10月が近づくと、街中がオレンジや紫の装飾で彩られ、保育園でもハロウィンをテーマにした活動を取り入れるところが増えてきます。もともとは日本の伝統行事ではないハロウィンですが、近年はすっかり秋の行事として定着し、子どもたちにとっても馴染み深いイベントの一つになっています。
一方で、「由来をどう説明すればいいのか分からない」「年齢によってどう活動を変えればいいのか悩む」という声も聞かれます。今回は、ハロウィンを保育に取り入れる際のヒントとして、由来の伝え方や年齢別の楽しみ方について整理してみたいと思います。
ハロウィンが保育行事として広がった背景
ハロウィンは、もともと古代ヨーロッパの収穫祭や、秋の終わりに悪霊を追い払うための宗教的な行事がルーツとされています。時代とともに宗教色は薄れ、現在ではアメリカを中心に、仮装を楽しんだり、子どもたちがお菓子をもらったりする季節のイベントとして親しまれています。
日本においては、宗教的な意味合いよりも「仮装を楽しむ」「秋の製作活動のテーマにする」という文化的なイベントとして受け入れられている側面が強くあります。保育の現場でハロウィンを取り入れる際も、由来そのものを深く掘り下げるというよりは、秋を感じられる季節の行事の一つとして、子どもたちが楽しめる形で取り入れているケースが多く見られます。
ハロウィンの由来を子どもに伝えるヒント
ハロウィンの由来を子どもたちに伝える際は、難しい歴史的背景を詳しく説明する必要はありません。年齢に応じて、分かりやすく興味を引く伝え方を工夫することが大切です。
例えば、「昔の外国で、秋の終わりに、お化けやおばけかぼちゃに仮装して、みんなで楽しむお祭りがあったんだよ」といったように、シンプルなストーリーとして伝えると、子どもたちもイメージしやすくなります。かぼちゃのランタン(ジャック・オー・ランタン)についても、「おばけを驚かせるために、かぼちゃに顔を作って明かりを灯したんだよ」というように、由来をキャラクター性のある物語として伝えると、興味を持ってもらいやすくなります。
由来を伝える際は、絵本や紙芝居を活用するのも効果的です。ハロウィンをテーマにした絵本は数多く出版されており、視覚的な情報と合わせて伝えることで、子どもたちの理解や興味がぐっと深まります。
0〜2歳児クラスでの楽しみ方
低年齢児クラスでは、由来やストーリーを詳しく理解することよりも、季節の雰囲気を五感で楽しむことを大切にしたい時期です。オレンジや紫、黒といったハロウィンカラーの装飾を保育室に取り入れたり、かぼちゃやおばけをモチーフにした手形・足形アートを楽しんだりする活動が親しまれています。
また、簡単な製作物として、丸めた紙をかぼちゃに見立てて顔のパーツを貼るといった、指先を使う遊びを取り入れるのもおすすめです。この時期は、完成度の高さよりも、素材に触れる感触や、色を楽しむこと自体が発達にとって大切な経験になります。
音楽やリズム遊びにハロウィンの要素を取り入れるのも一つの方法です。おばけになりきって体を動かす遊びなど、言葉での理解が難しい年齢でも、体感を通じてハロウィンの雰囲気を楽しむことができます。
3〜5歳児クラスでの楽しみ方
年齢が上がると、由来について簡単な説明を理解できるようになり、製作活動やごっこ遊びの幅も広がっていきます。魔女やおばけ、コウモリなど、ハロウィンに登場するキャラクターをテーマにした製作は、子どもたちの発想力を引き出す活動として人気があります。
仮装遊びも、この年齢ならではの楽しみ方の一つです。手作りの衣装や小物を身につけて「なりきり遊び」を楽しむことで、想像力や表現力を育む機会にもなります。友達同士でお互いの仮装を見せ合ったり、簡単な「トリック・オア・トリート」ごっこを楽しんだりすることで、集団遊びのなかでのコミュニケーションも広がります。
また、由来について「なぜかぼちゃにお化けの顔を作るのか」「なぜ仮装をするのか」といった問いかけを通じて、子どもたち自身に考えてもらう時間を作るのも、この年齢ならではの関わり方です。正解を教え込むのではなく、想像を膨らませながら一緒に考える時間を大切にすることで、行事そのものへの興味がより深まります。
行事を通じて育まれる子どもの経験
ハロウィンのような季節行事は、単なる楽しいイベントというだけでなく、子どもたちにとってさまざまな経験の機会になります。製作活動を通じて指先の器用さや創造力を育んだり、仮装やごっこ遊びを通じて表現力やコミュニケーション力を養ったりと、遊びのなかに多くの学びの要素が含まれています。
また、季節の移り変わりを感じる機会としても、ハロウィンは有効なテーマです。かぼちゃや落ち葉など、秋ならではの自然物に触れる活動と組み合わせることで、季節感を五感で味わう経験にもつながります。
行事を「特別な一日」として捉えるだけでなく、日々の保育のなかに自然に取り入れていくことで、子どもたちの興味や学びがより豊かなものになっていきます。
準備の負担を減らす工夫
行事が増える秋の時期は、保育士にとって準備の負担が大きくなりがちなタイミングでもあります。ハロウィンの活動を取り入れる際も、凝った装飾や大掛かりな製作にこだわりすぎず、身近な素材を活用したシンプルな活動を選ぶことで、準備の負担を抑えることができます。
例えば、折り紙や画用紙といった普段から保育室にある素材でかぼちゃやおばけを作るだけでも、十分にハロウィンらしい雰囲気を演出できます。無理のない範囲で取り入れることを意識し、保育士自身が楽しみながら準備を進められる形を見つけることも大切なポイントです。
まとめ
ハロウィンは、由来を深く掘り下げなくても、季節を感じながら子どもたちが楽しめる行事の一つです。年齢に応じて活動の形を工夫することで、低年齢児には感触や色を楽しむ経験として、年齢の高いクラスには想像力や表現力を育む機会として、それぞれの発達段階に合った楽しみ方を提供することができます。
準備に負担をかけすぎず、身近な素材や工夫を取り入れながら、保育士自身も一緒に季節の行事を楽しむ気持ちを持つことが、子どもたちにとっても心に残るハロウィンの時間につながっていくのではないでしょうか。
この記事の監修者

森 大輔(Mori Daisuke)
保育のせかい 代表
《資格》
保育士、幼稚園教諭、訪問介護員
《経歴》
2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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2026.09.01
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