保育士の仕事は基本的に、シフト制を採用しています。
正社員以外にもパートタイマー・アルバイト・派遣社員・契約社員など、非正規社員として働ける職場も多く、雇用形態の選択肢は様々です。
非正規社員の働き方を選択する人は、短時間勤務を希望する人もたくさんいます。
シフト制の働き方であれば、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に仕事ができるからです。
保育士に興味がある人のなかには、遅番の働き方について深く知りたい人もいるのではないでしょうか。
今回は、保育士の遅番は夜勤と同じなのかや、シフト制の魅力と短時間勤務できるのかなどについてお伝えしていきます。
Contents
保育士の遅番は夜勤と同じ?
多くの人が保育士の働き方で、遅番と夜勤は同じものだという認識をしていますが実際には違います。
遅番は普通番の保育士が勤務終了した後に、居残りしている子ども達が保護者のお迎えが来るまで面倒を見ます。
そのため、出勤する時間帯は11時頃で退勤が20時頃といった感じです。
一方、夜勤をする保育士は夜中から早朝まで勤務することになります。
例えば、24時間体制で子どもを預かる保育園や、夜間保育に対応した職場などがあります。
遅番より夜勤をする保育士の方が、深夜手当がつくため賃金は高くなりがちです。
夜勤は普通なら人間が眠っている時間帯に無理をして、働くことになるため自律神経や、生活リズムが乱れるリスクもあります。
保育士の勤務体系は、子ども達の保育に最適なサポートを、提供するために重要になってくる要素です。
保育士自身の安全も同様に大切になりますので、遅番のシフトには特に注意が必要になります。
職場側としても、雇用している保育士が安全に帰宅できる環境を整えてあげることは、保育の質を高めるためにも不可欠でしょう。
保育士として働く際は、勤務時間やシフト制について十分に理解して、自身の安全にも配慮することが大切です。
保育士の遅番とは?
保育士の遅番は午前中はゆっくりできるため、朝早く起きてバタバタと家事や仕事の準備をする必要がありません。
遅く出勤できるということは、遅刻するリスクも軽減できるでしょう。
そのかわり、帰宅するのは夜遅いので帰って数時間後には、就寝して次の勤務に備えるという生活パターンになります。
ライフスタイルや生活リズムは人それぞれ違いがあります。
保育士になって働く場合、シフト制を採用している職場であれば、早番・普通番・遅番の働き方のなかでどれが自分に向いているのか見極めた方が長く続きやすいです。
ただし、遅番や夜勤をすると生活リズムや、体調を崩してしまう恐れもあります。
ライフスタイルに合っていても、体質的に遅番や夜勤が無理な場合もあるので注意が必要です。
保育士の夜勤とは?
夜勤をする保育士は、早朝まで完全に眠れないわけではありません。
預かっている子ども達が眠った後に、仮眠をとりながら業務を行います。
日中に働く保育士は、子ども達と一緒に遊んだり散歩に出かけたりしますが、夜勤の保育士はほぼ子ども達を見守ることが仕事です。
夜の22時~翌日5時までの仕事に対しては、雇用主が割増賃金を払う必要があるため夜勤で働く保育士は、日中に働く保育士よりも時給が高く設定されています。
職場によって保育士の勤務形態は様々です。
夜勤をする保育士でも夜勤専門でなければ、日勤の仕事をすることになるため日勤と夜勤を交互に行う職場で働く場合は、生活リズムや自律神経が乱れてしまう恐れもあるでしょう。
