康維持にも役立つはずです。
こうした活動は単なる気分転換ではなく、自分自身の価値観や可能性を広げる貴重な時間となります。
保育学生はやめたいと思ったら自己分析も大切
辞めたいという気持ちが湧いた時には、まず自己分析を行うことが重要です。
自己分析は自分の強みや弱み、価値観、将来の目標などを深く理解するためのものです。
保育学生をしている自分が、本当に保育士として働きたいのか、それとも他の道を選ぶべきか判断しやすくなります。
自己分析では、過去の経験や現在の状況と向き合い、自分に合った進路を見つける手助けとなります。
辞めたい理由が漠然としている場合、自己分析はその原因を明確化するためにも役立つでしょう。
自己分析では、自分が何を求めているのか、何が苦しいと感じているのか原因と向き合う必要があります。
例えば、実習が辛いと感じている場合、具体的にどんな部分なのか掘り下げることが重要です。
指導案作成なのか、人間関係なのかなどを掘り下げて考えることで、解決策が見つかる可能性があります。
自己分析は一人で行うだけではなく、キャリアカウンセラーや信頼できる人と話すことでさらに深まります。
自分自身の強みや弱み、興味・関心について整理すると、今後進むべき方向性が明確化しやすくなるでしょう。
保育学生に関連する記事はこちら⇒新人保育士はクレームに悩みがち?保護者対応で大切なことや注意点
保育学生がやめたいと感じる理由は?
保育学生がやめたいと感じる理由をお伝えしていきます。
実習での挫折感
保育実習では、多くの学生が初めて現場経験を積むため、理想と現実とのギャップに直面します。
実習は単なる学びの場ではなく、現場で即戦力として期待されることも多いため、大きなプレッシャーを感じる学生が少なくありません。
指導案作成や日誌記録など細かな業務に追われたり、指導教員から厳しいフィードバックを受けたりする中で、自信喪失に繋がる可能性もあるでしょう。
自分には向いていないと、感じてしまうケースも少なくありません。
実習での挫折感は、現場での経験が思った以上に厳しいものであったり、自分の能力に自信を持てなかったりすることから生じます。
将来への不安
保育士として働く未来について、不安になる学生も多いです。
保育士という職業は、子ども達の成長を支えるやりがいのある仕事ですが、その一方で労働環境や待遇面での課題が多いと言われています。
保育学生の中には、好きだけでは続けられない仕事なのではないかと感じる人もいます。
実習中に現場の厳しさを目の当たりにしたり、先輩保育士から労働条件についてネガティブな話を聞いたりすると、不安が大きくなるものです。
自分が本当にこの仕事を続けられるだろうか、結婚や出産後も働ける環境なのだろうかといった、将来設計についての迷いも、やめたい気持ちになる要因です。
学業や課題のプレッシャー
保育学生は授業だけでなく、多くの課題や実習準備にも追われます。
保育科のカリキュラムは多岐にわたります。
授業内容だけでなく、ピアノ演奏や歌唱指導、工作技術など幅広いスキルを身につける必要があるので大変です。
実践的に活用するための課題や試験が次々と課されるため、多忙な日々が続きます。
ピアノ演奏などは未経験者にとって大きなハードルとなり、他の学生と比べて自分は劣っているのではないかと感じる人もいるかもしれません。
実習期間中には学校から、提出を求められる課題と現場での業務が重なり、一人で抱えきれないほどの負担を感じる学生もいます。
日々の勉強や課題の量が多すぎると、ストレスが蓄積して辞めたい気持ちに繋がります。
周囲からの理解不足
家族や友人から十分な理解やサポートが得られない場合もあります。
保育学生が抱える悩みは、同じ分野で学んでいる仲間以外には理解されにくいものです。
家族や友人など周囲の人々が、ただ子どもと遊ぶだけの仕事と誤解している場合、自分がどれだけ努力しているかを理解してもらえず孤独感を抱くこともあるでしょう。
周囲から理解してもらえず、そんなことで悩むなんて甘えていると言われたりすると、自分自身を否定されたように感じてしまうこともあります。
周囲からの理解不足は、自信喪失に繋がり辞めたい気持ちになることがあります。
保育学生がやめたい気持ちを乗り越えるための対処法
