保育士は、子供と関わるだけではなく、保護者とのコミュニケーションや事務作業など毎日、忙しい日々を過ごしています。
保育園では、喋ったり歩いたり出来ない赤ちゃんも居ますし、1歳時位であれば会話がまだ成り立たないので何を考えているのか汲み取る事が困難です。
特にコミュニケーションが上手く取れない子供の対応は、精神的・肉体的にも疲れ激務だと言えます。
保育施設で預かっている子どもは、何十人も居て保育士は何名かで対応しなければいけないので体力がいる仕事です。
今回は、保育士が激務と言われる理由と、解決策などについてご紹介していきます。
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保育士が激務と言われる理由
保育士は、それぞれ担当のクラスを持っていて、子供達の数が均等になるようにクラス分けされています。
ですが、クラス分けされていると言っても、一クラスに園児たちは何十名も居ますので、一人一人に対応するのは難しくなります。
保育士は、仕事で子供の面倒を見ていますが、子ども達は日中、仕事や用事などで忙しいママやパパが預けているので、仕方なく保育施設で生活させられているに過ぎません。
ですので、保育施設は学びの場所という感覚はなく、保育士や他の園児達と一緒に遊んだり楽しい事をする場所だと思ってます。
無邪気に行動するので、走り回って怪我をしたり言うことを聞かなかったりする事もあるので、保育士は子供達をトラブルや危険から守る為に、神経をすり減らし肉体的にも大きな負担がかかります。
保育士が、激務と言われる理由は以下のような事が多いです。
労働時間
保育士の労働時間は、基本的に8時間〜9時間のシフト制勤務である所が多いです。
シフト制の中にも、早朝出勤する早番や保育園の定時後に勤務する遅番があり、職員が交代交代で勤務しています。
なぜ、勤務形態がシフト制となっているのかと言いますと、保育施設の就業時間の前に子供を預けにくるママやパパも居ますし、定時後に迎えに来る保護者もいるからです。
そうなると、保育士も早朝出勤したり、残業をしたりする必要があります。
肉体労働
保育施設に、子供たちが登園したら保育士はその日にやるべき業務がたくさん発生します。
午前中は、園児たちと一緒に遊んだり授業をしたり、お昼になったらお昼寝の準備があります。
昼食やおやつを食べさせる時間もあるので、その前に子供達をお手洗いに連れていき、手を綺麗に洗って貰ったりうがいをさせたりで日中は忙しく過ごすことになるのですね。
その間に、別の保育士がテーブル・椅子をセッティングしたり、消毒を行ったりしますので、かなりの肉体労働です。
保育士の仕事は子供たちのお世話だけではありません。
保育日誌をつけたり事務作業や、季節ごとの行事の企画・運営など業務は多岐に渡ります。
休みの問題
保育士の仕事は、ほとんどの保育施設が隔週で2日が休日という労働条件になっています。
隔週というのは、土日連続で休みがあるというわけではありません。
なので、保育園によっては一週間のうち1日だけ休みがあって、他の6日間はずっと労働する事が普通に起こり得るのです。
有給休暇は、労働基準法で決められているので保育士にも当然、使う権利があります。
しかし、多くの保育士は日々の業務が激務で、一人でも休んでしまうとチームワークで仕事が回らなくなってしまうので、簡単に有給休暇が取れない状況なのです。
給料の問題
働く保育施設にもよりますが、保育士は労働時間が長くて残業もあるので激務だと言われている所もたくさんあります。
残業は、きちんと残業手当がつけば良いですが、サービス残業や持ち帰り仕事が発生する保育施設もあるので労働環境の劣悪化も懸念されています。
残業代は、時給の1.25倍を支払うという決まりになっているので、通常勤務よりも時給は高いのですがサービス残業は、無報酬になるのです。
残業手当を貰える保育園もありますが保育士は、仕事をする時間が長く残業もあって激務なのに、給料が見合わないという声も出ています。
保護者対応
保育施設に預けられた、お子様はママやパパが日中、我が子の面倒を見れないので保育士さんにお願いしています。
なので、保育士は日中は子供の世話をして、仕事や用事が終わって迎えに来る保護者の応対もする必要があります。
保護者とのコミュニケーションも、大切な業務の一環です。
ただし、子どもを預けるママやパパへの気遣いや接し方で悩んでしまう保育士もいますので、保護者対応は精神的な疲れが出ます。
保育士不足
保育施設によっては、常に保育士不足になっている所もあります。
保育業界全体でも、保育士の人数が不足している状況ですから、今現在、一生懸命に頑張って働いている保育士に余裕が無くなるわけなのですね。
保育士の資格を所持していて、いつでも仕事が出来るけど職場復帰していない「潜在保育士」という方が約80万人ほどいると言われています。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士の腰痛は職業病?少しでも改善するためにやるべきこと
保育士の激務を改善する方法
保育士の仕事は、チームワークで業務を回していくので協調性を持ってやらなければいけません。
ですので、誰かが仕事に追われていたら、他の職員がカバーしてあげたりするなど、自分一人だけでは激務な状況を改善するのは困難です。
保育士の激務を改善する方法として、以下のようなことを参考にしてみてください。
まわりと協力する
保育業務は、個人プレーではなく職員や園長先生達と、お互いに協力し合って仕事をこなす必要があります。
まわりと、積極的にコミュニケーションを取りながら「報・連・相」を徹底して行う事が大切です。
保育士になった理由を考える
仕事に追われていると、肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまい保育業務や子供が嫌いになってしまう恐れもあります。
働きすぎると、体調不良になってしまう事もあるでしょう。
激務な状況でネガティブ思考になった時は、一度、保育士になった理由を考える事が大切です。
多くの保育士は、子供と過ごす仕事が好きだからという動機で目指すようになったはずですから、気持ちを入れ替える事によって活力が沸いてくる場合があります。
転職する
保育施設の職場環境は、実際に働いてみるまでわからない保育士がほとんどでしょう。
仕事をしだして、給料面に不満があったり人間関係の構築に失敗したりなど、嫌な面が露呈する事もあります。
保育園は、チームワークで業務を行っているので、悩みや不満があっても自分ひとりの力ではどうしても解決できない場合が多いです。
なので、今の勤務先で悩みや激務が改善されなければ、思い切って転職するのもアリです。
転職エージェントに相談
保育士として、毎日、激務な状況で働いていると、転職先を探そうにも時間や気力が足りない方もいますよね。
そういう方は、自分だけで次の就職先を探そうとはせずに、「転職エージェント」を頼って相談する事も大事です。
転職支援サービスを利用するだけで、時間と労力の節約になりますし、自分では気付かない素敵な条件の求人に巡り会える可能性があります。
保育士激務のまとめ
保育士の仕事は、子供のお世話だけではなく保護者との対応や、保育日誌をつけたりなどの事務作業があります。
他にも、季節ごとのイベントの企画・運営や保育業務の会議や打ち合わせなどもあるので、肉体的にも大きな負荷がかかり激務になりがちです。
できるだけ、激務な状況を改善する為には、一人で悩まずに職員や園長先生に相談したり、転職エージェントを活用するなど周囲の人達に頼る事が大切です。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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