子どもの身の回りの世話や、人格形成を支援する保育士は周りから見ると仕事内容が簡単に思えたり楽そうなイメージをもっている人もいるのではないでしょうか。
子どもの頃に、保育園や保育施設でお世話になったり、保育士の働く姿を見かける人も多いですから身近に感じやすい職業ですよね。
厚生労働大臣が指定した「専門学校・短大・大学」などの保育士養成施設を卒業する場合は、卒業と同時に国家資格を貰えますが、それ以外では合格率20%~30%の保育士試験に合格する必要があります。
無資格者でも保育業務の補助的な仕事はできますが、正式に保育士として働くことはできません。
今回は、保育士は簡単になれるのかや、資格を取るためには何をするべきなのかと難易度が高い理由などについて解説していきます。
Contents
保育士は国家資格!簡単になれるものではない
国家資格の中でも、保育士は受験資格の敷居は低いです。
保育に関する学校を卒業した人だけではなく、社会人でも転職して保育士を目指すことは可能ですから毎年、多くの人が保育士試験に望んでいます。
保育士資格を一度取得すれば、一生使えるので例え保育士の仕事を辞めても保育現場に再就職ができます。
ただし、なりたいと思って即行動しても無資格者ですと、保育園や保育施設で保育士として働くことはできません。
保育士試験の敷居は低いけれど、国家資格に合格するための勉強も長期間しなければいけませんから、簡単になれるものではないです。
保育士の仕事は周りから見ると子どもと日々、触れ合っているだけで給料を貰えて簡単そうだなと思う人も中にはいるかもしれません。
たくさんの子どもの命を保護者の方々から預かっているので、責任が重い職業と言えます。
保育士は簡単になれると言われている理由は?
子どもがいるママやパパは、子育てを経験していますから保育園や保育施設で働いている保育士の仕事内容は、馴染みがあって簡単そうだなと思いがちです。
確かに、保育士は子どもの身の回りの世話をするというのがメインの仕事内容ですから一理あります。
しかしながら、保育園や保育施設でただ子ども達の面倒を見たり、遊ばせたりしているだけではないのです。
保育士の仕事が簡単そうに思えるのは、表面的でしか見れていないからだと言えます。
考えてみてください。
子育てを経験している人なら嫌というほどわかると思いますが、1人の子どもの面倒を見るだけでも大変ではないでしょうか。
保育士は、たくさんの子ども達と平等に接しながら、年齢や発育状況に応じてひとりひとりに合った保育内容を実践していく必要があるので決して楽な職業ではありません。
実際に保育の現場で働いて、肌で感じて見ないことには言われているほど、保育士の仕事内容が簡単ではないことを理解するのは無理でしょう。
周りから、保育士は簡単になれると思われていても、保育園や保育施設で一生懸命に働いている保育士に何か迷惑がかかったりするわけではありません。
ですが、保育士の中には見下されていると感じたり、社会的地位を気にしてしまい労働意欲の低下に繋がる人もいるはずです。
保育士に対して偏見をもったりせずに、立派な職業だなという見方ができる人が増える世の中になっていければ良いですよね。
保育士資格を取るためには何をするべきなの?
国家資格を取得し、保育士登録をするのが絶対条件の保育士ですが目指し方は以下の方法があります。
・指定保育士養成施設で必要な単位を取得し保育士資格をもらう
・保育士試験に合格する
保育士関連の養成施設を卒業
保育士関連の養成施設で、保育に関する授業の単位を取得して卒業すると保育士資格を貰うことが可能です。
学校を卒業すれば、試験を受けること無く保育士として働けるのは魅力的ですよね。
しかし、認定外の学校を卒業してしまうと保育士資格を取得することができませんので注意が必要です。
そして、学校と言っても種類が色々あります。
厚生労働大臣が指定した「専門学校・短大・大学」などの保育士養成施設のことで、社会人で学校に通っている方もいます。
社会人が保育士を目指すなら、専門学校がおすすめだと一般的に言われていて、夕方や夜間に授業を受けて勉強できるコースなどを準備しているところもあるからです。
ですので、仕事をしながら保育士資格を貰うことができるわけですね。
専門学校や短大で保育士を目指す方は、さすがに4年制大学のように学ぶ期間にゆとりはありませんが、効率が良くて勉強内容が濃いカリキュラムが組まれているので心配はいりません。
保育士試験に合格
保育士になるために、保育士試験に合格をして国家資格を取得する方法があります。
筆記試験・実技試験があり、どちらとも合格しなければいけません。
筆記試験の内容はマークシート形式で、○☓問題が出されます。
実技試験もマークシート形式だと思う人もいるかもしれませんが、自分の身体や口を動かしながら表現することが求められ造形・音楽・言語の分野から2つ選びます。
保育士試験は、問題の出題範囲が広いので一夜漬けの勉強で受かるほど甘いものではありません。
たくさん勉強したとしても、初めて見る問題が出されることもあるでしょう。
保育士を志す人の中には、独学で保育士試験に望む人もいます。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士になりたい理由は?子ども好きやそれ以外の回答を解説!
保育士試験の合格率は20%?難易度が高い理由
保育士試験の合格率は20%~30%だと言われていますから、そんなに簡単に突破できるものではないことが理解できますよね。
合格率に対して、人によって難易度が低いと感じるか高いと感じるかは違いがあるものですが、20%の合格率ということは5人に1人が受かる割合です。
筆記試験だけなら、もう少し合格率は上昇するかもしれませんが、保育士試験は実技試験にも合格しないといけないのでバランスの良い勉強が求められます。
100点満点中の合格点は60点以上ですので、満点を取る必要はありません。
そして、保育士試験は筆記試験・実技試験を同時に受験するという仕組みではなく、筆記試験に合格をしないと実技試験に進めないのです。
保育士試験の難易度が高いと言われている理由に、まず筆記試験の合格が難しいことが挙げられます。
9科目から問題が出題され苦手科目を別の科目でカバーしようと思っても、全ての科目で60点以上が求められるのでバランス良く勉強していかないといけないからです。
保育士の資格を取って終わりではなくはじまり
晴れて保育士の資格を取得できた人は、充実感や安心感がありますよね。
ですが、国家資格を取って終わりではなくはじまりで、これから迅速に保育士登録を行い就職活動や転職活動をしていかなければいけません。
そして、保育士試験に合格できたからと言って、保育園や保育施設で即戦力として働けるとも限りません。
子どもの年齢や発育状況に合った対応をしたり、職場の仲間と協調性が求められる職業なので、すぐに保育の現場で通用するとは思わないほうが良いです。
働きながら日々、新たな知識や技術、対応などを学ぶことの連続になります。
保育士としての仕事をスムーズに覚えるためには、素直さと謙虚な気持ちをもって働くことが大切です。
まとめ
保育士として働きたい場合は、国家資格を取得して保育士登録をしないといけないので、簡単になれるわけではありません。
仕事内容は、周囲から簡単だったり楽そうなイメージをもたれがちです。
保育の現場で、子どもの命を預かりながら面倒を見たり、保護者対応をしたり、職員達との円滑なコミュニケーション、チームワークを必要とする職業ですから肉体的にも精神的にも大変です。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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