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2026.07.26

2026.08.13

【保育士2年目の悩み】「もっとできるはず」という焦りとの向き合い方

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1年目をなんとか乗り越えて、2年目を迎えた。先輩に言われたことをこなすことに必死だった去年と違い、今年は少し余裕が出てきた。でも、余裕が出てきたからこそ気になり始めることがあります。「自分は2年目なのに、まだこんなこともできないのか」「後輩が入ってきたのに、頼られる先輩になれていない」「同期のあの子はもっとうまくやっているのに、なぜ自分は」。こうした「もっとできるはず」という焦りは、保育士2年目が感じやすい、この時期ならではの悩みです。

1年目が「毎日を生き延びること」に精一杯な時期だとすれば、2年目は「できていないことが見えてくる時期」と言えるかもしれません。成長しているからこそ見える景色があり、だからこそ感じる焦りがある。そのことをまず知っておくことが、2年目の壁と向き合う出発点になります。

この記事では、保育士2年目特有の焦りがなぜ生まれるのか、その気持ちとどう向き合えばよいのかを整理していきます。

2年目の「焦り」はなぜ生まれるのか

保育士2年目に感じる焦りには、いくつかの背景があります。

ひとつは「期待値の変化」です。1年目は「初めてだから仕方ない」という周囲の目線があります。多少のミスや不慣れも、「1年目だから」というフィルターで見てもらえる部分がありました。しかし2年目になると、周囲の目線が少し変わります。「もう2年目だから」という期待が自分にも周囲にも生まれ、それがプレッシャーになることがあります。

もうひとつは「比較の対象が増えること」です。後輩が入ってくることで、「自分は後輩に何かを教えられる立場なのか」という不安が生まれます。同期と自分を比べて「あの人はもっとうまくやっているのに」と感じることもあるかもしれません。

さらに「自分のできなさが見えやすくなる」という側面もあります。1年目は何が分からないかすら分からない状態ですが、2年目になると保育の全体像がある程度見えてきます。だからこそ「自分が本当はどこが弱いか」が具体的に見えてくるのです。「去年はここまで考えられていなかったけれど、今はこれが足りないと分かる」という状態は、実は成長の証でもあります。

「2年目の壁」には種類がある

2年目の焦りや行き詰まりは、一括りに「壁」と言っても、人によって内容が異なります。自分がどのタイプの壁に当たっているのかを知ることで、向き合い方が見えやすくなります。

スキルの壁 「もっとうまく子どもに関わりたいのに、できない」「1年経ったのに、保育の引き出しが増えた気がしない」。保育の技術や関わり方についての焦りです。1年目は「正確にこなすこと」が中心でしたが、2年目は「より良くするにはどうすれば」という視点が出てきます。理想と現実のギャップが焦りを生みやすい時期です。

人間関係の壁 後輩への指導、先輩との関係、担任としての保護者対応。2年目はコミュニケーションに関わる役割が増えます。「後輩に何を伝えればいいか分からない」「どうしても気の合わない先輩との関係が辛い」という悩みが出やすくなるのも、2年目の特徴です。

アイデンティティの壁 「自分は保育士に向いているのだろうか」「このまま続けていく意味があるのか」。1年目の緊張感が解けた分、こうした根本的な問いが浮かびやすくなります。保育士として自分がどうありたいのかを模索し始める時期とも言えます。

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焦りとうまく付き合うための考え方

焦りを感じることは、決して悪いことではありません。「もっとよくなりたい」という気持ちの裏返しであり、保育士として成長しようとしているサインです。ただ、焦りをそのままにしておくと、自己否定や疲弊につながることがあります。焦りと付き合ううえで大切にしたい考え方をご紹介します。

「去年の自分」と比べる 2年目になると、周囲との比較で自分を評価しがちになります。しかし他者との比較は、環境も経験も異なる相手との比較であり、自分の成長を正確に映しません。比べるべき相手は、去年の自分です。「1年前の自分にはできなかったことが、今はできる」という視点を持つことが、焦りを和らげる助けになります。

「できていないこと」より「できていること」に目を向ける 2年目は「足りないところ」が見えやすくなる時期です。しかし同時に、気づかないうちにできることが増えていることも事実です。子どもの様子の変化に気づける目が育った、保護者への声かけに少し余裕が出た、行事の流れを自分でイメージできるようになった。こうした積み重ねを意識して認識することが、自己肯定感を保つうえで大切です。

