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2026.10.12

2026.10.16

【季節を楽しむ保育】七五三を保育に取り入れる|由来と家庭への配慮のポイント

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11月に入ると、神社で着物やスーツに身を包んだ子どもたちの姿を目にする機会が増えてきます。七五三は、子どもの成長を祝う日本の伝統行事の一つとして、多くの家庭で大切にされてきました。保育の現場でも、この時期になると「七五三」の話題が子どもたちの間で自然と出てくることがあります。

一方で、七五三の取り入れ方は、園や家庭によってさまざまです。行事として扱うのか、話題として触れる程度にとどめるのか、迷う保育士も少なくないのではないでしょうか。今回は、七五三の由来や保育での取り入れ方、そして家庭への配慮のポイントについて整理してみたいと思います。

11月の行事として親しまれる七五三

七五三は、毎年11月15日を中心に行われる、子どもの成長を祝う行事です。かつては、子どもが無事に成長することが決して当たり前ではなかった時代に、これまでの成長に感謝し、これからの健やかな歩みを願う儀式として広まったとされています。

一般的には、3歳、5歳、7歳の節目に、家族で神社にお参りをし、記念撮影をしたり、お祝いの食事を囲んだりする習慣があります。ただし、数え年で行う家庭と満年齢で行う家庭があったり、お参りの時期を11月15日にこだわらず前後にずらしたりと、考え方や風習には地域や家庭ごとの違いも見られます。

保育の現場では、3歳児クラスから5歳児クラスの子どもたちを中心に、七五三を迎える子どもが在籍していることが多くなります。「七五三のお参りに行ったよ」「着物を着たよ」と嬉しそうに話してくれる子どももいるため、子どもたちの経験を受け止めながら、保育のなかでどのように扱うかを考えていくことが大切です。

七五三の由来を子どもに伝えるヒント

七五三の由来を伝える際には、難しい歴史的な背景を詳しく説明する必要はありません。子どもたちが理解しやすい言葉で、七五三の意味をシンプルに伝えることがポイントです。

例えば、「昔は、小さな子どもが元気に大きくなることが、とても大切にされていたんだよ」「大きくなったことをお祝いして、これからも元気に過ごせますようにってお願いする日なんだよ」というように、「成長を祝う日」「元気に大きくなれたことへの感謝」という視点で伝えると、子どもたちにも身近に感じてもらいやすくなります。

また、七五三に欠かせない千歳飴についても、由来を簡単に伝えてみるのもよいでしょう。千歳飴は、細く長い形に「長生きしますように」という願いが込められているとされています。「長くのびる飴には、元気で長生きしてほしいという気持ちが入っているんだよ」といった伝え方であれば、年齢の低い子どもたちにも理解しやすい説明になります。

絵本や紙芝居を活用するのも効果的な方法です。視覚的な情報があることで、言葉だけでは伝わりにくい行事の雰囲気を、子どもたちが想像しやすくなります。

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年齢別の楽しみ方

七五三をテーマにした保育活動は、子どもたちの年齢や発達段階によって、取り入れ方を工夫することが大切です。

0〜2歳児クラスでは、行事の由来を理解することよりも、季節の雰囲気を五感で楽しむことが中心になります。着物の柄に見立てた色とりどりの折り紙や、千歳飴をイメージした細長い形の素材に触れる活動など、色や形、感触を楽しめる遊びが向いています。保育士が「きれいだね」「楽しいね」と声をかけながら、一緒に季節の行事を感じていくことが大切です。

3〜4歳児クラスになると、七五三の話を理解できるようになり、自分の経験と結びつけて話す姿も見られるようになります。「3歳になったから七五三だよ」という話から、自分の成長を振り返る機会として活用することもできます。「赤ちゃんの頃は何ができなかったかな」「今は何ができるようになったかな」といった問いかけを通じて、自分の成長を実感できる時間にしてみるのもよいでしょう。

5歳児クラスでは、より主体的に行事に関わる活動を取り入れることができます。七五三の由来について調べたり、友達同士で自分たちの七五三の経験を話し合ったりすることで、行事に対する理解や関心を深めることができます。また、大きくなったことへの自信を持つきっかけにもなります。

千歳飴・製作など保育での取り入れ方

七五三を保育に取り入れる際には、製作活動が取り組みやすい方法の一つです。画用紙や折り紙を使って、千歳飴の袋を作ったり、着物や羽織袴をイメージした製作を楽しんだりする活動は、年齢を問わず親しまれています。

