保育士は、国家資格を取得しないとなれないので敷居が高いと思う方は、多いのではないでしょうか。
学歴が重要だったり、試験の合格率もとても低いのではと考えてしまって、目指すことを諦めてしまうのはもったいないです。
保育士は、中卒でも勉強次第で保育士資格を取得することが可能です。
ただし、高卒以上の方たちと比べて少しハードルは高くなってしまいます。
今回は、保育士は中卒でも働けるのかや、受験資格や方法などについて紹介していきます。
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そもそも中卒で保育士になれるの?
中卒の方でも保育士の資格を取得することは可能ですが、国家資格なので最終的には筆記試験及び実技試験に合格する必要があります。
その前に、中卒の場合は「高卒認定試験」にも合格しなければいけません。
高卒認定試験とは、高校に通えなかった人が試験を受けて高校の卒業資格を手に入れるものです。
保育士を目指せる他に、短大・大学・専門学校へ進学も可能です。
もちろん、偏差値が高い学校へ通うにはそれなりの勉強量が必要です。
そして、保育士を目指すのであれば中卒の場合は、一定の条件が定められているので、それを満たしていなければ保育士試験を受験することができません。
中卒者の場合は、高校認定試験、保育試験と何個も受験しなければいけないので先が長いと思う人もいるでしょう。
保育士は、子どもの命を預かるのがメインの仕事ですから、責任が重大で生半可な気持ちではつとまりません。
そのような気持ちで安易に保育士の業務ができないように、国家資格としているのでしょう。
考え方を変えると、誰でもできる職業ではないのでやりがいも大きいですし、中卒者でもコツコツ勉強すれば、試験に合格しやすくなるので諦めない気持ちをもつことが大切です。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士は無資格でも働ける?その条件や内容についてを解説!
中卒で保育士になるための方法
中卒で、保育士になるためには保育士試験を受験する前に、高卒認定試験に合格する必要があります。
高校卒業の資格を手に入れたら、今度は、独学で保育に関することを勉強したり通信教育を受けて保育士試験にトライする方法があります。
独学や通信教育での勉強の場合は、学費が抑えられて自分のペースで学べるというメリットがありますが、意志が強くないと続きません。
保育士試験の内容も、筆記試験・実技試験の2つでそれぞれ、6割以上の点数をとらないとクリアにならないので適当に勉強していては、まずもって合格できないでしょう。
具体的に、中卒で保育士になるための方法は以下のようなものがあります。
高校認定試験
高等学校卒業程度認定試験は、一般的に「高卒認定試験」と呼ばれています。
学歴が中卒以下の人が受験して、高校レベルの学力を持っていると証明する試験です。
合格すると高卒の学歴が付与され、保育士試験の受験資格を得られる他に、短大・大学・専門学校などへ進学できるようになります。
世の中の仕事は、中卒の学歴では就職するのが困難ですから、高卒以上の学歴が求められる職業が多いです。
もちろん、中卒者でも全く働けないということはないですが、日本は学歴社会なので高卒の学歴はもっておいた方が就職できる確率が上がります。
4年制大学
高卒認定試験に合格したら、4年制大学へ通い時間をかけて、ゆっくり保育の勉強をする選択肢もあります。
保育関係以外の勉強ができる大学もあるので、何が何でも保育業界に就職しないといけないということはありません。
4年制大学を卒業したら、短大や専門学校の学歴よりも就職して初任給が高いというメリットがあります。
しかし、4年間学校に通い続けるので、学費が高くなってしまいます。
奨学金制度を利用して、一時的に費用を国に負担してもらう方法もありますが、就職したら何百万円も学費を返済していく必要があるので大変です。
短期大学
4年制大学よりも短時間で卒業できる「短期大学」は、その分、毎日の講義が多く勉強漬けになります。
学費を抑え、保育士試験を早く受験したい人は短期大学で勉強するのも良いでしょう。
入学時は、まだ勉強量も自分で調整しやすいですが1年後とかになると、保育士試験の勉強する時間もたくさん確保しないといけませんし、学校の勉強も今まで習ったことの復習や予習などに追われてくるのでもっと忙しくなります。
プライベートでは、あまり友達と遊ぶ時間も取れなくなりがちなので、どちらも両立したい人は4年制大学に通うことをおすすめします。
専門学校
保育士になる決意が固まっている人は、保育に特化した授業をする「専門学校」に進学するのがベストです。
学費も4年制大学に比べて安く抑えることが可能で、保育を専門に勉強していくことになり保育士として就職した時に現場での対応力もある程度ついています。
ただし、途中で違う職業に就きたいとか方向転換をするのは難しいので注意が必要です。
学校を卒業して、初めて就職する新卒者は一生に一度しか新卒で入社することができないので、新卒カードは貴重な特権です。
保育施設の新卒採用で働く保育士は、すぐには即戦力を求められず丁寧に一から研修をしてもらったり、仕事を覚えるまで大切に扱われがちです。
最初から、自分に合った職場に巡り会えるのは難しいですが、学生時代からきちんと将来を深く考えることが、キャリア形成や安定した生活の為には重要です。
中卒なら5年以上7,200時間の実務経験が必要?
保育士養成校に通わなくて、高卒認定試験も受験しない場合、中卒者は児童福祉法で定められている認可施設で正職員として5年間、7,200時間の実務経験がないと保育士試験を受けることができません。
高卒認定試験に合格したら、高卒扱いになるので実務経験が2年以上2880時間に短縮されます。
その為、保育士試験を受験したいと思っている中卒者は、保育施設で働く前に認可施設かどうか雇用先や都道府県への確認が必要です。
中卒の場合でも、長い期間をかけて保育士試験の受験をすることが可能ですが、5年以上も実務経験が必要なのですごく時間がかかります。
5年間も忍耐強く、保育現場で働くのは大変ですし勉強との両立もしなければいけません。
例えば、最初の1、2年だけ認可施設で実務経験を頑張れたけど、それ以降は辛くなって途中で保育士を目指すのは無理かもしれないと思う可能性もあります。
保育の勉強だけに集中はできないので、学校で保育の勉強をしている人達よりも、肉体的にも精神的にも疲れてしまうかもしれません。
しかしながら、保育現場で実務経験が積めると、保育士試験の実技の問題をクリアしやすくなりますし、保育士養成校なら必要になる学費はいらないのでコストを低く抑えることができます。
それに、保育の認可施設は別に一つの勤務先だけで5年間頑張る必要はありません。
5年間のうちに、1つめの認可施設で1年勤め、2つめで2年間勤め、3つめで2年間働き合計5年の実務経験としても大丈夫なのです。
保育士中卒のまとめ
保育士を目指す場合、中卒者は高卒認定試験に合格し専門学校・短大・4年制大学などへ進学してから保育士試験を受験する方法が王道パターンです。
しかし、高卒認定試験に合格しなくても時間と労力をかけて保育士試験を受験する方法もあります。
中卒なら保育の認可施設で、正職員として5年以上7,200時間の実務経験を積むことで保育士試験を受験することができます。
認可施設で働きながら保育士を目指す中卒者は、できれば、頑張って高卒認定試験に合格し高卒の学歴を手に入れたほうが、実務経験が2年以上2880時間に短縮されるので良いかもしれません。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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