保育士は保育園や保育施設で、保護者から子どもを預かり親の代わりを務めます。
ママやパパは、日中の間は仕事や家事などで忙しい毎日を送っている人が多いですから、その間、保育士が責任をもって預かった子どもの面倒を見なければいけません。
子ども達だけとコミュニケーションを図れば良いとはならず、保護者とも良好な関係を構築する必要があります。
保護者対応をおろそかにしたり、誤ったりするとクレームやトラブルの原因になりかねません。
対応した保育士だけではなく、保育園や保育施設自体の評判に関わることもあるので注意が必要です。
今回は、保育士が保護者とトラブルになった場合の対応方法やその理由と、保護者と良好な関係を作るためにやるべきことなどについて解説していきます。
Contents
保育士が保護者とトラブルになる理由
保護者は保育士や保育園、保育施設自体を信頼して子どもを預けますから保護者対応に苦手意識をもっていたり、避けていてはママやパパは不信感を抱いてしまいます。
先輩保育士も最初から保護者対応に慣れているわけではありません。
働きながら経験を積みママやパパ達とスムーズな、コミュニケーションや対応ができるようになっています。
保育士と保護者とのトラブルは避けたいものですが、時には以下のような理由で良好な関係が築きにくくなってしまいます。
子どものケンカ
保育園や保育施設では、たくさんの子どもが過ごしています。
集団生活をしていると、子ども同士でケンカが始まる場合もあるでしょう。
例えば、おもちゃの取り合いでしたり、友達との会話が上手くいかなくて言い争いになったり手をだしたりすることもあります。
その場で収拾がつけば良いですが、自宅に帰ってママやパパに話したりあまりにも酷いケンカの場合は、保護者に連絡をしなければいけません。
設備のトラブル
子どもは無邪気でどのような行動をするかは予測不能です。
そのため、保育園や保育施設の遊具や設備で事故やトラブルが起きないよう職員は安全に気を配っています。
保育士が子ども達から目を離さないように心がけていても、目を離していたすきに設備が壊れてしまったり不可抗力で事故やトラブルが起きたりする場合があります。
そのような事態が起きたら、保育士は迅速に保護者に連絡をしなければいけませんが、その際にクレームを言われたりトラブルになることもあるのです。
子どものケガ
子どもの安全を守るのが保育士としての役目ですが、保育園や保育施設ではたくさんの子ども達が集団生活をしているので全員に目を配るのは難しいです。
保育士が気づかない間に、子ども同士で遊んだりケンカしたりしてケガを負ってしまうこともあるでしょう。
走り回って転んでケガをする子どももいます。
ケガの程度に関わらずすぐに保護者に連絡をして、状況説明や原因などを話す必要があります。
どこの親でも我が子がケガをしてしまうのは辛いですから、保育士に注意したり危機管理ができていないことに対して怒りがおさまらず揉める場合があるのです。
双方の考えが異なる
保護者と保育士の双方の考え方が異なることで、トラブルが起きてしまう可能性があります。
例えば、子どもが保育園や保育施設でケガをした時に、小さな傷だったのでママやパパが迎えに来た時に報告したら、保護者は何でもっと早く連絡してくれなかったと言われたりです。
保育士は保護者が日中は忙しいだろうと思って、気を遣い連絡をしなかったとしてもママやパパにとってはありがた迷惑になりかねません。
方針が気に入らない
子どもを預ける保護者にとっては、保育園や保育施設がどのように園児と接するのかや方針なのかは、しばらく預けてみないことにはわかりません。
保育士として子どもや保護者への関わり方や方針に納得できない親もいます。
もちろん、保育園や保育施設側は子ども達や保護者の気持ちを考え適切な対応を心がけているものですが、方針や接し方が気に入らないことで揉め事に発展する場合もあります。
もし保育士が保護者とトラブルになったら?
