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2026.08.06

2026.08.14

【保育士の転職】保育士が「認可保育園」「認定こども園」「企業主導型」を選ぶとき|施設形態を働く視点で比較する

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「転職を考えているけど、認可保育園と企業主導型保育園、どちらがいいのか分からない」「認定こども園って、保育園と何が違うの?」。求人情報を調べていると、さまざまな施設形態の保育園が出てきて、どこを選べばよいか迷ってしまう保育士さんは多いのではないでしょうか。

保育士の転職先を選ぶ際、施設形態によって給与水準・業務内容・働く環境・安定性がかなり異なります。「とりあえず条件の良さそうなところに応募する」という選び方では、入職後に思わぬギャップを感じる可能性もあります。たとえば「企業主導型保育園を選んだら、数年後に閉園になってしまった」「認可保育園に入ったが書類業務の多さが想像以上だった」というような声は、保育士の転職相談でもよく耳にします。

この記事では、認可保育園・認定こども園・企業主導型保育園の3つの施設形態について、保育士として「働く視点」で比較・整理していきます。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った職場を選ぶための参考にしてください。

まず知っておきたい、施設形態の基本的な違い

保育施設は大きく「認可」と「認可外(無認可)」に分かれます。

認可保育園は、国が定めた基準(施設の広さ・保育士の配置数・給食設備・防災管理など)をすべて満たし、都道府県知事から認可を受けた施設です。認可を受けることで国や自治体からの運営費補助が受けられるため、経営が安定しやすいのが特徴です。公立(自治体運営)と私立(社会福祉法人・株式会社など)があります。

認定こども園は、幼稚園と保育園の両方の機能を持つ施設で、2006年の制度施行後、全国的に増加しています。保護者の就労にかかわらずすべての子育て家庭が利用できる点が保育園と異なります。幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の4種類があり、最も多いのが幼保連携型です。管轄は内閣府で、保育所保育指針と幼稚園教育要領の両方に基づいた運営が求められます。

企業主導型保育園は、2016年に内閣府が始めた「企業主導型保育事業」により設置された保育施設です。企業が従業員の子どもを預かるために設置するもので、認可外保育園に分類されます。国から運営費・整備費の補助金を受けられる点が通常の認可外と異なりますが、国の認可基準は満たしていません。

認可保育園で働くメリットとデメリット

メリット 認可保育園は、施設形態の中で最も求人数が多く、転職の選択肢が広い点が特徴です。国の補助金を受けて運営されているため、経営が比較的安定しており、雇用の安定性という点では最も信頼度が高いとされています。

処遇改善加算など、国の制度に基づいた給与改善の対象になりやすく、キャリアアップ研修による職位手当なども受けやすい環境です。保育士としてのキャリアを着実に積みたい、ステップアップを目指したいという方に向いています。また、保育所保育指針に基づいた系統的な保育ができるため、専門職としての知識・スキルを深めやすい環境でもあります。

デメリット 書類業務が多く、保育計画・月案・週案・個別指導計画など、作成しなければならない書類の種類が多いことが知られています。開所時間は7〜18時(延長含め19〜20時)と幅広く、早番・遅番のシフト対応が必要です。定員が大きな園では職員数も多くなるため、人間関係の複雑さが生じやすい側面もあります。

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認定こども園で働くメリットとデメリット

認定こども園は、保育園と幼稚園の両方の機能を持つ施設で、全国的に数が増え続けています。関西をはじめ地方都市でも求人が増えており、保育士にとって転職先の選択肢として身近になってきた施設形態です。

認定こども園で働く職員は「保育教諭」と呼ばれ、原則として保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持つことが求められます。ただし、どちらか一方の資格・免許を持っていれば働ける経過措置が設けられており、保育士資格のみで入職しながら幼稚園教諭免許を取得する道もあります。

メリット 認定こども園最大の特徴は、保育と教育の両方に関わることができる点です。0〜2歳の保育中心のクラスから、3〜5歳の教育的なクラス活動まで幅広く経験できるため、保育士としてのスキルの幅が広がります。また、保護者の就労の有無にかかわらず子どもを受け入れるため、多様な家庭背景を持つ子どもたちと関わる経験が積めます。

幼稚園教諭免許を持っていない保育士にとっては、働きながら資格取得を目指せる環境であることも魅力のひとつです。将来的にキャリアの選択肢を広げたい方にとって、認定こども園での経験は大きな資産になります。

デメリット 保育と教育の両方に対応しなければならないため、業務の幅と量が多くなりがちです。1号認定(教育標準時間)の子どもは14時ごろに降園し、その後2・3号認定の子どもへの保育が続くため、クラスの構成が変わる時間帯の対応が複雑になります。行事の準備も、保育園的な行事と幼稚園的な行事が重なることが多く、繁忙期の負担が大きくなりやすい面があります。

保育士資格のみで入職した場合、幼稚園教諭免許を取得するための学習と仕事の両立が必要になるため、一定期間は負担がかかります。

企業主導型保育園で働くメリットとデメリット

企業主導型保育園は「認可外」と聞いて敬遠する保育士もいますが、特有のメリットがある施設形態でもあります。

メリット 企業が設置・運営するため、一般の認可外保育園と比べて福利厚生が充実している傾向があります。親会社の福利厚生が適用されるケースもあり、産休・育休・有給取得のしやすさという点で優れている園もあります。給与についても、企業の給与体系が適用される場合は、認可保育園の相場より高くなることがあります。

