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2026.10.13

2026.10.16

【季節を楽しむ保育】秋の味覚を楽しむ食育|さつまいも・柿・栗の取り入れ方

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秋は、さつまいも、柿、栗など、おいしい食べ物が数多く旬を迎える季節です。保育園でも、給食やおやつに秋の味覚が登場する機会が増え、子どもたちが季節の移り変わりを「味」や「香り」で感じられる時期になります。

食育というと、「好き嫌いなく食べる」「マナーを身につける」といった目標をイメージする方も多いかもしれません。しかし、本来の食育は、食べ物に興味を持ち、食べることを楽しむ気持ちを育てることが出発点です。今回は、秋の味覚を題材にした食育の考え方や、年齢別の関わり方について整理してみたいと思います。

味覚の秋、食べ物に触れる季節

秋は、一年のなかでも食材の種類が豊富な季節です。畑や山で収穫された作物が店先に並び、子どもたちも家庭や散歩の途中で、旬の食べ物を目にする機会が増えていきます。

旬の食材は、味が濃く、香りも豊かなものが多いといわれています。子どもたちにとっても、「いつもと違う香りがする」「手にとると重い」といった発見がしやすく、五感を使って食べ物と向き合う絶好のタイミングです。

また、秋は気温が落ち着き、屋外での活動もしやすい時期です。散歩や園庭遊びと食育を結びつけることで、自然のなかで育つ食べ物への関心を、自然な形で引き出すことができます。

食育で育てたいこと

食育を考える際には、「何を食べさせるか」だけでなく、「どんな気持ちで食と向き合ってほしいか」という視点を持つことが大切です。

まず育てたいのは、「食べることは楽しい」と感じる気持ちです。おいしさを感じたり、友達と一緒に食べる時間を楽しんだりする経験は、食べる意欲の土台になります。

次に、食べ物への興味や関心です。「これは何だろう」「どこで育つのかな」といった疑問を持つことが、食べ物とのつながりを深めていきます。さらに、食べ物をつくってくれた人や、命をいただくことへの感謝の気持ちも、食育を通じて少しずつ育っていく大切な視点です。

こうした力は、短期間で身につくものではありません。日々の積み重ねのなかで、子どもたちのペースに合わせて育んでいくことが大切です。

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さつまいもを使った活動アイデア

さつまいもは、秋の食育で取り入れやすい代表的な食材です。見た目にも親しみやすく、さまざまな活動に展開しやすい特徴があります。

まず、さつまいもに触れる活動です。泥のついたままのさつまいもを手に取り、重さや形、土の感触を確かめるだけでも、子どもたちにとっては新鮮な体験になります。「大きいね」「でこぼこしているね」と、感じたことを言葉にしながら関わると、観察する力も育まれます。

次に、さつまいもを使ったスタンプ遊びです。輪切りにしたさつまいもに絵の具をつけてスタンプすると、独特の模様ができあがります。

食べ物で遊ぶことへの考え方は園によって異なりますが、素材の形や断面に触れる体験として、取り入れているところもあります。

園庭や近隣の畑でさつまいも掘りを体験する機会があれば、土のなかで育つ作物への驚きや、収穫の喜びを味わうことができます。掘ったさつまいもを給食やおやつで味わうことで、「自分たちで収穫したもの」という実感が、食べる意欲にもつながります。

柿を使った活動アイデア

柿は、見た目の鮮やかさと、独特の甘みが特徴の秋の味覚です。木になっている様子を観察できる環境であれば、柿の実が色づいていく過程を、散歩の途中で子どもたちと一緒に見守るのもよいでしょう。

実際に柿を手に取り、皮の色や手触り、ヘタの形を観察する活動もおすすめです。「オレンジ色のボールみたいだね」「ツルツルしているね」といった表現を引き出しながら、五感を使って食べ物と向き合う時間をつくります。

干し柿づくりのように、時間をかけて変化を観察できる活動もあります。つるした柿が少しずつ色や形を変えていく様子は、子どもたちにとって「食べ物が変わっていく」ことを実感できる貴重な体験です。ただし、衛生面や安全面に配慮が必要な活動のため、園の方針や環境に合わせて無理のない範囲で検討してください。

