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2026.08.03

2026.08.14

【保育士必見】こども誰でも通園制度とは?2026年度から全国実施|保育士の働き方への影響を解説

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「こども誰でも通園制度って、保育士の仕事にどう関係するの?」。ニュースや職場でこの制度の名前を耳にしながら、詳しい内容まではつかめていないという保育士さんも多いのではないでしょうか。

こども誰でも通園制度は、2026年4月から全国の自治体で本格実施された新しい子育て支援制度です。この制度は保護者側の利便性を高めるものですが、実際に子どもを受け入れる保育現場にも大きな変化をもたらします。「自分の園は参加するの?」「仕事はどのくらい増えるの?」など、保育士自身にとっても気になることが多い制度です。この記事では、制度の概要から保育士の業務への影響、先行実施した現場の声まで、保育士の視点から整理していきます。

こども誰でも通園制度とは

こども誰でも通園制度(正式名称:乳児等通園支援事業)は、保護者の就労の有無に関わらず、0歳6か月から満3歳未満のすべての未就園児が保育施設を利用できる制度です。

従来の保育所は、保護者が働いていたり、疾病や介護といった「保育の必要性」がある家庭でなければ利用できませんでした。この制度はその要件を取り払い、専業主婦・専業主夫の家庭も含め、すべての家庭の子どもが保育施設を利用できるようにした点が大きな特徴です。

利用は時間単位で、月10時間を上限として利用できます。料金は1時間300円程度が標準とされていますが、自治体・施設により差があります。生活保護・住民税非課税世帯は大幅な減免措置があります。

制度は2023年から一部の自治体で試行実施が始まり、2025年度には全国約150自治体で試行が行われてきました。そして2026年4月から、子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国の自治体で本格実施されました。

制度の実施形態:一般型と余裕活用型

実際の受け入れ方法として、制度には大きく「一般型」と「余裕活用型」の2種類があります。

一般型は、通常の在園児とは別に定員枠を設けて受け入れる方法です。専用の保育室を用意する場合と、在園児と合同で保育する場合があります。余裕活用型は、既存の定員に空きがある場合にその枠を活用して受け入れる方法で、新たな定員設定を必要としない分、比較的参入しやすいとされています。

どちらの形態を選ぶかは園の規模や職員体制によって異なります。一般型と余裕活用型のいずれの場合も、通常保育と誰でも通園の両方を兼任するには、それぞれの職員配置基準を満たしたうえで実施時間帯が重ならないことが条件となるため、シフト設計の段階でこの点を考慮しておくことが重要です。

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なぜこの制度が生まれたのか

この制度が生まれた背景には、乳幼児期の「孤立した育児」への問題意識があります。日本では、専業主婦・専業主夫の家庭の子どもは保育園を利用できないため、家庭の中だけで育てられるケースが多くありました。特に0〜2歳の時期は、子どもが同年代の子と触れ合う機会が極めて限られることになります。

親にとっても、育児疲れやストレスを抱えながら誰にも頼れない状況が、孤独な育児・育児不安につながることが社会問題として指摘されてきました。こども誰でも通園制度は、就労要件を撤廃することで、すべての家庭の子どもに集団生活の経験を提供し、同時に保護者の育児負担を軽減することを目的としています。

保育士にとってこの背景を知ることは重要です。「どんな家庭のどんな思いを持つ保護者が来るのか」を理解することで、初めて来園する子どもや保護者への関わり方も変わってきます。育児に孤独を感じていた保護者が初めて保育施設を訪れる場面は、その保護者と子どもにとって大きな一歩であることを意識しておくことが、この制度に向き合ううえで大切な視点になります。

保育士の業務にどんな変化がある?