子どもの人数が少ない小規模運営であることが多く、大規模な認可保育園と比べて落ち着いた環境で一人ひとりの子どもにじっくり関わりやすい点も魅力です。

デメリット 経営主体が企業であるため、業績悪化や事業縮小によって保育園が閉園するリスクがゼロではありません。実際に開設から数年で閉園した企業主導型保育園の事例も出ており、長期的な雇用の安定性という点では認可保育園より不確実性が高い面があります。

対象となる子どもが企業の従業員の子どもに限定されているため、利用者が減少すると定員割れが起きやすく、保育士の採用・定着に影響することもあります。また、0〜2歳の乳幼児対応が中心のため、幼児保育のスキルを深めたい場合には物足りなさを感じることがあるかもしれません。

自分に合う施設形態の選び方

3つの施設形態を比較したうえで、どのように選べばよいのかを整理します。

雇用の安定性・キャリアアップを重視するなら認可保育園 長期的に安定して働きたい、処遇改善加算や職位手当など制度の恩恵を受けながらキャリアを積みたいという方には、認可保育園が最も適しています。書類業務の多さや大規模園特有の人間関係の複雑さを許容できるかどうかを事前に確認しておきましょう。

保育と教育の両方を経験したい・スキルの幅を広げたいなら認定こども園 保育士資格を持ちながら、幼稚園教諭免許の取得も視野に入れている方や、子どもへの教育的な関わりにも興味がある方には認定こども園がおすすめです。業務の幅が広くなる分、やりがいも大きい施設形態です。働きながら幼稚園教諭免許を取得できる経過措置の活用についても、求人先に確認してみましょう。

福利厚生・少人数保育を重視するなら企業主導型 大手企業が運営する施設であれば、福利厚生や安定性が高い場合があります。ただし、閉園リスクと乳幼児中心の保育環境という特性は理解しておく必要があります。応募前に「運営企業の規模と安定性」「設立からの年数」「定員充足率」などを可能な範囲で確認すると、リスクを判断しやすくなります。

施設形態と給与の関係

施設形態によって給与水準はどのくらい違うのか、転職を考える保育士にとって気になるポイントです。

認可保育園(公立)は、地方公務員の給与体系に基づくため、勤続年数に応じた昇給が保証されており、退職金制度も整っています。安定した給与を長期的に受け取りたい方には有利な選択肢です。一方で、初任給は私立と比較して低めなケースが多く、採用試験の倍率が高い自治体もあります。

認可保育園(私立)は、処遇改善等加算により国からの補助が上乗せされる仕組みがあります。ただし、この加算が実際に職員の給与に適切に反映されているかどうかは園によって異なります。求人票だけでなく、給与明細の内訳(基本給と手当の比率)まで確認することをおすすめします。

認定こども園は、認可保育園と同様に国の処遇改善加算の対象となります。幼保連携型認定こども園は内閣府の管轄であり、保育所保育指針と幼稚園教育要領の両方に準拠した運営が求められます。給与水準は認可保育園の私立と同程度の園が多い傾向ですが、幼稚園教諭免許も持っている場合は評価されるケースがあり、待遇面でも有利になることがあります。

企業主導型保育園は、親企業の給与体系や福利厚生が適用される場合は認可保育園を上回る待遇のケースもあります。大手企業が運営する施設であれば、福利厚生の充実度という点でも期待できます。ただし、小規模な企業が運営する施設では、給与水準が必ずしも高くない場合もあるため、企業の規模や財務状況も含めて確認することが大切です。

知っておきたい関連施設:小規模保育事業とは

認可・認証・企業主導型に加えて、転職先の候補として出てくることの多い「小規模保育事業」についても触れておきます。

小規模保育事業は、定員6〜19人の小さな保育施設で、国の認可を受けた施設です。0〜2歳の乳幼児を対象としており、地域型保育給付の対象となっています。少人数ゆえのアットホームな環境が特徴で、子ども一人ひとりと深く関わりたいという保育士に人気があります。

ただし、3歳以上の子どもを保育する機会がないため、幼児保育のスキルを磨きたい方には向かない面もあります。また、小規模なだけに一人の保育士の役割が大きく、欠員が出た際の負担が大きくなりやすい点も把握しておきましょう。

まとめ

認可保育園・認定こども園・企業主導型保育園は、法的な位置づけ・給与水準・業務内容・安定性がそれぞれ異なります。「認可だから安心」「企業主導型だから不安」という思い込みだけで選ぶのではなく、それぞれの特徴を理解したうえで「自分が何を大切にして働きたいか」という軸で選ぶことが大切です。

施設形態はあくまで外枠であり、実際の働きやすさは園の運営方針・職員の雰囲気・ICT化の状況・有給の取りやすさなど、施設形態では分からない部分によっても大きく左右されます。求人票の情報だけで判断せず、見学・面接を通じて実際の職場の雰囲気や運営状況をしっかり確認しながら、後悔のない転職先を選んでいきましょう。自分に合った施設形態を知ることが、長く働き続けられる職場を見つけるための大切な第一歩になります。

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この記事の監修者

監修者の写真

森 大輔(Mori Daisuke)

保育のせかい 代表

《資格》

保育士、幼稚園教諭、訪問介護員

《経歴》

2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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