焦りの「正体」を言葉にしてみる 「なんとなく焦っている」という状態は、漠然としているぶん消耗します。「何について焦っているのか」を具体的に書き出してみましょう。「後輩への指導の仕方が分からない」「クラスのある子との関わりがうまくいっていない」など、具体的にすることで、対処できることとそうでないことが整理されてきます。

「後輩ができた」ことへの戸惑い

2年目の保育士が特に戸惑いやすいのが、後輩との関係です。「自分もまだ不安なのに、後輩に教える立場になってしまった」という感覚は、多くの2年目が経験することです。

大切なのは、「完璧な先輩を演じようとしない」ことです。分からないことを「分からない」と言える先輩は、後輩にとってむしろ話しかけやすい存在です。「私も去年ここで悩んだよ」「一緒に確認しよう」という言葉は、後輩の安心感につながります。自分が1年目のときに「こう接してもらえたらよかった」と思った関わり方を思い出してみると、後輩への接し方のヒントが見つかることがあります。

また、後輩を指導する経験自体が、自分自身の成長になります。誰かに伝えようとするプロセスで、自分が無意識にやっていたことを言語化できるようになり、保育の理解がより深まっていきます。

2年目だからこそできる「深める」経験

1年目は「こなすこと」が中心でしたが、2年目は「深めること」に意識を向けられる時期です。毎日の保育の中に、意識的に学びの視点を持つことで、同じ経験の質が変わっていきます。

たとえば、担当する子ども一人ひとりをより丁寧に観察することです。1年目は集団全体の動きを追うことで精一杯だったかもしれませんが、2年目は特定の子どもの表情の変化や、午前と午後での様子の違いなどに気づく余裕が出てきます。小さな気づきを連絡帳や日誌に書き留める習慣を持つことで、観察眼が育っていきます。

また、园内外の研修に積極的に参加してみることもおすすめです。1年目は「研修に出る余裕もない」という状態だったかもしれませんが、2年目は少し視野を広げる余裕が生まれやすくなります。他の保育士の関わり方や保育観に触れることで、「こんなアプローチがあるのか」という発見が生まれ、自分の保育の引き出しが増えていきます。

2年目は「完璧にやろうとする」よりも「一つでいいから去年よりうまくやれることを増やす」という発想で過ごすと、成長の実感をつかみやすくなります。小さな前進を積み重ねることが、3年目以降の自信の土台になっていきます。

転職を考え始めたときの判断基準

2年目の焦りや行き詰まりをきっかけに、転職を考え始める保育士もいます。その気持ちを否定する必要はありませんが、2年目のこの時期に感じる「辛さ」が、環境によるものなのか、成長過程の一時的なものなのかを見極めることが大切です。

転職を検討すべきサインとしては、特定の職場環境(人間関係・業務量・給与)に明確な問題がある、心身の不調が続いている、改善を求めても状況が変わらない、といった場合が挙げられます。一方で、「なんとなく自信が持てない」「焦りが消えない」という感覚だけで転職を決めると、環境が変わっても同じ壁にぶつかる可能性があります。

一つの目安として、「3年間は同じ職場で働く」という考え方があります。保育の仕事は、3年のサイクルを通じて初めて全体像がつかめると言われています。異なる年齢のクラスを経験し、行事の準備から運営までを一通り経験してはじめて、自分の得意・不得意や、本当にやりたい保育の方向性が見えてくることが多いからです。判断を急がず、今の職場でできることをやり切ったうえで決める、という視点を持つことも大切です。

ただし、「3年我慢すべき」という意味ではありません。心身の健康を損なうほどの職場環境が続いているなら、早めに動くことも自分を守るための大切な判断です。「もう少し頑張れるか」を自分に問いながら、誰かに相談しながら、じっくりと考えていきましょう。

まとめ

保育士2年目の「もっとできるはず」という焦りは、成長しているからこそ見えてくる景色から生まれるものです。自分のできなさを直視できるようになったこと自体が、1年前には持てなかった視野を手に入れた証でもあります。

去年の自分と比べ、できるようになったことを認め、焦りの正体を言葉にして、一つずつ向き合っていく。その積み重ねが、3年目・4年目に「あのとき踏ん張ってよかった」と感じられる経験になっていきます。焦る気持ちを否定せず、自分のペースで前に進んでいきましょう。

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この記事の監修者

監修者の写真

森 大輔(Mori Daisuke)

保育のせかい 代表

《資格》

保育士、幼稚園教諭、訪問介護員

《経歴》

2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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