保育園は子ども達が集団生活をする場ですので、多くの家庭が近隣からお子様を通わせに来ています。
積極的に地域交流を行っている保育園は少なくありません。
近隣住民の方たちとの交流を深めることで、子ども達の安全を守る防犯の役目を担ってもらったり、触れ合いを通じて成長に必要な学びにつながったりします。
保育士として働くうえで、地域交流はどのような狙いがあるのか気になる人もいるのではないしょうか。
今回は、保育園が地域交流を行うねらいについてや、子どもや保護者への影響などについてお伝えしていきます。
Contents
保育園が地域交流を行うねらいとは?
保育園での地域交流には、さまざまな「ねらい」が存在します。
少子化や核家族化が進む中で、子ども達が家庭だけでは得られない多様な経験を積む機会として、地域とのつながりは欠かせません。
地域交流は子ども達以外にも、保護者や地域全体にとっても大きな意味を持つ取り組みです。
保育園での地域交流を通じて、子ども達にたくさんの人々との触れ合いをしてもらうのは、社会性を身につけさせることに繋がります。
高齢者施設への訪問では、お年寄りと接することで敬意と思いやりの心を養えたりもできるでしょう。
子ども達のなかには、家族におじいさんやおばあさんがいない、いても面と向かって会話をする機会がなかなかないという人もいます。
地域交流を通じてお年寄りと会話する機会もありますから、子ども達は思いやりの心を育むことにつながります。
保育園が地域交流の実施で子どもへの影響
保育園が子ども達のために、近隣住民の方達との地域交流を実施することによって様々な影響があります。
大人の方達が試行錯誤を重ねて、子ども達の将来の成長に役立つためのものなのでポジティブな影響です。
ただ自宅から保育園へ通うだけでは、子ども達の視野は広がりません。
地域交流を実施して、色々な経験をさせてあげることで子ども達の内面は大きく成長していきます。
保育園が地域交流の実施で子どもへの影響をお伝えしていきます。
子どもの社会性の向上
地域交流で子ども達に与える影響の一つが、社会性の向上です。
保育園の中だけでは、会うことのない多様な年齢層や職業の人々との関わりは、園児達のコミュニケーション能力を大きく伸ばす機会となります。
大人との接し方や礼儀作法を学ぶことができますし、社会性の向上は小学校以降の集団生活でも役立つでしょう。
子どもの協調性の向上
地域交流活動の多くは集団で行われるため、自分とは異なる世代の人々と協力することで、自然と協調性が育まれます。
年上の子が年下の子をサポートしたり、お互いの特性を活かして一つの目標に向かって力を合わせたりする経験の場となります。
子ども達は、お互いに助け合うことの大切さを学んで、集団生活で協力しながら様々な困難を乗り越えていくようになるでしょう。
子どもの自己肯定感の向上
地域交流に積極的に参加することで、子ども達は社会の役に立っているという感覚を得ることができます。
大人から、ありがとうと感謝される経験は、子ども達に強い自己肯定感を与えます。
成功体験は、その後の挑戦意欲にもつながり、自分ならできるという自信へと結びつくので成長していくにあたり大切なものです。
自己肯定感が高いと、落ち込んでしまっても自力でメンタルを回復させて、行動を起こすことができます。
子どもの思いやりの心を育む
地域の人々との交流は、他人への思いやりの心を育む貴重な機会となります。
普段の生活では接する機会の少ない、高齢者や障がいを持つ方々との交流で、子ども達は手助けしたり話を聞いたりする中で思いやりの心が芽生えます。
小さな動物との触れ合いなどでも、自分より弱い存在への優しさや責任感が養われるでしょう。
思いやりの心が育まれると、優しい大人へと成長していきやすくなります。
保育園が地域交流の実施で保護者への影響
保育園が実施する近隣住民との地域交流は、子ども達だけではなくママやパパにも大きな影響を与えます。
人生経験が豊富な大人同士で交流するわけですから、人それぞれ様々な価値観や考え方を持っています。
交流を深めることで、大人でも学びにつながる可能性は十分あると言えるでしょう。
年配の方達の多くが子育てを経験していますから、子どもを持つ保護者にとって頼りになる存在です。
保育園が地域交流の実施で保護者への影響をお伝えしていきます。
保護者の子育て不安の軽減
保育園が地域交流を行うことで、保護者は他の家庭の事情を見聞きできるので、親自身も新しい視点で子どもの成長を見守ることができます。
保護者同士が情報交換を行いながら悩みを共有しあうのは、子育て不安の軽減につながります。
孤独感を抱えがちなママやパパにとって心強い支援になるでしょう。
地域全体で子ども達を見守る環境づくり
地域交流は、子ども達だけではなく地域全体に温かい見守りの環境を提供します。
地域住民との触れ合いによって、周囲の人達は子どもの成長に関心を持つようになり、温かく見守っていこうという意識が芽生えやすくなるはずです。
保育の地域交流のねらいとして、子ども達を地域住民のみんなで育てていこうという、一体感や連帯感を持ってもらうのもあります。
保育園と保護者の相互理解の構築
地域交流には、保育園と保護者との間に相互理解を深める役割もあります。
例えば、運動会や発表会などに地域住民や親子が参加することで、保育園の日常活動や教育方針について知る機会が増えます。
保護者はこの園なら安心して任せられそうだ、という信頼感を抱きやすくなるでしょう。
一緒に活動することで、ママやパパは保育士とのコミュニケーションが円滑になり、お互いの価値観や教育方針についての理解も深まります。
保育園と保護者の信頼関係の強化
地域交流によって築かれる親と保育士との信頼関係は、子ども達が安心して保育園に通える環境構築に繋がります。
ママやパパが保育士と一緒になって、行事準備を行ったりイベントに参加したりすることで、共通の目標に向かって協力する姿勢が生まれます。
保護者は保育園の職員と協力することで、自宅での子どもの教育に活かせるような学びがあったり、家庭教育と連携した取り組みは、子どもの発達支援にもつながったりするでしょう。
まとめ
保育園における地域交流は、子ども達一人ひとりの成長に深く関わる重要な取り組みです。
園児達にとって貴重な学びと成長の場となります。
社会性や協調性だけではなく、自信や思いやりといった人格形成にも大きく影響を与えます。
核家族化が進む現代では、おじいさん、おばあさんなどとの日常的な交流が少なくなっている子ども達も少なくありません。
地域交流を実施することで高齢者との関わりも期待できます。
地域の多様な人々との関わりを通して、家庭や保育園という限られた環境では得られない経験を提供することが、保育園側が地域交流を行うねらいです。
地域交流は子ども達を中心とした取り組みですが、保護者や地域全体にも良い影響を与え、保育園と地域社会とのつながりが深まることが期待できるでしょう。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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