秋の製作が一段落し、季節が冬へと移り変わる11月。保育室の壁面や、子どもたちの製作活動も、冬の雰囲気を取り入れたものに少しずつ変わっていく時期です。
一方で、12月のクリスマスや年末年始が近づくと、行事に向けた準備も増えてきます。「何か新しい製作を考えなければ」と悩みながらも、日々の業務に追われて余裕がないという保育士も多いのではないでしょうか。今回は、行事色の強い題材ではなく、冬そのものをテーマにした、12月までの時期に取り入れやすい製作遊びのアイデアを整理してみたいと思います。
冬の製作で意識したいこと
製作遊びを計画する際、つい「完成度の高い作品」を目指してしまいがちです。しかし、子どもたちにとって製作は、素材に触れ、試し、表現を楽しむ時間であることが何より大切です。
冬の製作では、「あたたかさ」「やわらかさ」「冷たさ」「きらきら」といった感覚を、素材を通じて味わうことを大切にしてみましょう。毛糸や綿のやわらかさ、アルミホイルや透明な素材の冷たいきらめきなど、冬を感じさせる素材は、身の回りにたくさんあります。
また、活動のなかで子どもたちが何を感じ、どんな発見をしたのかを、保育士が言葉で受け止めることも大切です。完成した作品の出来栄えよりも、制作の過程を大切にする姿勢を持つことで、子どもたちの意欲も育まれます。
毛糸・綿・布を使った製作
冬ならではの素材として、毛糸や綿、布は取り入れやすく、温かみのある作品づくりに向いています。
毛糸を使った活動としては、毛糸を巻きつける遊びや、毛糸をちぎって貼る製作があります。画用紙に毛糸をのりで貼って、模様を描いたり、動物のもこもこの毛並みを表現したりと、発想が広がります。毛糸の色や太さを選ぶ楽しさも、子どもたちの感性を刺激します。
綿を使った製作では、雪だるまや雪のイメージを表現する活動が定番です。ちぎる、丸める、貼るといった動作を通じて、指先の発達も促されます。
布やフェルトを使った製作も、触り心地の違いを楽しめます。カラフルな布を貼り合わせて、手袋やマフラーをイメージした作品をつくるなど、冬支度を題材にした活動にも発展させられます。
雪や氷をイメージした製作
雪や氷、冷たい空気を連想させる製作も、冬らしい雰囲気を楽しめます。
雪の結晶の製作は、冬の定番です。折り紙を折ってはさみで切り、広げると模様ができあがる活動は、驚きと楽しさがあります。年齢の低い子どもには、ちぎった紙を貼る形にしたり、できあがった形に色を塗るだけにしたりと、難易度を調整できます。
透明素材を使った製作もおすすめです。透明のカップや、ビニール、セロファンなどを使い、光を通した見え方を楽しむ活動は、色の変化や光の美しさに気づくきっかけになります。窓辺に飾ると、日差しできらきらと光り、保育室の雰囲気も華やぎます。
また、絵の具やクレヨンで、白や水色、銀色を使った絵を描くのも、冬らしい表現です。「冷たい色ってどんな色かな」と、子どもたちと色の印象について話し合う時間も楽しめます。
ミトン・手袋・冬支度を題材にした製作
冬支度をテーマにした製作は、子どもたちの生活と結びつきやすい題材です。
手袋やミトンの形を画用紙に切り取り、模様をつけて飾る活動は、取り組みやすく、年齢を問わず楽しめます。左右の手袋の模様をそろえるなど、少しゲーム性のある要素を取り入れると、意欲的に取り組む姿も見られます。
マフラーや帽子をテーマにした製作もおすすめです。画用紙で作った人形に、好きな色や模様のマフラーを巻いてあげるなど、ごっこ遊びにつなげることもできます。
冬支度の製作をきっかけに、「手袋は自分でつけられるかな」と、日々の身支度への意欲にもつなげることができます。
年齢別の準備と進め方
製作活動は、年齢や発達に合わせて準備や進め方を工夫することが大切です。
0〜2歳児クラスでは、素材に触れる感触を楽しむ活動が中心です。毛糸や綿、布などを自由に触ったり、のりのついた画用紙に貼ったりするだけでも、十分な学びの時間になります。口に入れてしまう可能性にも配慮し、素材の大きさや安全性を確認しておきましょう。
3〜4歳児クラスでは、はさみやのりの使い方を覚えながら、自分で作る楽しさを味わえる時期です。形を切る、貼るといった動作を、少しずつ自分でできるように、援助の度合いを調整します。
5歳児クラスでは、自分のアイデアを活かした表現を楽しめます。素材を選ぶところから子どもたちに任せたり、テーマだけを決めて自由に表現したりと、主体的に取り組める余地を広げましょう。
準備の負担を減らす工夫
12月に向けて行事が増えていく時期は、保育士の準備の負担も大きくなります。製作活動を無理なく続けるための工夫もご紹介します。
まず、材料を身近なもので揃えることです。画用紙や折り紙、毛糸、カップなど、普段からある素材を活用すれば、準備の負担を抑えられます。
次に、事前の下準備を最小限にする工夫です。型をたくさん切っておくよりも、子どもたちが自分で切る・ちぎる活動にしたほうが、準備も楽で、子どもたちの学びも深まります。
また、同僚と素材やアイデアを共有することも有効です。他のクラスで使った素材の余りを活用したり、アイデアを教え合ったりすることで、負担を軽減できます。
「完成度の高い作品を並べなければ」と気負いすぎず、子どもたちの表現を大切にする姿勢で臨むと、保育士自身も楽しみながら進められます。
作品の飾り方・見せ方
完成した作品の飾り方にも、ちょっとした工夫で、冬の雰囲気を高められます。
保育室の壁や窓に、子どもたちの作品を並べて飾ると、冬らしい温かみのある空間になります。窓辺に透明素材の作品を飾ると、光を通して美しく見えます。
飾るときには、子どもたちの目線の高さに配慮し、友達の作品を見て楽しめるようにしておくのもおすすめです。「これ、すてきだね」と作品を見合う時間は、友達の表現を認め合う機会にもなります。
また、保護者にも、園での製作の様子や、作品を紹介すると、子どもの成長を実感してもらえます。ただし、家庭に負担を感じさせないよう、持ち帰りの時期や方法は、柔軟に考えるとよいでしょう。
まとめ
冬の製作遊びは、毛糸や綿、雪の結晶、ミトンなど、冬ならではの素材やテーマを通じて、季節を感じながら表現を楽しめる活動です。行事色の強いテーマにこだわらなくても、日常の延長で、子どもたちの感性を豊かにする時間をつくることができます。
完成度よりも、制作の過程や子どもたちの発見を大切にしながら、年齢に応じた準備や進め方を工夫してみてください。身近な素材を活かして、保育士自身も無理なく楽しめる形で、12月までの時間を過ごしていきましょう。
この記事の監修者

森 大輔(Mori Daisuke)
保育のせかい 代表
《資格》
保育士、幼稚園教諭、訪問介護員
《経歴》
2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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2026.11.05
2026.11.06





















