11月に入ると、朝晩の冷え込みが強まり、強い風が吹く日も増えてきます。木枯らしが吹き始めるこの季節は、寒さが苦手で外に出るのをためらう子どもがいたり、保育士も「今日は外に出るかどうか」を迷ったりする時期でもあります。
しかし、この季節ならではの発見や楽しさも、たくさんあります。風に舞う落ち葉、息が白くなる朝、手袋やマフラーなどの冬支度。寒さのなかにも、子どもたちが季節の変化を感じられる場面は多くあります。今回は、木枯らしの季節を楽しむための戸外遊びと室内遊びのヒントを整理してみたいと思います。
寒くなり始める11月ならではの魅力
11月は、秋から冬へと移り変わる季節です。木々の葉が色づき、やがて散っていく様子や、空気が澄んで空が高く見えること、朝の冷たい空気など、五感で季節の移り変わりを感じられます。
子どもたちにとっては、「息が白い」「手がつめたい」「風がびゅーっと吹いている」といった体験の一つひとつが、新鮮な発見です。大人にとっては、ただの寒さであっても、子どもたちにとっては楽しい驚きになることがあります。
この季節ならではの体験を、保育のなかで大切にしたいところです。「寒いから外に出ない」と決めてしまうのではなく、寒さのなかでの楽しみ方を工夫することで、季節を味わう時間が生まれます。
戸外で体を動かす遊び
寒い季節は、体を動かすことで、自然と体が温まります。戸外では、全身を使って遊べる活動を取り入れるのがおすすめです。
鬼ごっこやかけっこ、しっぽ取りなど、走り回る遊びは、体が温まりやすく、子どもたちも夢中になって楽しめます。ルールが簡単な遊びから始めて、年齢に応じて少しずつ複雑にしていくと、長く楽しめます。
縄遊びや、ボール遊び、フープを使った遊びなども、体を動かす楽しさを味わえる活動です。体の使い方を工夫したり、友達と一緒に挑戦したりするなかで、運動の力も育まれます。
落ち葉を使った遊びも、この時期ならではです。落ち葉をかき集めて山をつくったり、踏んだときの音を楽しんだり、風に飛ばして遊んだりと、自然の素材を活かした遊びが広がります。ただし、落ち葉の下に危ないものが隠れていないか、事前に確認しておくなど、安全面への配慮も大切です。
風や寒さを感じる遊び
寒さや風そのものを、遊びの題材にしてみるのもおもしろい取り組みです。
息が白くなる朝は、「みんなの息が白くなっているよ」「ふーって吹いてみよう」と、子どもたちと一緒に楽しめます。吐く息が見えること自体が、子どもたちにとって不思議で楽しい体験です。
風の強い日には、ビニール袋やスカーフ、リボンなどを使って、風を感じる遊びもできます。風で揺れる様子を見ながら、「風が吹いているね」と言葉にすることで、自然現象への関心も深まります。
また、霜柱や氷など、寒さによって生まれる自然の変化に目を向けるのもよいでしょう。ただし、地域や気温によって出会える自然は異なりますので、身近な環境で見つけられるものを大切にしてください。
寒い日の室内遊びのアイデア
寒さが厳しい日や、風が強い日には、室内での遊びを充実させることも大切です。
体を動かしたい気持ちを満たせる遊びとして、室内でできるリズム遊びや、体操、サーキット遊びなどがあります。マットや平均台などを使って、体を動かす経験ができるコースをつくると、子どもたちは楽しみながら体力を使えます。
静かな遊びとしては、製作やごっこ遊び、パズル、絵本などがあります。冬支度をテーマにしたごっこ遊びや、「あたたかいものをつくろう」と、毛糸や綿を使った製作を楽しむのもよいでしょう。
また、室内でも、窓から外の様子を観察する時間を持つと、天気の変化や風の動きに気づく機会になります。「木が揺れているね」「葉っぱが飛んでいくね」と、子どもたちと一緒に外の世界を眺めてみてください。
年齢別の工夫
年齢によって、寒さへの感じ方や遊び方も異なります。
0〜2歳児クラスでは、寒さに対して敏感な時期でもあります。外に出る時間は短くても、外の空気に触れる経験を大切にしたいところです。落ち葉の感触や、風の音、息が白くなる様子など、感じることを中心に楽しみます。室内に戻った後は、体が温まるようゆったり過ごす時間を意識します。
3〜4歳児クラスでは、友達との遊びが広がる時期です。鬼ごっこなど、簡単なルールのある遊びを楽しめるようになります。冬支度の様子に気づき、「手袋をしてきたよ」と話してくれる姿も見られます。
5歳児クラスでは、主体的に遊びを展開できるようになります。自分たちでルールを考えたり、寒さのなかでも工夫して遊びを楽しんだりする姿が見られます。体を動かす遊びを通して、粘り強く挑戦する力も育ちます。
外遊びと休息のバランス
寒い季節の外遊びでは、体を動かして温める時間と、休息して体を休める時間のバランスが大切です。
子どもたちの様子をよく観察し、顔色や手足の冷たさ、疲れの様子に気を配ります。「寒い」「もう入りたい」といった子どもたちの声にも耳を傾け、無理をさせない姿勢が大切です。
外遊びから戻ったら、手洗いや衣服の調整を行い、体を温める時間を設けると、安心して過ごせます。汗をかいた場合には、着替えの対応など、体調管理にも気を配りたいところです。
また、外に出る時間や遊びの内容は、その日の天候や子どもたちの様子に合わせて、柔軟に判断することが大切です。決まった基準にとらわれすぎず、目の前の子どもたちの様子を一番に考えましょう。
冬支度を感じる活動
冬支度というテーマも、子どもたちが季節を感じる機会になります。
子どもたち自身が、手袋や帽子、上着を身につける経験は、自分でできることを増やす機会にもなります。「自分でできたね」と声をかけながら、身支度の力を育てていきます。
また、動物たちの冬支度を描いた絵本を読んだり、木々が葉を落とす様子を観察したりすると、自然界の冬への備えにも気づきます。冬支度という視点で、季節の移り変わりを感じる活動を取り入れてみましょう。
家庭への声かけ
寒い季節は、家庭での体調管理や服装の準備も大切になります。お便りや連絡帳で、園での過ごし方や、子どもたちの様子を共有しながら、必要に応じて服装の工夫などを伝えます。
ただし、家庭の状況はさまざまですので、一方的にお願いする形ではなく、「園ではこのように過ごしています」という共有の姿勢を大切にしましょう。
まとめ
木枯らしの季節は、寒さのなかにも、季節の変化を感じられる発見や楽しさがたくさんあります。戸外では体を動かす遊びや自然を活かした遊びを、寒い日には室内でも体を動かせる遊びや静かな遊びをバランスよく取り入れることで、子どもたちは季節を味わうことができます。
子どもたちの様子に気を配り、無理のない範囲で、外遊びと休息のバランスを考えることが大切です。寒さを「避けるもの」ではなく「楽しめるもの」と捉えながら、この季節ならではの時間を、子どもたちと一緒に楽しんでください。
この記事の監修者

森 大輔(Mori Daisuke)
保育のせかい 代表
《資格》
保育士、幼稚園教諭、訪問介護員
《経歴》
2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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2026.10.27





