保育士は早番・普通番・遅番のシフト制が一般的
基本的に保育士の仕事は下記のように、早番・普通番・遅番のシフト制を採用している職場が多いです。
・早番=朝7時30分頃~夕方16時30分頃まで勤務
・普通番=朝8時30分頃~夕方17時30分頃まで勤務
・遅番=朝9時30分頃~夜20時頃まで勤務
上記のように「早番・普通番・遅番」の形で働く時間帯が分かれています。
シフト制を採用している職場では、保育士は不定休で月8日の休みを取得しているところも多いです。
働く時間がきっちりと分かれているため、プライベートを重視したりワークライフバランスを保ったりしたい人は、働きやすい環境でしょう。
早番
早番の保育士は、朝早くから子ども達を迎え入れ、一日の勤務をスタートさせます。
子ども達が登園する前から、開園前の準備や登園する時の対応が主な仕事となります。
子ども達が保育園や保育施設に集まると、保育士は一緒に遊んだり学習活動をサポートしたりして、多くの業務をテキパキとこなさなければいけません。
普通番
普通番の保育士は、一般的な企業の勤務時間に近いシフトです。
子ども達の活動が最も活発な時でもあり、昼食の準備や教育、遊びの時間など多くの保育活動が行われます。
また、保護者とのコミュニケーションや、日々の記録の作成なども含まれます。
遅番
遅番の保育士は、夕方から閉園までの時間帯に勤務して子ども達が、家に帰るまでの時間をカバーします。
帰宅の準備、園の片付けやおやつの準備などを行ったり、保護者とのコミュニケーションや、次の日の準備も行います。
延長保育や夜間保育に対応するため、夜遅くまで勤務することがあるでしょう。
遅番の勤務は、保育園や保育施設によって時間帯は異なります。
早番、普通番、遅番といったシフト制により、保育士は子ども達のさまざまなニーズに対応できます。
例えば、早朝や夕方の保護者の出勤・退勤時間に合わせた適切なサポートが行えるため、子どもを預けるママやパパにとって、とても頼りになる存在でしょう。
保育士の遅番を含めたシフト制の魅力
保育士の遅番を含めたシフト制の魅力をお伝えしていきます。
早番
早番のシフトは、一般的に朝の早い時間から始まります。
朝早くから出勤して子ども達が登園する前に準備を整え、登園してきた時には笑顔で迎えることで、子ども達が一日を安心して過ごせるようにします。
早番の魅力は午後に自由な時間を持てることです。
午後早くに仕事が終わることで、プライベートの時間を有効活用できます。
早番のシフトは家庭やプライベートの用事を、済ませたい保育士にとって理想的な勤務形態でしょう。
普通番
普通番の保育士は、午前中から午後までの勤務となります。
普通番の魅力は、子ども達と深く関わることができる点です。
シフト制の時間帯のなかで、もっとも多くの子ども達とのかかわりがありますが、その分、生活サポートやデスクワーク、食事の準備など多くの業務が集中します。
保護者とのコミュニケーションを取る機会も多く、子ども達の成長を間近で見ることができます。
遅番
遅番シフトは、夕方から夜にかけて保育士は勤務します。
遅番で働く保育士がいるおかげで、子どもを預けているママやパパが仕事から、帰宅するまでの時間を安心して過ごすことができます。
遅番は静かな時間帯に集中して仕事ができたり、朝はゆっくりと過ごせたりできるのが魅力です。
保育士は遅番のみなど短時間勤務はできる?