保育士が保護者とトラブルになってしまう理由は、色々あることをお伝えしました。
時には保護者から理不尽なクレームを言われたり、納得できないことが起きる場合もあるでしょう。
一番良くないのは言い争いです。
保育士と保護者のどちらが悪いのか決めつけたり、保護者へ意見を押し通すのは良くありません。
もし保育士が保護者とトラブルになってしまったら、以下のような対応を心がけることが大切です。
意見をせず最後まで話を聞くこと
保護者側に筋が通ってなくても、まずは意見をせず最後まで話を聞くことが大切です。
会話をしている間は、相槌を打ちながら共感をしてあげて保護者の怒りを沈められるような対処をすると、双方が落ちついて話すことができます。
園に相談する
もし保護者と保育士との間でトラブルが起きてしまったら、その場で解決せず保育園や保育施設の園長先生や役職者に相談するのも1つの手段です。
保育士と保護者がお互い冷静な状態ではない場合があるので、園長先生や役職者に客観的な意見を聞いたりトラブルの解決策を伺ってみましょう。
謝罪と感謝をする
保護者は保育園や保育施設に、お金を支払って子どもを預けていますからお客様になります。
お客様がいないと保育園や保育施設の運営はままなりません。
どんな理不尽なクレームやトラブルがあったとしても、怒らせてしまったことに対して謝罪は必要です。
そして保護者も同じように保育士と、良好な関係を築いていきたい人がほとんどでしょう。
保護者が勇気を出して発言してくれたことに対して、感謝の気持ちを伝えることは大切です。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士は簡単になれる?難易度や誰でも取れるのかを解説
保育士が保護者と良好な関係を作るためにやるべきこと
保育士と保護者でトラブルが起きてしまう前に、日頃から以下のようなことを意識していると良好な関係を築きやすいです。
保護者に挨拶はしっかりと行う
保護者に対しての言葉遣いに気をつけたり、挨拶はしっかりと行うことが大切です。
日頃から真面目な印象をママやパパに与えるようにしておくと、良好な関係を築きやすいです。
コミュニケーションをとる
普段、保育士と保護者が関わる時間は子どもの送り迎えの時のわずかな時間です。
そんなに長時間、ママやパパ達と会話するわけではないので、日頃からコミュニケーションをしっかりととっておくと保護者から信頼されやすくなります。
自分の子どもだと思って接する
保護者は保育士と子どもとの関係性を気にしているものです。
日中は仕事や家事などを行っているママやパパは多いですが、常に頭の中では子どもはお利口さんにしているのだろうかとか、保育士との関係は良好なのだろうかなど心配しています。
保護者を安心させるためにも、保育士は預かる子どもを自分の子どもだと思って深い愛情を与えながら接するようにすることが大切です。
子どもに信頼される保育士になる
保護者と保育士は良好な関係を築くために、信頼される言動や行動をとることが重要ですが預かる子どもに対しても、同じように信頼されることが大切です。
まだ小さいから何もわかっていないだろうと思っていても、子どもは大人をよく観察しているものです。
子どもからも信頼されないと、常に保育士に対して顔色を伺うようになり心を閉ざしてしまうことになるので保護者と子どものどちらともに信頼してもらえるように努めましょう。
まとめ
子どもを預かり生活サポートや見守ることが保育士の仕事ですから、保護者とも信頼関係を構築していかなければいけません。
保護者対応が苦手な人や、できるだけコミュニケーションは図りたくないという保育士もいるでしょう。
苦手意識をもったり避けていたら、いつまでたっても良好な関係を築けず時にはクレームを言われたりトラブルに発展してしまう可能性があるので、日頃から言動や行動に気をつけながら信頼関係を構築していくことが大切です。
この記事の監修は
保育のせかい
キャリアコンサルタント 渡辺愛菜(保育士)
保育士として勤務をした後、一般企業も経験しその後、保育のせかいに入社。
自身の経験をもとに求職者の方々へアドバイスをおこなっています。
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