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2024.06.29

2024.07.26

保育士は割に合わないと思われがち?原因やそれでも続ける人が多い理由

保育士は子どもの命を預かる責任が重い仕事の割に、低賃金問題や長時間労働問題などでネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。

ネガティブなイメージに感化されて、保育士を目指す人のなかには割に合わない仕事なのではと、思う人もいるのではないでしょうか。

世間的に保育士の仕事は、子どもを持つ家庭が経験する育児と同じような感覚を持たれがちです。

国家資格が必要な専門職であるにもかかわらず、子育てを経験する人達と同じだと思われていることも、保育士は割に合わないと言われる要因になっています。

今回は、保育士は割に合わないと思われがちなのかや、その原因とそれでも続ける人が多い理由などについてお伝えしていきます。

保育士は割に合わないと思われがち?

保育士のメイン業務は、子どもの生活サポートなのは間違いありません。

ただし、今の保育士は他にもやるべき仕事が多岐にわたるのですが、あまり世間には認識されていません。

例えば、デスクワーク、保育日誌や保育だよりの作成、行事イベントの企画・運営、保護者対応、持ち帰り仕事などです。

子ども達以外にも、職員や保護者、地域住民など多くの方達とコミュニケーションが求められます。

実際に働いてみるまで、業務が多岐にわたることに気付かない保育士もいるでしょう。

保育士の仕事は多岐にわたることを知って、とてもやり甲斐がある仕事だと思う人もいれば、せっかく国家資格を取得しても逆に割に合わないと思う人もいます。

保育士が割に合わないと思われる原因

保育士が割に合わないと思われる原因をお伝えしていきます。

低賃金

保育士は保育士資格という合格率20%台の国家資格が必要になります。

国家資格が必要な専門職のなかでは低賃金な方です。

仕事ですから対価として、働きに見合った給料を貰いたいと思うのは誰しも同じでしょう。

保育士のなかには、せっかく頑張って国家資格を取得して保育現場で働いているけれど、給料が低いことに割に合わないと感じている人もいます。

長時間労働

基本的に保育士の勤務時間は、早番・普通番・遅番という風にシフトを組まれています。

保育園や保育施設によって、シフト制を採用しているのかしていないのかは異なってきますが、労働時間は1日8時間位内とされています。

しかし、お伝えしたように保育士の仕事は多岐にわたるので、時間内に終わらなかった作業は残業したり、持ち帰ったりする職場も少なくありません。

共働き家庭も増えてきていて、子どもを預かる時間を長くしている職場もあり、長時間労働になってしまう保育士も多いため、割に合わないと感じる原因の1つになっています。

持ち帰り仕事が多い

保育士の仕事は多岐にわたり、いくつもの作業を並行して行わなければいけない時もあります。

マルチタスク能力が求められるので大変です。

定時までに仕事が終わらなければ持ち帰って、作業をしている保育士も少なくありません。

残業になると残業手当が普通なら出るのですが、職場のなかにはサービス残業が慢性化していて、給料が支払われないなかで持ち帰り仕事を行っている保育士もいます。

残業手当が出ても出なくても、持ち帰り仕事はプライベートの時間を削って行う必要があるため、割に合わないと感じる保育士もいます。

事務作業が多い

デスクワークが多いというのも保育士の負担になっています。

正社員の保育士は保育業務の年間計画を立てたり、運営にも携わるケースがあったり保育日誌や保育だよりの作成、行事イベントの企画・運営など、事務作業が多くなりがちです。

子ども達の保育時間が終了してから、事務作業の対応をする職場もあります。

事務作業が多いことで、保育士は負担になって割に合わないと感じる人もいます。

保育士は割に合わないと思われるのは人材不足も関係ある?

保育士の人材不足は、社会問題としても認識されています。

特に都市部では人材不足が、深刻になっているところも少なくありません。

多くの保育士が低賃金や長時間労働、職場のストレスなどの理由で、割に合わない仕事だと感じて退職しているのが現状です。

保育士不足になっているということは、求職者に対して求人が多くなり、保育士の需要が供給を上回っている状況です。

保育士資格を持ちながら保育士として働かない、潜在保育士の人々の存在も人材不足の一因とされています。

保育士は割に合わないと思われるけれど続ける人が多い理由

保育士の仕事は園児達や子どもを預けるママやパパ達を、支える重要な役割を果たしています。

保育士は割に合わないと思われるけれど、続ける人が多い理由は下記のことが挙げられます。

・保護者が安心して働ける環境を提供してあげたい
・保育士の将来性に期待している
・子ども達の成長を見守ったり生活サポートをしたりなどにやり甲斐を感じている
・子ども達を支えているという社会貢献感を得られる

保育士を続ける人々が多いのには、仕事のやりがいや魅力が関係しています。

子ども達の成長を間近で見守りながら、発達を支援することに大きな喜びを感じられる職業だからと言えるでしょう。

保育士は割に合わないと思われても続ける人はやりがい搾取に注意

保育士という職業は子ども達の成長を支え、未来を形作るという大きな役割を担っています。

保育士が仕事に対して感じるやりがいは、子ども達の成長と発達を支える喜びとしてとても価値のあるものですが、過度な労働や低賃金という形で搾取されることは避けなければなりません。

保育士の場合、園児達への愛情や教育への情熱を利用されて、「やりがい搾取」されてしまう危険性があるのです。

割に合わないと思われても続ける人は、やりがい搾取に注意しなければいけません。

やりがい搾取とは、仕事のやりがいや使命感を理由に、労働者に対して低賃金や過酷な労働条件を強いることです。

具体的には、長時間労働、サービス残業、休憩が十分に取れない、給料が安いなどの問題が挙げられます。

利益の上限が決まっていること、代わりがいくらでもいるという状況が、問題をさらに深刻化させています。

過酷な労働環境は保育士自身の健康はもちろん、最終的には子ども達の成長にも悪影響を及ぼす可能性があります。

保育士は割に合わないと思われがちだがデジタル化の導入で改善していく可能性も

保育士としてのやりがいを正当に評価し、適切な労働環境を整えることは、社会全体で取り組むべき課題です。

デジタル化の導入で労働環境が改善していく可能性もあります。

例えば、ICTシステムの導入です。

保育士は割に合わないと思われがちですが、デジタル化に取り組みICTシステムを活用することで、保育現場の業務効率化や仕事量の削減に繋がります。

具体的には、登降園の管理や保護者との連絡、保育記録の管理などの日常業務が効率化されて、保育士が集中して保育業務に取り組めるようになります。

デジタル化の導入によって保育士の業務負担が軽減され、より質の高い保育に集中できる時間が増えることが、期待されているのですね。

保育士の仕事の質が向上して、園児達にとってもより良い環境が提供されることになります。

まとめ

保育士の仕事は誰でもできると思っていたり、ネガティブなイメージを持ったりしている人も少なくありません。

ネガティブなイメージを持たれるのは、労働環境の悪化や待遇面の魅力の低下、仕事内容が多岐にわたるなど色々な原因があります。

保育士を目指す人や働いている人のなかには、割に合わないと感じている人もいるのが現状です。

保育士の処遇改善に向けた取り組みを強化したり、より多くの人々が保育士の職業に魅力を感じたりできるようにして、長く続けられる環境を整える必要があります。

 


この記事の監修は

保育のせかい 代表 森 大輔

2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。

その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。

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