子どもと触れ合うことがメイン業務になる保育士の職業ですが、国家試験に合格する必要があります。
合格率20%台と言われていますので、誰でも簡単に合格できる専門職ではありません。
保育士として、就職や転職したら保育現場で学ぶことも多いでしょう。
預かる子どもの健康促進、生活力や学習能力の向上もサポートしていかなければいけません。
保育士の職業に就いたら、定期的に研修を受けながら能力やスキルを高めていくことが求められます。
今回は、保育士の受けるべき研修一覧や注意事項などについて解説していきます。
Contents
保育士が受けるべき研修一覧
保育士が受けるべき研修一覧を解説していきます。
遊び
保育士が受ける研修は色々なものがあり、テーマによってその内容は変わってきます。
「遊び」のテーマでは、新たな手遊びや歌に関して学べます。
保育園や保育施設に預けられる子どもは、乳幼児から小学校入学前の未就学児になりますから、本格的な勉強には取り組みません。
遊びの中で、他の園児達との関わりや集団生活について学んだり、将来の糧になるように学習能力の向上などを目指しています。
例えば、遊びをテーマにした研修ではパネルシアターやエプロンシアターを使ったものがあり、演じ方のコツを習得すれば、すぐに勤め先での実践ができるでしょう。
絵本
保育士の研修で「絵本」をテーマにしたものは、子ども達に読み聞かせをする際のポイントを学びます。
保育士の業務では、絵本や本の読み聞かせも大切な仕事内容です。
絵本についての研修で、より知識やスキルを高めることで子ども達がより一層絵本を楽しめるようになったり、絵本や本に興味を示すようになる可能性があります。
研修内容は、絵本の持ち方から始まり、抑揚をどのようにつけるのかや読み方のポイントなどを学ぶことができます。
保育園や保育施設で保育士の先生から、絵本を読み聞かせしてもらえたことがきっかけで、読書や本が好きになる子どももいるかもしれません。
将来、子どもが成長して大きくなった時に、再び会う機会がある保育士もいるはずです。
その時に、実は先生の絵本の読み聞かせしてくれたおかげで、読書好きになったと報告してくれたらとても嬉しいですよね。
食育
保育士の研修テーマの「食育」では、子どもが保育園や保育施設でする食事だけにとどまらず、将来の健康に関わることなのでとても食育は重要です。
やがて卒園する子ども達が、大人になって健康問題やアレルギー症状などに悩まされたりしないためにも、研修で食育に関する知識を深めて、子ども達の健康促進を目指していく必要があります。
保育園や保育施設で子ども達が食べる給食に関してや、アレルギー問題、乳幼児の離乳食、偏食などについての対応を学べます。
食欲は人間の三大欲求の1つなので、生きているうちは絶対に食事は欠かせません。
子どもの頃の食べ物の好き嫌いが激しいと、やがて成長して大人になった後でも嫌いな食べ物は絶対に食べないようになってしまい、偏食に繋がったりする恐れがあるでしょう。
小さい頃の食生活が、大人になっても影響を及ぼすことを頭に入れながら、子ども達と食育について取り組んでいかなければいけません。
音楽
保育士として保育園や保育施設で働きだしたら、子ども達の生活サポートも大切ですが音楽教育についても、理解を深めていることは重要です。
勤め先によっては、教室にビアノを設置しているところもあるでしょう。
保育士の国家試験にも、選択形式ですが音楽についてのジャンルもあるので、音楽に精通している人は、保育現場で有利に働きます。
保育士の研修でも「音楽」に関してのテーマがあります。
具体的には、歌の指導や、お遊戯会で発表する曲選びなどが学べ、音楽を通して子ども達に音楽のリズムに乗せて身体を動かして、遊ぶことの楽しさを伝えていけるようになるのが目的です。
保育士のなかには、幼少期から音楽の英才教育を受けていたり、絶対音感を持っていたりする方もいるでしょうから、そのような人は理解が早いはずです。
障がい児保育
保育園や保育施設に預けられる子ども達は、全員が健常者や健康優良児とは限りません。
なかには、発達障がいを持った子どもや何かしらの障がいがある園児がいる場合もあります。
保育士の研修で「障がい児保育」に関するテーマを学び、保育園や保育施設で子どもの問題行動の対処法や障がいがある子どもの差別や偏見を受けないように、適切な関わり方ができるように努めることも大切です。
障がい児保育について理解を深めると、障がいをもった子どもを持つ保護者の気持ちがわかりやすくなったり、上手く対応できたりする可能性があります。
保育士の研修で、障がい児保育の知識やスキルを身につけた職員がいる場合、障がいがある子どもを持つママやパパも保育園や保育施設に安心して預けることができるでしょう。
安全
保育園や保育施設では、何十人もの子どもの命を守っていかなければいけません。
子ども達が事故や怪我をしないように、安全配慮義務を負っています。
保育士がどれだけ園児達の安全に気を配っていても、子どもが遊具から落ちたり転んだりして怪我をする可能性があります。
また、他の子どもとぶつかったり、ひっかかれたりして怪我をする可能性もあるでしょう。
保育士の研修で「安全」に対するテーマでは、保育園側に子ども達の安全を守るために必要なポイントや、過失にならないように危機管理能力の向上を目指します。
もし万が一、子ども達に事故や怪我が起きてしまったら、迅速に保護者との連絡や最寄りの医療機関に行けるように、きちんと連携が取れるよう事前準備も重要です。
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保育士が研修を受ける際の注意事項について
保育士が研修を受ける際の注意事項について解説していきます。
マナーを守る
保育士が研修に行くと、保育園や保育施設で稼働する人材が減ってしまい勤務している職員に、研修に行っている人の分の仕事量を負担しなければいけなくなってしまいます。
そのため、保育士の勤務時間を考慮した日程で、土日やお盆、平日の夕方などから研修受講できるようになっているところもあります。
保育士の研修は、勤め先で誰が行くのか話し合ったうえでメンバーを選ぶことになるでしょう。
職員全員が同時に受けられる可能性は低いので、誰か代表者を決めていくことになると、研修受講したメンバーの印象が、その勤め先の保育園や保育施設で働いている人も同じような感じなのだろうという、全体のイメージになってしまいがちです。
研修受講する保育士が学習中にペラペラ喋ったり態度が悪かったりなど、マナーが悪ければ勤め先の保育園や保育施設で働く職員も、悪い印象を持たれてしまう恐れがあるので、しっかりマナーを守ることが大切です。
正しい服装を心がける
保育士の研修は、座学・実技があります。
他の保育園や保育施設に勤めている人や、講師に対して失礼にならないような正しい服装を心がけるようにしましょう。
座学の場合、何も指定が無ければ基本的にはスーツスタイルが望ましいでしょう。
実技の場合は、身体を動かすことが求められるのであれば、ジャージ姿など動きやすい服装がベストです。
保育士の研修施設によって指定する服装に違いがあったり、TPOを考慮した正しい服装をしたりしなければいけないことがあるため、心配であれば研修の申し込みをする時に服装に関して聞いてみましょう。
まとめ
保育士になって保育園や保育施設で働きだしたら、預かる子どもの健康促進、生活力や学習能力の向上などを目的として、研修を受講する機会を求められることがあります。
研修のテーマは「遊び」・「絵本」・「食育」・「音楽」・「障がい児保育」・「安全」など、様々なテーマがあります。
保育士の研修は、他の保育園や保育施設の人達も参加していますし、教えてくれる講師の方もいますから、失礼にならないように、マナーを守り正しい服装を心がけて受講するようにしましょう。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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