例えば、紙袋に絵を描いて飾りをつけ、千歳飴の袋に見立てた作品を作る活動は、指先を使いながら創造力を発揮できる時間になります。完成した作品を保育室に飾ることで、行事の雰囲気を園全体で共有することもできます。

また、ごっこ遊びのなかに七五三の要素を取り入れることもできます。着物に見立てた布を羽織って「七五三ごっこ」をしたり、神社にお参りするまねをしたりする遊びは、子どもたちの想像力を引き出します。

大切なのは、「うまく作る」ことよりも、子どもたちが行事の雰囲気を楽しみ、自分なりの表現を発揮できる時間にすることです。準備が負担にならないよう、身近な素材を使って無理のない範囲で取り入れる姿勢を大切にしたいところです。

行事を行わない家庭への配慮

七五三の話題を保育に取り入れる際に、特に意識しておきたいのが、家庭への配慮です。すべての家庭が七五三を行うわけではなく、さまざまな事情から、お参りや撮影をしない家庭もあります。

経済的な事情や家族の状況、価値観の違い、あるいは子どもの体調など、七五三を行わない理由は人それぞれです。園で七五三の話題を取り上げた際に、行事を経験していない子どもが、「自分だけ何もしていない」と感じてしまうことがないよう、慎重な配慮が求められます。

具体的には、「七五三をした子」と「していない子」に分けるような声かけを避け、「みんなが元気に大きくなったことをお祝いする日」という視点で、すべての子どもたちを肯定的に受け止める言葉を選ぶことが大切です。

また、七五三の写真の持参や、着物の着用を促すような案内は、家庭に負担を感じさせる場合もあります。園として行事に取り組む場合でも、任意の参加とするなど、それぞれの家庭の事情に配慮した進め方を意識しておきたいところです。

保護者との情報共有で意識したいこと

七五三の時期は、家庭でお参りや撮影の準備を進めている保護者も多く、お便りや連絡帳を通じて、七五三に関する話題が出てくることもあります。保護者から七五三の報告があった際には、「おめでとうございます」と温かく受け止める姿勢を持つことが大切です。

また、お休みの連絡や、お参りに関する相談があった場合にも、個別の事情を丁寧に聞き取りながら、柔軟に対応していきたいところです。七五三の準備で慌ただしくなりがちな時期だからこそ、保護者の気持ちに寄り添った対応が、信頼関係の構築にもつながります。

園での七五三に関する取り組みを保護者に伝える際は、「子どもたちが七五三のお話を楽しんでいました」「千歳飴の袋を作りました」というように、子どもたちの様子を中心に共有すると、保護者にも安心して受け取ってもらいやすくなります。

伝統行事を通じて育まれる経験

七五三のような伝統行事に触れる経験は、子どもたちにとって、日本の文化や季節の移り変わりに親しむ貴重な機会になります。行事を通じて、「大切な人が自分の成長を祝ってくれている」という実感を持てることは、自己肯定感を育む土台にもなります。

また、行事の由来や意味を知ることで、「なぜこの日にお祝いをするのか」という興味や関心が生まれ、知的好奇心を刺激するきっかけにもなります。保育士が「昔からこうした行事があるんだね」と子どもたちと一緒に感じる姿勢が、子どもたちの学びをさらに豊かなものにしてくれます。

忙しい時期の行事準備のなかでも、子どもたちの成長を一緒に喜ぶ気持ちを大切にしながら、無理のない範囲で伝統行事に触れる時間を設けていってほしいと思います。

まとめ

七五三は、子どもの成長を祝う大切な行事であり、保育のなかでも、由来を伝えたり、製作活動や遊びを通じて楽しんだりと、さまざまな形で取り入れることができます。年齢に応じた関わり方を意識しながら、季節の雰囲気を子どもたちと一緒に味わってみてください。

一方で、七五三を行わない家庭への配慮も、忘れてはならない大切な視点です。すべての子どもたちが「自分は大切に思われている」と感じられるような声かけや進め方を心がけることで、誰にとっても温かい行事の時間をつくることができます。

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この記事の監修者

監修者の写真

森 大輔(Mori Daisuke)

保育のせかい 代表

《資格》

保育士、幼稚園教諭、訪問介護員

《経歴》

2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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