今年の9月で「保育のせかい」サービス開始から1年が経過しました。
今回は保育のせかいの代表である森が、このサービスを立ち上げた経緯を書き記したいと思います。
シングルファザーになったことがきっかけで創業に至りましたので、当時の生活について綴っています。
ご興味があればご覧くださいませ。
シングルファザーに。
2013年、シングルファザーとしての生活がスタートしました。
こどもはまだ生後数ヶ月。
「これからどうやって生きていこうか…」
不安に押しつぶされそうになったことからスタートしました。
まさかの待機児童
シングルになったのは、年の瀬が迫る時期・・・
年度の途中であったため、保育園にすんなりと入ることができず、「待機児童」になってしまいました。
(恥ずかしい話ですが)春までは遠く離れた東京の実家で、こどもを預かってもらっていました。
私はそのころから大阪でサラリーマンをしていたため、休日になると新幹線に飛び乗ってこどもに会いに行くという日々がしばらく続きました。
親子2人暮らし
春になり、無事に保育園の入所が決まりました。
ほっと胸をなでおろしたのもつかの間、実家から遠く離れた大阪の地で、身寄りなしの2人暮らしがスタートしました。
当時、こどもはまだ生後9ヶ月でした。
住居は築40年超のURの団地、エレベーター無しの4階。
片手にスーパーで買い物をした重たい袋を持ち、その反対にこどもを抱えながら、4階まで階段を登る生活は想像以上に過酷なものでした。
「もう無理」と、何度言ったか覚えていません。
ですが、それと同時に「この子を一人前の大人に育て上げるまでは死ねない。生きる。」と固く心に誓う日々でもありました。
お迎え連絡の続発、さようなら有給
かねてより「保育園に入所してからの数ヶ月は、ろくに通うことができないよ。」という言葉を多方面から聞いており、「そんなわけないじゃん!」と軽い気持ちであしらっていましたが、まさにその通りの結果に。
朝起きて
【おや?こどもがちょっと咳をしているな…】
なんて思いつつ、いつも通り保育園に預けて出社。
数時間ほど仕事をしていると、職場に一本の電話が鳴り響く。
「森さーん、保育園からの電話でーす!」と事務員さんからのお声がけ。
保「お子さん、熱が39度あります!すぐに迎えにきてください!」とのこと。
同僚に、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・ と念仏のように15回くらい唱えながらダッシュでお迎えにいくなんてことが数えきれないほどありました。
こどもが2歳になるくらいまでは、毎週のように会社を早退してお迎えに行っていました。
当然のことながら、有給休暇はあっという間になくなりました。そして有給が消え去った後に残るのはただ一つ、
「欠勤控除○万円」という記載
まるで死刑宣告のような給与明細。
一度だけその場で破り捨てたこともあります。
思い返すと、プール熱・ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症・インフルエンザAとB・溶連菌感染症等々、一般的に乳幼児が罹患しやすいと言われる感染症を、ほぼコンプリートしたのではないかと思うほど。
一番大変だったこの時期、こどもは小さいながらも良く頑張ってくれたたと思います。
休めない…!
時期によっては、どうしても仕事を休めないことがありました。
ただでさえ毎月の残業時間が平均40時間ほどであったため、こどもが元気なときは保育園の閉園時間ギリギリまで預けていることが常態化していました。
前項の通り、こどもが体調不良のときは最悪です。いつも親身になって保育をしてくださる保育園(保育士さん)も、38度近くの発熱をしているこどもを、さすがに預かってくれるわけがありません。
色々と調べた結果、
「病児保育なんてものがある。しかもまさかの職場の向かい。これや!」
そう思い、病児保育室に預けたことがありました。
しかし、病児保育室から突然の電話。
病児保育「お子さんが泣き止まなくて、もう無理です。迎えに来てください。お父さんの職場はここから見えますよ。なんなら声も聞こえるんじゃないですか?」
なんてことだ。。。
急いで迎えにいった先で目にしたのは、病児保育室の保育士さんでも手に負えないほど泣き叫ぶ我が子。
このときばかりはこどもへの罪悪感と自身の無力感で胸が締め付けられました。
しかし、仕事を途中で置いて出てきたため、こどもを抱えながら仕事をするなんていうこともありました。
一筋の光・・・
また色々調べていくうちに、各自治体が提供している「ファミリーサポートセンター(ファミサポ)」なるものを発見。
私が利用したのは、簡単に言うと「行政がコーディネートする、格安利用ができるベビーシッター」でした。
ファミサポに登録しているシッターさんと、私のような、シッターを必要としている方をコーディネーターが繋げてくれるサービスです。
格安といっても、(自治体によって差はありますが)1時間あたり800〜950円程度はかかります。
所得が決して高くない私には辛いものがありました。
登録しているシッターさん全員が「良い人」であるとは限りませんが、私がお世話になった方々は、良い人ばかりでした。
最終的には、常時5名〜10名程の方と繋がっていたかと思います。
突然のシッター利用で、「AさんがだめだったらBさん、BさんがだめならCさん」と、不測の事態に備えていました。
お世話になった方の最高齢は60代後半でしたが、本当の孫のように接していただき、未だに近況報告の連絡を取り合ったりしています。
こどもが繋いでくれた、「大阪のばぁば」素晴らしきご縁ですね。
決意
学生時代から「いつか起業したい」そのようなことをずっと思っていましたが、シングルファザーになったことで、とにかく、
育児・料理・洗濯・掃除・買い物等々
日々生活していくことに必死で、その夢から日に日に遠ざかっていく自分がいました。
これまで全力で駆け抜けてきましたが、こどもが成長するとともに身体も丈夫になり、保育園からのお迎え連絡も全く無くなりました。
私自身にも精神的な余裕が出てきた頃です。
そうすると、保育行政・待機児童・保育士不足の問題に、ふつふつと興味が湧いてくるようになりました。
これまで保育園と保育士さんにお世話になっていた私としては、
「今しかない。今やるべきだ。そう、恩返しのときだ!」
決意することに時間はかかりませんでした。
自身の経験から導き出された思いが行動に現れた瞬間、こうして2017年9月「保育のせかい」のサービスを立ち上げることになりました。
これから
日本では、保育士の有資格者が120万人いるなかで、保育士としてお仕事をされていない「潜在保育士」(=他業種にお勤めの方や、主婦の方など)さんが、80万人いると言われています。
保育のせかいでは、そういった潜在保育士さんの発掘に力を入れています。
また、悲しい現実ですが「ブラック保育園」にお勤めの方も少なからずいらっしゃいます。
そのような方には、適切な就業先・活躍先のご紹介をさせていただき、保育士さんが幸せを掴むお手伝いをさせていただいております。
120万人いる保育士さん、その中の1人でも多くの方が活躍することができたら・・・
日本は救われます。
代表である私を始めとして、保育のせかいのスタッフはみなさまのお仕事探し、求人探しを全力でサポートさせていただきます。
2年目を迎えた「保育のせかい」を、どうぞ宜しくお願い致します。
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