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2026.08.13

2026.08.20

【保育士の実践】保育士が「絵本の読み聞かせ」をもっと上手くするためのコツ

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「読み聞かせが苦手で、子どもたちがすぐにざわついてしまう」「どんな絵本を選べばいいか毎回悩む」「上手な先輩の読み聞かせと何が違うんだろう」。保育の現場で絵本の読み聞かせに悩みを持つ保育士さんは、意外と多いのではないでしょうか。

読み聞かせは、子どもたちの言葉の発達・想像力・感情の育ちに深く関わる大切な保育活動のひとつです。しかし、「ただ読む」と「子どもに届く読み方」の間には、確かな差があります。その差は、センスや才能ではなく、いくつかのポイントを意識しているかどうかで生まれます。

この記事では、保育士として読み聞かせをより豊かにするための具体的なコツを、絵本の選び方から読む前・読んでいる最中・読んだあとの工夫まで、段階ごとに整理してお伝えします。

読み聞かせ上手な保育士が意識していること

まず、読み聞かせが上手な保育士に共通するのは、「子どもに絵本を届けようとしている」という意識です。読み聞かせは「文字を音読する行為」ではなく、「絵本の世界を子どもと一緒に楽しむ体験」です。この認識の違いが、子どもの集中の仕方に大きく影響します。

読み聞かせに苦手意識を持っている保育士に多いのは、「うまく読まなければ」「声に抑揚をつけなければ」という自分への意識が強くなりすぎているパターンです。しかし実は、保育士が絵本の世界を本心から楽しんでいる様子が伝わるだけで、子どもは自然と引き込まれていきます。技術より先に、「この絵本が好き」「この場面が楽しい」という気持ちを持つことが、読み聞かせの質を上げる一番の土台になります。

絵本の選び方:年齢と場面に合わせて選ぶ

読み聞かせの成否は、絵本選びから始まっています。どんなに上手に読んでも、子どもの発達段階に合っていない絵本では集中が続きません。

0〜1歳の乳児クラスでは、シンプルな言葉の繰り返しと大きくはっきりした絵が特徴の絵本が向いています。ページが厚く、少ない言葉で構成されたものを選ぶと、子どもが絵に集中しやすくなります。

2〜3歳クラスは、日常の場面を描いた絵本や、簡単なストーリーのある絵本が合います。「いないいないばあ」のように、繰り返しや予測できる展開を楽しめる年齢です。

4〜5歳になると、ストーリーの起承転結を理解できるようになり、少し長めの物語絵本も楽しめます。友だちとの関係、感情の変化、ファンタジーの世界など、テーマの幅も広がります。

また、読む場面も重要な選択の基準です。朝のサークルタイムには明るく元気の出る絵本、お昼寝前には落ち着いた優しい絵本、行事の前には季節感のある絵本と、その場面の流れに合った選び方をすることで、読み聞かせが保育の一部として自然に機能します。

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読む前の準備:「予習」が読み聞かせの質を変える

読み聞かせの前に、必ず一度自分で読んでおくことをおすすめします。初めて読む絵本を子どもの前で開くのと、内容を把握したうえで読むのとでは、読み手の余裕と表現の豊かさが全く異なります。

予習の際に確認しておきたいのは、ページをめくるタイミングと、特に印象的な場面です。「ここで一度間をおくと、子どもが次の展開を想像しそう」「このページは絵をじっくり見せたい」という場面を事前にイメージしておくことで、読み聞かせ中に余裕を持って対応できます。

また、絵本の読み方を確認するうえで、「どこを見て読むか」も意識しておきましょう。プロの読み聞かせでは、絵本を子どもに向けてやや斜めに持ち、保育士は絵本の横か後方から子どもの表情を確認しながら読みます。テキストはほぼ暗記に近い状態で読めると、子どもとのアイコンタクトが増えてより伝わりやすくなります。

読んでいる最中のポイント

絵本を読み始めたら、意識したいことがいくつかあります。

ゆっくりめのペースで読む 緊張していたり、早く読み終えようとしていると、自然とペースが速くなります。子どもが言葉と絵を楽しむためには、ゆっくり読むことが基本です。特に絵がいっぱいに広がるページでは、読み終えた後に少し間をおいて絵を見せる時間を作りましょう。

「間」を大切にする 読み聞かせの名人と呼ばれる保育士に共通するのが、「間」の使い方の上手さです。次のページをめくる直前、面白い展開の前、感動的な場面の後に、あえて少し間をおくことで、子どもの期待感や共感が深まります。無音の数秒が、絵本の世界への没入感を高めます。

