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2023.09.16

保育士の給料は安くて当たり前?その理由や対策について

保育士の給料

保育士試験に合格して国家資格を取得することで、正職員の保育士として保育園や保育施設で働けるようになりますが、合格率20%台のやや難関資格です。

保育士を目指す人の勉強量は一夜漬けで、保育士試験に受かるような簡単なものではありません。

それなのに、昔から保育士は低賃金の職業だと言われており、働いている人によっては待遇面の不満から退職してしまう人もいます。

保育士の給料は、なぜ一般的に安いと言われているかは、なんとなく抽象的な感じでは理解しているけれど具体的に知らない人もいるのではないでしょうか。

今回は、保育士の給料は安くて当たり前の理由や、給料を安いから高いに変えるための対策などについて解説していきます。

保育士給料が安くて当たり前の理由は?

仕事量に見合った給料が、貰えていないと言われている保育士は少なくありません。

保育士給料が安くて当たり前の理由は、以下のようなことが挙げられます。

社会的に評価されていない

保育士は、子どもの命を保護者から預かり守っていくという尊くて、社会貢献度が高い職業です。

それにもかかわらず、あまり社会的に評価されていません。

保育に関する知識やスキルが求められる保育士の職業ですが、子ども持つパパやママが日々行っている、育児とあまり変わらず、保育士資格は必要になりますが専門的な知識やスキルは別にいらないだろうと世間から思われがちです。

そのため、保育士の仕事内容は子育てを経験した人であれば、誰でもできるのではと誤解されることに繋がっており、社会的に評価されていないため、給料が安くて当たり前だと言われているのです。

保育士の仕事は、子どもの生活サポートや健康促進、幼児教育などがメイン業務ですが、その他にもデスクワーク、年間行事の企画立案~運営、保護者との関わりなど多岐にわたります。

そこまで深く、保育士の仕事内容が世間に認知されていないので、社会的な評価が低いままだと言えます。

保育園の予算が決まっている

保育園は私立園、公立園がありますが、どちらも一般企業のように利益第一主義の経営はしていません。

保育園は国からの補助金や、子どもを預けるママやパパからの保育料をいただいて運営していて、ある程度予算の上限が決まっています。

国から保育園に支給される補助金は、税金ですから急に上げると私達、国民の負担が増加したり、保育料が値上がりしたりする可能性があるのです。

保育料が引き上げられると、金銭的な余裕が無くなり子どもを預けられない家庭が出てくる恐れもあるので、簡単には変えられません。

保育園では、「公的価格」が定められており、子ども1人当たりの保育や教育にかかる費用について、色々な要素や事情を様々な角度から考慮して決定されます。

保育園の予算は、人件費・運営費・設備投資費用・教育及び保育費などで、それぞれ決められており、ある程度予算が決定されているため保育士の給料が安くなってしまう要因の1つなのです。

資格さえあれば誰でもできる

保育士の職業は、保育士試験に合格が必要で国家資格になります。

厚生労働省が指定する保育士養成学校を無事に卒業すれば、保育士試験を受験する必要が無くなり卒業と同時に保育士資格を取得できるのですが、それ以外の人は保育士試験を受けなければいけません。

保育士試験は、筆記・実技試験の2つに合格する必要があるのですが、そんなに簡単に受かる国家資格では無いので、しっかりと時間をかけて勉強することが求められます。

それにもかかわらず、世間的には高度な知識やスキルが必要とせず、資格さえあれば誰でもできると思われがちです。

人によっては、ただ子どもと日中に触れ合っているだけで、お金を稼げるという大きな誤解をしている人もいます。

資格さえあれば、誰でも保育士の仕事はできると思われがちなことが、給料が安くて当たり前だと言われている理由として挙げられます。

資格取得も難しくない

保育士の資格に関して詳しい人は、厚生労働省が指定する保育士養成学校の卒業者は卒業と同時に、保育士資格を取得できることを知っているのではないでしょうか。

学校を卒業すれば、自動的に保育士資格を貰えるという仕組みになっていることで、人によっては資格取得も難しくないという声もあります。

確かに、厚生労働省が指定する保育士養成学校の卒業者は、保育士試験を受験する必要が無いので試験そのものに対するプレッシャーや悩みは気にしなくて良いでしょう。

保育士を目指すならば学校の授業は、受け身では必要な単位は取れませんし学科・実技の勉強量も多いので、学校に通えば簡単に卒業までたどり着けるわけではありません。

国家資格である保育士資格が、低く見られるのは可哀想ですが資格取得が難しくないと思われていることで、給料が安くて当然だろうという認識をされているのです。

 

保育士に関連する記事はこちら⇒保育士は家賃補助がある?種類や相場観を解説!

保育士の給料を安いから高いに変えるためには

保育士の給料を安いから高いに変えるためには、以下のようなことが必要だとされています。

昇格する

一般企業のように、キャリアアップの仕組みが主任・係長・課長・部長のように保育園はなっていないため、保育士は昇格しにくいと言われています。

それでも、長く勤めると主任や園長先生などを目指せてキャリアアップも可能です。

昇格すると役職手当がつくので、基本給とは別に色々な手当が支給されて給料が増える可能性があります。

当然ですが、キャリアアップは勤めている保育士の全員が平等にできるわけではありません。

評価や働きぶりを認められた、選ばれし者が昇格できるので難易度は高いですし責任も重くなります。

転職する

給料が安くて悩んでいる保育士の人は、同じ保育業務で少しでも高待遇のところに転職することで、待遇面の向上を期待できる可能性があります。

なかなか、働きながらでは転職に割く時間が取れない保育士も多いでしょう。

自力で転職活動を頑張るのは立派ですが、無理をすると体調不良になったり、ストレスを抱えて精神的にも肉体的にも辛くなる恐れがあります。

今は、転職市場は活発化していますから、転職サポート支援サービスも充実しています。

転職エージェントを活用すれば、面接対策や必要な書類の作成の手助けをしてくれるので、時間と労力の節約になりますし効率的に行動できるのでおすすめです。

キャリアアップ制度の活用

保育士の職業には、国の制度でキャリアアップ研修を受講できるようになっています。

キャリアアップ制度の「保育士処遇改善等加算II」では、保育士の専門的な知識やスキルを高めるキャリアアップ研修を受講して、昇格を目指せます。

無事にキャリアアップ研修を修了すれば、保育士の経験やスキルに応じた処遇改善手当が支給されるため、給料アップに繋がるでしょう。

キャリアアップ制度を活用すると、副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーなど新たな役職に就ける可能性もあります。

 

 

まとめ

人手不足が慢性的になっている保育士の職業は、給料が安くて持ち帰りや残業などもあり、仕事量と見合っていないと言われています。

保育園や保育施設によって、職員の給与に差がありますが保育業界全体で給与水準が低い傾向があるのです。

給料が安くて当たり前な理由としては、社会的に評価されていない・保育園の予算が決まっている・資格さえあれば誰でもできる・資格取得も難しくないなどが挙げられています。

国は保育士の給料を改善させるために、働き方改革や処遇改善手当などを実施していますが、早急に改善させるのは難しいので、長期的な視点を持って改善策を行っていく必要があるでしょう。

 


この記事の監修は

保育のせかい 代表 森 大輔

2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。

その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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