栗を使った活動アイデア

栗は、いがに包まれた独特の形が子どもたちの興味を引きやすい食材です。いがや殻つきの栗を観察する活動は、「食べ物がどのように育つのか」を知るきっかけになります。

ただし、いがは鋭いとげがあるため、子どもが直接触れる際には十分な注意が必要です。保育士が見せながら説明したり、すでに取り出した栗を触らせたりと、安全に配慮した関わり方を考えたいところです。

また、栗の殻や渋皮は硬く、扱いにも注意が必要です。調理の過程を子どもたちに見せる場合は、保育士が行う様子を見学する形にするなど、安全面を優先した進め方を心がけましょう。栗を使った絵本や製作活動と組み合わせることで、直接触れなくても栗への興味を深めることができます。

年齢別の関わり方

食育の活動は、子どもたちの発達段階に合わせて工夫することが大切です。

0〜2歳児クラスでは、食べ物の名前を覚えることよりも、色や形、香りに触れる体験が中心になります。保育士が食べ物を見せながら、「おいもだね」「甘い匂いがするね」と声をかけることで、言葉と体験が結びつきます。食べる場面でも、無理に食べさせるのではなく、興味を示した食材を一緒に楽しむ姿勢を大切にしたいところです。

3〜4歳児クラスでは、「どうやって育つのか」「どこから来たのか」といった疑問が芽生え始めます。絵本や紙芝居で旬の食材の育ち方を紹介したり、実物を見せたりしながら、食べ物のつながりを少しずつ伝えていきます。

5歳児クラスでは、より主体的な関わりが可能になります。栽培や収穫の体験を通じて、育てる大変さや、収穫の喜びを味わうことができます。友達と協力して準備をしたり、感じたことを言葉で伝え合ったりする経験は、食への関心を深める助けになります。

好き嫌いや食べ方の個人差への向き合い方

食育に取り組む際、保育士が悩みやすいのが、好き嫌いや食べ方の個人差への対応です。「全部食べてほしい」という思いが強くなると、子どもにとって食事の時間が負担になってしまうこともあります。

大切なのは、「食べられた」「食べられなかった」という結果だけにとらわれず、食べ物に関心を示した姿や、新しいものに挑戦しようとした気持ちを認める姿勢です。「ちょっと匂いをかいでみたね」「触ってみたんだね」と、小さな一歩を受け止めることで、子どもたちの意欲は少しずつ育っていきます。

また、食物アレルギーのある子どもがいる場合には、活動内容や食材の扱いについて、園内で丁寧に共有しておくことが欠かせません。食材に触れる活動や、調理体験を行う際は、すべての子どもが安心して参加できるかどうかを事前に確認し、必要に応じて代替の活動を検討することが大切です。

家庭との連携

食育は、園だけで完結するものではなく、家庭での食事体験と合わせて広がっていきます。園での活動の様子をお便りや連絡帳で紹介すると、保護者も「園でこんな体験をしているのだな」と、子どもの成長を知る機会になります。

例えば、「今日はさつまいもを触ってみました」「柿の色づきを観察しました」といった一言を添えるだけでも、家庭での会話のきっかけになります。家庭によって食事の状況や考え方はさまざまですので、「家でも取り組んでください」と求めるのではなく、「こんな様子でした」と共有する姿勢が大切です。

まとめ

秋の味覚を題材にした食育は、季節の移り変わりを五感で感じながら、食べ物への興味や食べる楽しさを育てるよい機会です。さつまいも、柿、栗など、身近な食材を通じて、触れる、観察する、味わうといった体験を重ねていくことで、子どもたちの食への関心は少しずつ深まっていきます。

好き嫌いや食べ方には個人差があり、アレルギーへの配慮も欠かせません。結果だけを求めず、一人ひとりの小さな挑戦を認める姿勢を大切にしながら、食べることが楽しいと感じられる時間を、子どもたちと一緒に味わってみてください。

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この記事の監修者

監修者の写真

森 大輔(Mori Daisuke)

保育のせかい 代表

《資格》

保育士、幼稚園教諭、訪問介護員

《経歴》

2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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