では、保育士の現場に具体的にどんな影響があるのでしょうか。主なポイントを整理します。

見知らぬ子どもへの対応が必要になる 通常の保育では、担任として特定のクラスの子どもたちと継続的に関わります。しかし誰でも通園制度では、初めて会う子どもを短時間預かる形になります。子どもの性格・アレルギー・体調の傾向などをゼロから把握しながら安全に保育する必要があり、従来とは異なる緊張感があります。特に、<cite index=”21-1″>慣れない環境に不安を感じる子どもや保護者への丁寧な関わりが求められる初回は、通常保育よりも神経を使う場面が多くなります。</cite>

事務・記録業務が増える 利用のたびに受け入れ記録や保育日誌の作成、子どもの状態確認などが発生します。<cite index=”23-1″>通常保育に加えてこども誰でも通園制度特有の業務も発生するため、記録・事務の仕組みをいかに整えるかが現場の負担を左右します。</cite>ICTシステムを活用して事務を効率化している園では、この負担を抑えやすくなります。

慣らし期間への対応 <cite index=”15-1″>通園に慣れるまでは、親子での利用も可能です。</cite>初回は保護者と一緒に施設に来て、子どもが慣れてから短時間の預かりに移行するという流れが一般的で、この「慣らし」の段階では保護者とのコミュニケーションも密になります。

先行実施した園の声

2024〜2025年度にかけて先行実施を行った園からは、どのような声が上がっているのでしょうか。

「想像していたより大変ではなかった」「預かり回数を重ねると、自然と落ち着いてきた」という声が保育士から上がっています。最初は慣れない対応に緊張感があっても、経験を積む中で対応力が育っていくことが分かります。

一方で課題として挙がっているのは、人手不足の中での受け入れ体制の整備と、通常保育との両立です。特に少人数の園や、常に定員いっぱいで運営している園では、追加の受け入れが職員の負担につながりやすいことが報告されています。

「不安」より「理解」が現場を変える

先行実施の現場から見えてきた重要なことは、「何のためにこの子どもを預かっているのか」という制度の意義と目的を理解しているかどうかで、取り組む姿勢が大きく変わるという点です。

こども誰でも通園制度を「増える仕事」として受け止めるか、「孤立しがちな乳幼児期の子どもと家族を支える機会」として受け止めるかで、保育士自身の気持ちも変わってきます。制度の趣旨を理解したうえで関わることが、保育士が主体的に取り組むうえで大切な第一歩になります。

保育士としての新たな成長機会にもなる

誰でも通園制度への対応が、保育士にとってスキルアップの機会になるという見方もあります。

初めて会う子どもの様子を短時間で観察し、安全・安心な環境を素早く整える力は、保育士として高度なスキルのひとつです。「担任のクラスの子どもだから分かる」という前提がない中で保育することで、子どもを観察する目が鍛えられ、保護者とのコミュニケーションを一から丁寧に構築する経験を積めます。

また、孤立した育児をしてきた保護者と関わる機会が増えることで、子育て支援の視点もより広がります。「保育」は子どもだけでなく家族全体を支えることでもある、という認識を持ちやすくなるのが、この制度ならではの特徴です。制度への参加が「仕事の増加」にとどまらず、自分の保育観や子育て支援の幅を広げるきっかけになるという視点を持てると、取り組み方が変わってくるでしょう。

転職先を選ぶ際の新たな視点に

この制度は、転職先を選ぶ際の新たな判断材料にもなりえます。制度への参加は各施設の任意とされていますが、参加・非参加の判断は園の経営方針や子育て支援への姿勢を映しているとも言えます。

見学や面接の場で「こども誰でも通園制度への参加はありますか」「参加している場合、現場ではどう対応していますか」と聞いてみることで、その園の地域支援への関わり方や、新しい制度への柔軟な対応力を測る材料にもなるでしょう。

まとめ

こども誰でも通園制度は、2026年4月から全国の自治体で本格実施された、就労要件を問わない乳幼児向けの新しい通園制度です。保育士の現場には、見知らぬ子どもへの対応・事務量の増加・慣らし期間の関わりなど、従来とは異なる業務が生まれます。一方で先行実施した園からは「想定より大変ではなかった」「経験を積むことで対応力が育った」という声もあがっています。

制度の意義を理解したうえで関わることが、保育士として前向きに取り組むうえで大切になってきます。「仕事が増える」という側面だけでなく、子育て支援の幅を広げ、保育士としての観察力・対応力を育てる機会としてとらえることで、この制度への関わり方が変わってくるはずです。今後も保育を取り巻く制度は変化し続けますが、その変化を理解したうえで対応する姿勢が、長く保育士として働き続けるためにも大切な力になっていきます。

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この記事の監修者

監修者の写真

森 大輔(Mori Daisuke)

保育のせかい 代表

《資格》

保育士、幼稚園教諭、訪問介護員

《経歴》

2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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