保育園では0歳~5歳までの子ども達の生活サポートを保育士が行っています。
保育士になるためには、国家資格の取得が必要なのですが保育業界は人手不足に陥っているため、人材が足りていない保育現場は多いです。
実は、保育園では保育士の補助的な役割を担う人も働くことができます。
保育補助という仕事で、保育士の国家資格を持っていない人が就くことが可能です。
保育士は知っているけれど、保育補助に関してあまり知らないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、保育士と保育補助の仕事内容と違いについてや、それぞれの魅力や役割などについて解説していきます。
Contents
保育士の仕事内容とは?
保育士の仕事内容は以下のようなことがあります。
子どもの生活サポート
保育士のメイン業務と言えば子どもの生活サポートです。
保育園や保育施設で過ごす子どもは、乳児から幼児までいるので年齢や性格もバラバラです。
そのため保育士は、園児達の発達に合わせて成長を促したり身の回りの世話をしたりします。
教材研究
今の教育体制に依存せずに、保育現場に取り入れる工作を考えたり子ども達の学びになるような教材研究を保育士は行います。
教材研究は大人が行いますが、子どもの目線になって計画を立てたり実践できなければ実際に子どもが工作や遊ぶ時に、難しすぎたり複雑すぎたりして喜んでくれない可能性があります。
そのため、保育士は実際に作った教材を実践してみることが大切です。
翌日の保育業務の準備
保育士の仕事内容は、ある程度はルーティン化されていますが翌日の保育業務の準備までしっかり行っているところが多いです。
例えば、子どもが使う工作道具や教材などを翌日、すぐに使えるように人数分用意したり学ぶ手順などを頭に入れて、スムーズに実践できるようにしたりなどです。
もしかしたら、翌日は子どもに何かトラブルや怪我があったりする場合も考えられるので、ある程度、仕事のシミュレーションを行うことで柔軟に対応しやすくなります。
季節行事やイベントの企画・準備・運営
子どもの身の回りの世話をするのが保育士の主な仕事ですが、園児達が保育園で退屈せずにや社会生活を送るうえで必要な生活能力の向上を目指して、季節行事やイベントの企画・準備・運営なども行っています。
運動会・お遊戯会など催し物は色々あるので、保育士は出し物や制作物などを保育業務の片手間に作らなければいけません。
そして、行事やイベントを開催した時は子ども達の安全に配慮して、怪我をしないように成功させなければいけないので神経を使います。
保育日誌やお便りの作成
保育日誌やお便りなどの作成も定期的に行う必要があるので、デスクワークも保育士の重要な仕事内容です。
事務作業をする時間帯は、働く保育園や保育施設によって違いがありますが子ども達が降園した後に取り組むところが多いです。
保育日誌やお便りがあることで、保護者は子どもの健康状態や保育の悩み・疑問・課題・改善点などを把握し理解できるので、安心感を得られやすいでしょう。
保護者とのコミュニケーションツールとしての役割もあるので欠かせない作業です。
保護者対応
保育園には、普段、家事や仕事などで忙しいママやパパが子どもを預けにきます。
日中に子どもと過ごす時間が多くなる保育士だからこそ、実は保護者が知らない面があったりアドバイスできたりする場合があるでしょう。
保護者と定期的にコミュニケーションをとって、信頼関係を高め支援や指導していくことが求められます。
事務作業
保育補助は保育の運営にまで携わりませんが、保育士は保育に関する様々な書類作りや事務作業を行っています。
子どもの生活サポートをしたり、事務作業をしたりなど保育士はマルチタスクの能力が必要とも言えるでしょう。
肉体労働だけではなく、頭を使う業務もあるので保育士は肉体的にも精神的にもタフさが要求されます。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士はデスクワーク勤務が可能?仕事内容について解説
保育補助の仕事内容とは?
