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2024.01.28

保育士特例制度とは?対象者や目的とメリット・デメリットを解説

子ども好きな人は保育関係の仕事に就きたい場合、幼稚園の先生あるいは保育士を目指す人が多い傾向があります。

保育士は保育士資格、幼稚園教諭は幼稚園教諭免許状が必要です。

保育業界で働きたい人のなかには、保育士と幼稚園の先生の両方とも興味がある人もいるでしょう。

保育士資格はあるけれど幼稚園教諭免許状は非所持など、どちらか一方の資格しか取得していない人もいます。

保育士特例制度を活用することで、資格取得までの期間の短縮が可能です。

今回は、保育士特例制度の基礎知識やメリット・デメリットなどについて解説していきます。

保育士特例制度とは?

幼保連携型認定こども園の創設に伴い、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を所持する人材を、施設に配置することが求められるようになりました。

保育業界に興味がある求職者はたくさんいますが、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を持っている人は多くはありません。

その理由として、保育士や幼稚園の先生になるためには学校を卒業する以外は、資格試験を受験して合格する必要があります。

学校を卒業するのにも、それぞれのカリキュラムが違いますから、学ぶのは多く時間がかかり大変です。

資格試験を受験するにしても、それぞれ勉強内容が違うため勉強量が膨大になってしまい大変です。

保育士資格と幼稚園教諭免許状のどちらか、一方だけしか持っていない人のために特例制度が作られました。

保育士特例制度により幼稚園教諭免許状を入手している人が、簡易的に保育士資格を取得できるようになっています。

保育士特例制度は、3年特例・幼保2年特例の2パターンあります。

3年特例

保育士養成校に通う人は、3年特例を活用することで特例教科目8単位を修得済みであれば、保育士試験の科目は全部免除されることになります。

働きながら3年特例を活用したい人は、幼稚園・認定こども園・保育所・公立の認可外保育施などの施設で、3年以上かつ4320時間以上の実務経験を積むことが求められます。

実務経験は、要件を満たした1つの保育施設で3年間以上を必ず働かないといけないわけではなく、複数の保育施設で働いた経験を合算しても良いです。

幼保2年特例

幼保2年特例を活用する人は、保育士養成校で6単位を修得済みでしたら保育士特例制度により、保育士試験の科目は全部免除されることになります。

幼保2年特例は令和5年度から、3年特例の要件に加えて幼保連携型認定こども園での実務経験が、2年以上かつ2880時間以上の人が対象者となっています。

保育士特例制度の期限

保育士特例制度を活用した保育士試験の受験期限が、2015年度~2024年度末までの期間とされています。

そのため、保育士特例制度は期限がきちんと設定されているわけですね。

本当は2019年度末で制度の施行が終わる予定でしたが、現在は保育業界で働く人材が不足しがちです。

一定数の人材が増えるまでの限定的なものになりますが、保育士特例制度が延長されています。

保育士特例制度の目的

保育業界に興味がある人はたくさんいますが、保育士や幼稚園の先生を目指すためには、学校で必要な単位を修得や、資格試験の受験などをクリアしなければいけません。

ましてや、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を取得したいと思うと、ハードルはかなり高くなります。

保育士特例制度を活用することで、両方の資格を効率良く取得できる可能性が高くなるため、一歩踏み出す勇気が出ない人を後押しできるようになるでしょう。

保育士特例制度の目的は、保育士や幼稚園教諭を目指す人材を増やすために誕生しています。

現在は、教員免許更新制の廃止により、幼稚園教諭免許状の有効期限が廃止になっています。

保育士資格も更新する必要はありません。

これから、保育士や幼稚園の先生を目指す人は国家資格を一度取得すれば、保育業界に勤めて退職したりブランクがあったりしてもすぐに復帰できます。

保育士特例制度の対象者

保育士特例制度の対象者となるには、学校で必要なカリキュラムを学ぶ、要件を満たした施設で実務経験を積むことが求められます。

3年特例=幼稚園・認定こども園・保育所・公立の認可外保育施などの保育施設で、3年以上かつ4320時間以上の実務経験

幼保2年特例=保育士養成校で6単位を修得済みの場合、保育士試験の科目は全部免除
3年特例の要件に加えて幼保連携型認定こども園での実務経験が、2年以上かつ2880時間以上の人が対象者

保育士養成校での取得する単位は、すでに学校で学んだ経験があったり指定の大学では、最大8単位必要になったりなどあるので、必要な単位数は通学や卒業したところで確認しましょう。

保育士特例制度のメリットを解説

保育士特例制度のメリットを解説していきます。

学習にかかるコストを抑えられる

普通に資格取得を目指すと、学校を卒業するための費用が100万円以上かかるケースもあります。

保育士特例制度を活用すると、資格取得のために修得する科目を省略できるため、学習にかかるコストを抑えられます。

学習期間を短縮して資格取得を目指せる

本来であれば、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方の資格取得を目指す場合は、多くの勉強時間を確保する必要があります。

勉強に専念できる人は大丈夫かもしれませんが、家事をしたり働いたりしている人は勉強時間の確保が難しいでしょう。

保育士特例制度を利用すると、学習期間を短縮して資格取得を目指せるので、忙しい人にとっても効率良く学ぶことが可能です。

求職活動でアピールできる

お伝えしてきたように、保育士特例制度を活用すると時間と労力、コストを大幅に短縮できる。

期限は設けられていますが、まだ時間はあるので保育士資格と幼稚園教諭免許状の2つを取得しておくと、他の求職者と比べて差別化が図れます。

なかなか、両方の資格を持っている人材は少ないので、求職活動のアピールに効果的です。

保育士特例制度のデメリットを解説

保育士特例制度のデメリットを解説していきます。

受験期間までに学びを完了する必要がある

保育士特例制度は、無期限ではなく申請手続きの期限が2025年度までと限定的です。

つまり、2025年3月までに実務経験と学びが終わっていることが求められます。

受験期間に期限が設けられているので、興味がある人は忘れずに申し込みしましょう。

保育士資格を所持しているだけではだめ

保育士特例制度を活用するためには、保育士資格を所持しているだけではいけません。

要件を満たした就労施設で、定められた年数かつ時間の実務経験が必要になるので、申請手続きに間に合うような働き方をしましょう。

将来的に何度も活用できない

お伝えしてきたとおり、保育士特例制度には受験期限が設けられています。

期限が延長される可能性もありますが、現在は将来的に何度も保育士特例制度を、活用できない仕組みになっています。

保育士特例制度に興味がある人は、期限に間に合うように早め早めの行動が大切です。

 

 

まとめ

保育業界の人手不足を補う制度として、保育士特例制度の利用が2025年3月まで可能です。

3年特例と幼保2年特例があるので、活用したい人は必要な要件を、満たしたうえで利用するようにしてください。

実務経験は年単位が求められるので、保育業界ですでに働いた経験がある人が有利な制度と言えるでしょう。

保育士特例制度に興味がある人は、メリット・デメリットを参考にしてみてベストな選択をされてください。

 


この記事の監修は

保育のせかい 代表 森 大輔

2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。

その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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