声色や速さで感情を表現する 登場人物に合わせて声を変えすぎる必要はありませんが、場面の雰囲気に合わせて声のトーンやスピードを変えると、表現が豊かになります。急いでいる場面は少し速く、怖い場面は少し低く静かに、楽しい場面は明るく弾むように。大げさにする必要はなく、「少し変える」だけで十分伝わります。

子どもの反応を見ながら読む 読んでいる最中も、子どもたちの様子をちらりと確認することが大切です。集中が途切れてきたら少しテンポを上げたり、驚いた顔をしている子がいたらそのページを少し長めに見せるなど、子どもの反応に合わせて柔軟に読み方を調整できると、より一体感のある読み聞かせになります。

読んだあとの工夫

読み聞かせは、絵本を閉じた後にも続きます。読み終えた直後の「余韻」を大切にしましょう。すぐに「次は〜しましょう」と切り替えるのではなく、「どんな気持ちだったかな」「どの場面が好きだった?」と子どもたちに問いかける時間を少し持つことで、絵本の体験が言葉や感情の広がりにつながります。

ただし、問いかけは「正解を求めるもの」ではなく、「子どもが自分なりに感じたことを言葉にする機会」として提供することが大切です。「どうして〇〇は悲しかったのかな?」という問いかけに、「分からない」という答えがあってもそれで構いません。考えてみようとすること自体が、絵本の余韻を深めます。

読み聞かせでよくある悩みとその対処法

「子どもがすぐにざわついてしまう」 集中が続かない場合、まず絵本の難易度と子どもの年齢が合っているかを確認しましょう。言葉が多すぎる・ストーリーが複雑すぎると、幼い子どもはすぐに興味を失います。また、読み始める前に「今日は〇〇の絵本だよ」「どんなお話かな?」と一言添えると、子どもの気持ちが絵本に向きやすくなります。読む場所や子どもの座り方を工夫して、保育士と子どもの距離が近くなるよう座席配置を調整することも効果的です。

「声に自信がなくて、読み聞かせが怖い」 声の大きさやきれいさは、読み聞かせには必須ではありません。むしろ、落ち着いた自然な声で、ゆっくり丁寧に読む保育士のほうが、子どもは安心して聞けることが多いです。まずは少人数のグループでの読み聞かせから練習を始めると、場数を踏むにつれて自信がついてきます。

「毎回同じ絵本をせがまれる」 同じ絵本を何度も読んでほしがるのは、その絵本がその子にとって大切な体験になっている証です。繰り返し読むことで、子どもは言葉やストーリーをより深く理解し、次の展開を予測して楽しむようになります。「またこれ?」と感じても、子どもにとっては毎回新しい発見があることを覚えておきましょう。

「絵本の種類が多すぎて何を選べばいいか分からない」 まず、自分が「これは面白い」と思った絵本を選ぶことが一番の近道です。保育士自身が楽しめていない絵本は、子どもにも伝わります。保育雑誌やベテランの保育士に聞いてみたり、図書館でいくつか借りて読んでみたりしながら、自分の「推し絵本」を少しずつ増やしていくとよいでしょう。

読み聞かせが保育に果たす役割

最後に、読み聞かせが子どもの発達にどのような影響を持つかをあらためて確認しておきましょう。

読み聞かせは、言葉の発達を促すうえで非常に有効です。日常会話では出てこない豊かな表現や語彙に触れる機会として、絵本の言葉は特別な役割を持っています。また、登場人物の喜び・悲しみ・怒りなどの感情に触れることで、子どもが自分の気持ちを言葉にする力も育ちます。

さらに、保育士と子どもが同じ本の世界を共有するという体験そのものが、信頼関係を深めます。「この先生が読んでくれた絵本」という記憶は、大人になってからも残り続けることがあります。読み聞かせは、子どもの今の発達を支えるだけでなく、長く記憶に残る体験をつくる営みでもあります。

まとめ

読み聞かせの上手さは、技術より「絵本を楽しもうとする姿勢」から生まれます。年齢と場面に合った絵本を選び、事前に一度読んで準備しておき、ゆっくりと間を大切にしながら読む。子どもの反応を見ながら柔軟に対応し、読み終えた後も余韻を大切にする。この積み重ねが、子どもにとって「また聞きたい」と思える読み聞かせをつくっていきます。

読み聞かせは、毎日の保育の中に自然に存在する、子どもとの大切な時間です。苦手意識がある方も、「うまく読まなければ」という緊張を手放し、絵本の世界を子どもと一緒に楽しむ気持ちで向き合ってみてください。一つずつ試しながら自分なりの読み聞かせのスタイルを育てていくことが、子どもにとっても保育士自身にとっても豊かな経験になっていきます。

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この記事の監修者

監修者の写真

森 大輔(Mori Daisuke)

保育のせかい 代表

《資格》

保育士、幼稚園教諭、訪問介護員

《経歴》

2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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