保育現場で保育士のサポートをするのが保育補助の仕事内容です。
具体的には、以下のようなことがあります。
子どものおむつ交換や排泄の手伝い
乳児クラスの子どもは、まだおむつ交換が必要だったり授乳や離乳食のサポートなどをしてあげなければいけないので、保育士と一緒にや、あるいは手が離せない時は保育補助の人が手伝います。
子どもとスキンシップを図りながら、排泄の手伝い、掃除なども行います。
玩具の消毒
保育園のクラスには、子どもの遊びや学びのために玩具が用意されているところが多いです。
大勢の子どもがおもちゃに手をつけますから、保育士だけでは怪我をさせないように安全確認や衛生面など手が回らないこともあるので、保育補助は玩具の安全性を確認したり消毒を行います。
園児の一人がばい菌やウイルスの被害に遭うと、たちまち集団感染が起きてしまう恐れもあるため衛生面に配慮するのは保育補助の重要な仕事です。
子どもとの遠足・散歩の同行
保育補助の仕事内容として、保育士が子どもと一緒に遠足・散歩などに行く時に同行をお願いされることがあります。
普段、園内を元気いっぱいに走り回って過ごしている子ども達ですから、外出時に衝動的に道路に飛び出したり事故やトラブルに巻き込まれたりする恐れもあるでしょう。
外出時は危険がいっぱいです。
子どもに万が一のことが起こらないように保育補助の人は、細心の注意を払いながら見守る必要があります。
登園・降園時の対応
保育園や保育施設に保護者が、子どもと一緒に登園してきたり降園時にお迎えにきたりした時に、保育補助の人はママやパパに日中、どんな様子で園児が過ごしていたのかわかりやすく説明を行います。
保育補助の仕事の範囲でわかることがあれば、ママやパパの相談にのってあげます。
保護者からは、保育士として働いているのか保育補助なのかはあまりわからないものなので、できれば対応時にきちんと説明しておくと安心です。
昼食やおやつの準備・片付け
子ども達の昼食やおやつの準備・片付けも保育補助の大切な仕事です。
食事の準備や片付けをしながら、保育士と連携を取り子ども達の体調に問題無いかやトラブルが起きていないか要領良く確認します。
食事中にお利口さんでいられなくて、騒いでしまう子どもがいたら他の園児に迷惑がかかるので気持ちよく過ごせるように配慮する必要があります。
保育士の補助的な作業
保育士不足が騒がれている保育業界で、補助的な作業をしてくれる保育補助の人の手助けに保育士はとても助かるものです。
保護者や周りの人からは保育士と保育補助の人の見分けがつきにくいので、保育補助の実態がいまいち掴めてなかった人も多いはずです。
仕事内容に違いはありますが、保育士も保育補助の人も子どもや保護者の気持ちを理解して頑張りたいという思いは同じでしょう。
保育士と保育補助の違いとは?
保育士と保育補助の違いは、周りから見るとあまり見分けがつかないためよくわからない人の方が多いのではないでしょうか。
大きな違いは保育資格の有無です。
保育士資格が無ければ、保育士としてクラス担任になることができませんし保育の運営に関われません。
保育士の補助的な仕事を行う保育補助として保育現場で働きます。
一方で保育士資格を取得していると、保育園でクラス担任になることが可能になり保育の運営にも関与します。
保育士と保育補助は、クラス担任になれるのかや仕事内容に違いがあり、どちらも子どもと接する仕事なのは変わりません。
子どもの生活サポートや教育に関して、責任が重いのは有資格者である保育士でしょう。
保育補助の人は、保育士が手が回らない作業を行ったり負担を軽減できるようにサポートをすることが求められます。
保育士の魅力
保育士は子どもの成長する過程を見守ることができます。
保育園に入園時にはあまり会話できなかった子がやがて、コミュニケーションがスムーズにできるようになったり小さかった子が何十cmも身長が伸びたりするなど、心と身体の成長を間近で見られることが大きな魅力です。
子どもを預けるママやパパにとっても、保育士は無くてはならない存在と言えます。