保育学生がやめたい気持ちを、乗り越えるための対処法をお伝えしていきます。
小さな成功体験を積み重ねる
挫折感や不安を乗り越えるためには、小さな成功体験の積み重ねが効果的です。
日々、小さな目標を設定して、目標達成の成功体験を積み重ねます。
例えば、今日一日笑顔で子ども達と接する、新しい遊びを一つ提案してみるなど簡単な目標でも大丈夫です。
具体的で達成可能な目標を設定して達成できると、自己肯定感が高まり、大きな困難にも立ち向かう力となります。
小さな成功体験が自信に繋がり、モチベーションの維持に役立ちます。
学業や課題を計画的に行う
学業や課題を計画的に行うことで、多忙なスケジュールに追われている場合でも、負担を軽減できます。
優先順位を明確にして、一度にすべて完璧にこなそうとせず、できる範囲から取り組む姿勢が大切です。
例えば、一週間単位でスケジュールを立て、課題の締め切りを確認して、優先順位をつけて取り組みます。
実習期間中も、実習日誌の作成時間を確保しつつ、他の課題にも対応できるよう、計画的な時間配分が必要です。
スケジュール管理アプリや手帳など、ツールを活用することで効率的に時間配分できるようになります。
中長期的な視点で考える
目先の困難だけを見ると、もう無理だと思いやすくなります。
保育学生ですから、自分が保育士として働いている姿を想像するのは難しいかもしれませんが、自分自身の将来像について中長期的な視点で考えてみましょう。
今の困難が将来の自分にとって、どのような意味を持つのかを考えることで、モチベーションの維持に繋がります。
中長期的な視点で考えるようにすると、現在の苦労が将来への投資だと捉えられるようになります。
ポジティブな情報収集を行う
ネガティブな情報ばかりに目を向けず、ポジティブな情報にも触れることが重要です。
ポジティブな情報収集を行うことで、前向きな気持ちを保てるようになるはずです。
例えば、現役保育士による成功体験談を聞いたり、保育現場でのやりがいを知ったりすると、自分の目標を再確認しやすくなります。
自分と似た悩みを持つ人々との交流も励みになるでしょう。
保育学生はやめたいと思ったら学校や親に相談するのも大切
学業をやめたいと感じた時には、一人で悩み続けるよりも、学校や親に相談するのも大切です。
学校の先生や親など信頼できる人に、相談してみると新たな視点や解決策が見つかるかもしれません。
学校側にはキャリア支援センターや、カウンセリング窓口などサポート体制が整っている場合があります。
親との会話は家族の理解と協力を得られ、精神的な支えとなります。
自分自身の初心や本音に気づくきっかけになるかもしれません。
保育学生はやめたい時は初心を思い出そう
学業をやめたいと感じた時には、初心を思い出すのも重要です。
初心とは、なぜ保育士になりたいと思ったかという原点です。
思い出し作業によって、自分自身の夢や目標への情熱が再燃する可能性があります。
なぜ保育士を目指したのか、理由を再確認して、モチベーションを取り戻せるように努めましょう。
実習や学習を通じて得られた新しい発見や、子ども達との心温まるエピソードを思い出すことで、保育士という職業の魅力を再認識できます。
自分自身への原点回帰は、大変さを乗り越える原動力となりますので、一度立ち止まり振り返ってみましょう。
まとめ
保育学生がやめたいと思ったら、上記でお伝えした対処法を実践することで、困難を乗り越え、目標に向かって前進する力がでる可能性があります。
保育学生時代のやめたいという気持ちは、将来の保育士としての成長の糧となります。
日々の小さな成功体験を積み重ね、同じ志を持つ仲間と支え合いながら、一つひとつの課題に向き合うことが重要です。
実習や学業での困難は一時的なものです。
学んできた知識や経験が、保育現場で活きてくることを忘れないでください。
困ったときは一人で抱え込まず、先生や家族に相談して、初心に立ち返るようにしましょう。
この記事の監修は
森 大輔
保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事を兼任中。
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