シフト制を採用している職場であれば、保育士は遅番のみなどの短時間勤務が可能です。
働き方が多様化できると保育士は、仕事とプライベートのバランスを取りながら、子ども達に質の高い保育を行えます。
ただし、遅番のみなど短時間勤務やシフト制での働き方は、保育園や保育施設によって違いがあります。
具体的なシフトや勤務時間を知りたい場合は、求人情報を確認したり、直接施設に問い合わせたりしてみましょう。
短時間勤務でも、子ども達の安全と健康を守るという保育士の重要な役割は変わりません。
短時間勤務の場合、フルタイム勤務に比べて給与や、福利厚生が異なる場合がありますので注意が必要です。
育児や介護などの個人的な事情を抱える保育士も少なくありません。
遅番や短時間勤務ができる働き方は、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなるので、何らかの事情を抱えている人とって働きやすい環境と言えます。
保育士は遅番よりも夜勤は生活リズムが崩れがち
保育士の勤務時間は、一般的に早番、中番、遅番のシフト制で構成されています。
遅番の勤務は通常、夕方から夜にかけての勤務となりますが、夜勤はそれを超えて深夜まで、または翌朝まで勤務する場合もあるため注意が必要です。
保育士の遅番よりも夜勤は、生活リズムを大きく変えるため、体調管理が難しくなることがあります。
夜勤の保育士は、仕事に追われる状況にはなりにくいですが、普段、人間が眠る時間帯に起きていなければいけないので、生活リズムが崩れてしまう恐れがあるため注意が必要です。
睡眠時間が不規則になると、体調を崩しやすくなることが知られています。
そのため、夜勤の際は十分な休息をとったり、健康的な食事を心掛けたりすることが重要です。
保育士の遅番の食事事情
遅番の保育士は、夕方から夜にかけての勤務となるため、食事のタイミングが難しいことがあります。
保育園によっては、職員用の給食が提供される場合もありますが、自分で準備することも多いでしょう。
保育士の昼食事情は、勤務先によって異なってきます。
職場によっては、短時間勤務の場合や子ども達の対応で忙しくて、昼食を取れないことが常態化している園もあるようです。
遅番の勤務では、昼食をしっかりと食べて体力を維持しておくことが重要です。
食事の時間を確保するために、事前に準備したり栄養バランスを考慮した、食事をとったりすることが求められます。
保育士の夜勤の食事事情
夜勤の保育士は、夜間に子ども達の世話をするため、夕食の準備や摂取のタイミングが通常の勤務とは異なります。
夜間保育では、基本的に子どもの生活サポートするのがメインとなります。
そのため、夜間保育士の仕事内容は食事や入浴、睡眠の世話などが中心となるでしょう。
夜間に重い食事をとると、消化が追いつかず体調を崩す場合もあるため、軽い食事を心掛けることが大切です。
できれば、夜勤の際は勤務前にしっかりと食事をとることをおすすめします。
特に炭水化物やたんぱく質を含む食事が、夜間の活動に必要なエネルギーとして大切です。
睡眠時間が不足しがちな夜勤では、栄養バランスの良い食事をとって、しっかりと体調管理を行いましょう。
保育士の遅番は帰り道に注意しよう
遅番のシフトを終えた保育士は、夜間は視認性が低下し、交通事故のリスクが高まるため帰り道は特に注意が必要です。
夜間は視界が低下したり、疲労が蓄積したりしているかもしれません。
保育士は自身の安全を確保するためにも、周囲の環境に気を配る必要があります。
遅い時間になると、通勤路の人通りが少なくなり、暗い道を一人で歩くこともあるため、安全対策が重要です。
暗い道や人通りの少ない場所は避け、一人で帰宅する場合は安全なルートを選んだり、防犯ブザーを携帯したりしましょう。
退勤が遅くなった時は公共交通機関の利用や、職場の人達と一緒に帰ったり、あるいは信頼できる送迎サービスの利用など、安全な帰宅方法を選択することが大切です。
職場側も保育士が安全に帰宅できるように、帰りが夜遅くなる保育士には送迎サービスを提供や、タクシーチケットを支給するなどのサポートをしてあげることで安全を確保できます。
遅番で働く保育士は、帰る時は安全第一で行動しましょう。
自転車や車で帰る場合は、ライトの点検や反射材の使用など、交通安全にも気をつけてください。
まとめ
保育士のシフト制は、子ども達の生活リズムに合わせた柔軟な保育を可能にします。
一方で保育士自身の生活バランスに影響を与えることがあります。
特に、遅番や夜勤、早番など不規則な勤務時間は、保育士の生活リズムが崩れがちです。
保育士のシフト制は、園児達にとって最適な生活サポートや、ケアを提供するために不可欠ですが、同時に保育士自身の健康と安全も重視する必要があります。
短時間勤務は、労働者の権利として育児・介護休業法で保護されており、保育士が時短勤務を希望する場合、一定の条件を満たせば実現可能です。
遅番の保育士になった人は帰宅が夜遅くなるため、十分な休息を取ることが難しくなります。
生活リズムや体調を崩さないように、注意しながら保育業務を行いましょう。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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