普段、家事や仕事で忙しい日々を過ごしている保護者や共働き夫婦の方は、保育士に我が子の面倒を見て貰うことでやるべき事だけに集中できます。
ママやパパをサポートするということは、立派な社会貢献活動と言えるでしょう。
「パート・派遣・アルバイト・契約社員・正社員」など、雇用形態の幅が広いというのも保育士の魅力です。
ライフスタイルに合わせて、比較的自由な働き方ができますし一度、保育士資格を取得していればブランクがあっても就職・転職することができます。
上記のように保育士の魅力はたくさんあります。
保育補助の魅力
保育補助の雇用形態も「パート・派遣・アルバイト」などがあり、非正規雇用社員として柔軟な働き方が可能です。
保育士資格が必要ではない仕事ですが、保育士資格をもっていても保育補助として働くこともできます。
雇用先によっては、保育士資格があればさらに時給を上げてくれる可能性もあるでしょう。
保育の仕事にチャレンジしてみたいけれど、保育士資格を取るのはハードルが高いし大変だと思う人もいます。
まずは、保育士資格が必要ではない保育補助の仕事を経験して、保育業務を学びながらキャリアアップを目指せるのも大きな魅力です。
保育補助の仕事も上記のように、たくさんの魅力があるので保育現場で働きたいと思っている人は向き不向きを考えて良い選択をしてください。
保育士の役割
保育士は保護者から子どもを預かり、本当の親のような気持ちで愛情を注いで生活サポートや教育を行う必要があります。
子どもにとっては、保育士が仕事で面倒を見ているということはわかりませんし関係ありません。
子ども達の成長を支え生活力の向上を目指し、社会性を養わせるという仕事の役割が保育士にあります。
あいさつや集団生活の重要性を教えたり、コミュニケーションや人付き合いの仕方などを幼少期から身につけさせることによって、立派な大人へと成長していきやすくなります。
また、保育士は保護者からの相談にのってあげたり、解決策、改善策などを一緒に考えてあげたりするアドバイザー的な存在です。
子育て世帯を支援するという社会的な役割を担っていて、社会貢献活動をしていると言っても過言ではないくらい尊い職業だと言えます。
もし、保育士という職業が存在していなければ、子育てをしながら家事や仕事で忙しい日々を過ごしているママやパパの負担が増えるのは目に見えていますし、もっと少子化な世の中になっているかもしれません。
保育士は国家資格がいる仕事のなかでは、重労働だと言われがちですが世の中で必要不可欠な職業だと言えるでしょう。
保育補助の役割
保育業界での人手不足を補うためや、保育士の仕事の負担軽減を目的として保育補助の人がサポートできる範囲は手助けをするという役割があります。
保育補助の人がいるおかげで、保育現場でのセキュリティ強化や園児達の安全確保に繋がります。
また、保育園や保育施設によっては労働力が不足しているところもあるので、保育補助の人が入ることにより人材不足をカバーする役割もあるのです。
保育士資格が必要ではない、保育補助の仕事は保育士の離職率を下げることにも繋がっており、仕事内容や待遇の違いなどありますが持ちつ持たれつな関係性があると言えます。
保護者や子ども、周りの人から見ると保育現場で働いている人は保育士なのか保育補助の人なのかは見分けがつきにくいですが、どちらも重要な役割をもっていることがわかります。
まとめ
基本的に、保育士になるためには保育士試験に合格して国家資格の取得が必要ですが、保育士のサポートを行う保育補助という職業は無資格でできます。
そのため、保育業界で働く条件として必ずしも保育士資格がいるわけではありません。
いきなり国家資格を取得するのはハードルが高いと思う人は、保育補助の仕事をしながら保育現場でノウハウやスキルを学んでからステップアップするのも良いでしょう。
この記事の監修は
保育のせかい
キャリアコンサルタント 渡辺愛菜(保育士)
保育士として勤務をした後、一般企業も経験しその後、保育のせかいに入社。
自身の経験をもとに求職者の方々へアドバイスをおこなっています。
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