保育士は一般企業のサラリーマンのように、係長・課長・部長などと言った役職は無いため、昇進の仕組みに違いがあります。
長く勤めて経験を積んでも、キャリアアップできる頻度は一般企業のサラリーマンと比べて少ないでしょう。
とは言え、保育士として働きながら必ずしもキャリアアップができないわけではありません。
成長意欲が高い人は、保育園の園長先生を目指したいと思っています。
保育園の責任者である園長先生になるためには、どんなことが必要になるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
今回は、保育園の園長になるには資格が必要なのかや、求められる条件やスキルとキャリアアップ以外の方法や向いている人の特徴などについて解説していきます。
Contents
保育園の園長になるには資格が必要?
保育士が保育園や保育施設で、正職員として働くのならば保育士資格の取得が必要です。
保育士資格は国家資格で、合格率20%台と言われていますから簡単に取れるものではありません。
保育士資格を取らなくても、保育園や保育施設で保育補助の仕事に就けますが、あくまで補佐的な役割しか行えないので現状維持のままでいると、キャリアアップは望みにくいでしょう。
成長意欲が高い人は、保育士の正職員として経験や実績を積み重ねていく人が多く、将来的に園長先生を目指したいと思う人もいるはずです。
保育士の仕事は、プレーヤーとしての位置づけですが園長先生ともなると、保育園の運営面に関してやマネジメントスキルが重要になります。
園長先生になるためには、職員をまとめてけん引していく統率力やリーダーシップなどが求められますが、資格は必要ありません。
保育園の園長になるにはどんな条件が必要?
保育園の園長先生なるために、公立保育園・私立保育園で条件の違いがあります。
公立保育園の園長
地方公務員として公立保育園で働く保育士は、保育士資格の取得以外にも公務員採用試験に合格して、正社員として勤務する必要があります。
公立保育園の園長を目指す人は、保育士として約10年以上の実務経験が求められるため、簡単になれるわけではありません。
そして、園長先生になるために十分な経験を積んでも、昇格試験に合格して地方自治体から承認される必要があります。
公立保育園の園長先生というポジションに就くためには、入社前から色々な試験を受けなくてはならないのですね。
私立保育園の園長
私立保育園の園長先生になるためには、一般的に保育士としての経験を重ねながらクラス担任、リーダー、主任保育士と順調にキャリアアップをしていき、約10年以上働くと園長先生への道が開ける場合があります。
私立保育園は、園によって独自の決まりごとやルールを設けているところもあるので、園長先生に就任するための条件にもそれぞれで違いがあります。
公立保育園と異なり、園長先生になるために保育士資格は必須ではありません。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士は40代からでも目指せる?正社員やパートで働けるのかを解説!
保育園の園長になるにはどんなスキルが必要?
保育園の園長先生は、保育現場の責任者であり経営も担っているので広い視野を持ちながら、慎重に状況判断や意思決定をくださなければいけません。
子ども達、職員、保護者から信頼をしてもらえるような人柄が必要です。
保育園の園長先生になるためには、特別なスキルが必要というわけでは無く、保育業務に関する専門的な知識や豊富な実務経験が大切になります。
職員を引っ張っていく力も必要となるため、リーダーシップも求められます。
保育士の仕事をしている時は、プレーヤーとしての力が主に求められますが、園長先生になるとマネジメント力の方が大切になってくるのですね。
保育園の園長になるにはキャリアアップ以外の方法もある
保育士として働いている人のなかには、保育園の園長先生になるにはコツコツと経験と実績を積んでいく必要があると、思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。
保育園の園長先生になるには、キャリアアップ以外の方法もあります。
自力で保育園を開園する
財力がある人は、自己資金を使って自力で保育園を開園する方法があります。
保育園の開園のためには、土地代・建物代・建物の工事代・備品代・人件費など色々なことにお金がかかるので、人によっては多額の出費になる場合もあるでしょう。
ただし、全ての費用を自己資金でまかなうのではなく、地域によっては自治体から補助金が出たり借入ができたりする可能性もあります。
個人で保育園を開園する方法は、簡単ではないですが自力で開園することにより思い入れも強くなり、長く存続させようという気持ちが芽生えて頑張れるかもしれません。
園長の仕事に就ける求人を探す
保育園の園長先生を目指すには、キャリアアップ以外の方法で求人募集を探してみるのもありです。
新しく建てられた保育園で、園長職の求人を募集するケースもあります。
保育士として働きながら、長年働き苦労しながら叩き上げで園長先生を目指すよりも、園長の仕事に就ける求人を探して応募してみた方が早く実現できる場合もあるでしょう。
保育園の園長に向いている人の特徴
保育園の園長に向いている人の特徴を解説していきます。
コミュニケーション能力が高い
園長先生は、仕事で色々な人達と関わってくるので、コミュニケーション能力が高い人が向いていると言えます。
職員や保護者、子ども達だけではなく業者や行政関係の人達とも関わることも多いため、保育園の代表として多方面へのコミュニケーションが必要になってきます。
保育士として働く人のなかには、人見知りな性格の人もいるでしょう。
人見知りな性格であっても、長年、保育現場で働いている内に他人とのコミュニケーション力がついてくる人もいるので、早い段階から園長先生にはなれないと思って諦めてしまうのはもったいないです。
仕事中に冷静な判断が下せる
園長先生は、常に冷静沈着でいてどんな時も正しい状況判断を行わなければいけません。
保育園では、たくさんの子どもを預かっていますから時には、トラブルや保護者からクレームがくることもあるはずです。
職員や保護者、子ども達に寄り添いながら、仕事中では冷静な判断が下せるようなタイプの人が保育園の園長先生に向いています。
保育士をけん引するマネジメント力がある
保育園の園長先生は、保育士をけん引するマネジメント力が求められる職種で、職員の悩みや疑問、不安や意見などに対して寄り添いながら耳を傾けアドバイスや指示を行います。
保育現場で働く保育士一人ひとりと向き合うことで、園長先生としての信頼も高まるでしょう。
そして、保育士一人ひとりに対して適切なマネジメントを行ってあげると、保育の質も向上していくはずです。
リーダーシップがある
保育現場でたくさんの経験を積み、色々な困難を乗り越えてきた人ほど臨機応変な対応力が備わっているものです。
保育園の園長先生になると、職員を率先して引っ張っていく力が求められるため、リーダーシップを発揮できる人でなければ長く続けるのは困難でしょう。
まとめ
保育園の園長先生になるためには、公立保育園・私立保育園のどちらも実務経験10年以上が目安で、公立園は公務員採用試験・昇格試験などいくつもの試験に合格する必要があります。
私立園では、園によって独自の基準やルールを設けているところもあるため、園長先生になるための条件に違いがあります。
キャリアアップ以外の方法でも、保育園の園長先生を目指すことが可能ですので成長意欲が高い人は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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