
毎日の長時間労働や不規則なシフトに疲れ、保育士の仕事は好きだけど、今の働き方をずっと続けるのは難しいと悩んでいませんか?
保育業界は慢性的な人手不足や行事準備などの負担から、勤務時間が長くなりやすい傾向にあります。
しかし、すべての職場が過重労働を強いているわけではなく、自分に合った環境を選ぶことで、無理なく働き続けることは十分に可能です。
本記事では、保育士の勤務時間の実態やホワイトな職場の見極め方を解説します。
ぜひ理想の働き方を実現する参考にしてください。
Contents
保育士の「常勤」と「短時間勤務」の定義
保育士の働き方には、フルタイムで働く常勤と、時間を限定して働く短時間勤務の2種類があります。
ライフスタイルやキャリアプランに合わせて適切な働き方を選択するためには、以下を正しく理解しておくことが肝心です。
- 厚生労働省が定める「常勤保育士」の基準
- 待機児童解消のための特例措置
- 短時間勤務保育士を配置する際の条件
それぞれ見ていきましょう。
参考資料:厚生労働省「保育士になるには」
参考資料:こども家庭庁「保育所等における常勤保育士及び短時間保育士の定義について(通知)」
厚生労働省が定める「常勤保育士」の基準(月120時間以上など)
常勤保育士とは、原則としてその保育園で定められた所定労働時間に、フルタイムで勤務する職員のことを指します。
認可保育園における常勤の定義は、原則として「園の就業規則で定められた常勤職員の勤務時間(月120時間以上)」に達していることが基準です。
これに準ずる働き方として「1日6時間以上かつ月20日以上」勤務する場合も、常勤とみなされるケースがあります。
この基準を満たすことで、園側は配置基準上の常勤職員としてカウントできます。
待機児童解消のための特例措置(短時間勤務保育士の活用)
待機児童問題の解消に向けた取り組みとして、厚生労働省は保育士の配置基準に関する特例措置を導入しています。
本来であれば常勤保育士を配置すべき枠に、短時間勤務の保育士を組み合わせて配置することが認められました。
具体的には、待機児童が発生しているなどの要件を満たす場合に限り「常勤保育士1名の枠に対して、短時間勤務の保育士2名を充てること」が認められる仕組みです。
これにより、フルタイム職員の確保が難しい場合でも、短時間勤務の職員を組み合わせることで配置基準を満たせます。
短時間勤務保育士を配置する際の条件と注意点
特例措置を利用して短時間勤務の保育士を配置する場合でも、保育の質を維持するための一定の条件が設けられています。
たとえば、この特例を利用する場合でも、保育の質を担保するために「各クラス(グループ)に最低1名は常勤保育士を配置すること」が必須条件とされています。
短時間勤務であっても、子どもの安全を守るための責任や専門性が問われることに変わりはありません。
雇用契約を結ぶ際には、勤務時間だけでなく、担当する業務の範囲や責任の所在についても確認しておくことが大切です。
関連記事:保育の質とは?厚生労働省が示す3つの観点や目標設定について解説
保育士の働き方の基本となるシフト制と勤務形態
保育園は開所時間が長いため、1人の保育士が朝から晩まで通しで働くことは現実的ではありません。
そのため、多くの園では複数の職員が交代で勤務するシフト制を導入し、常に必要な人員を確保しています。
以下の実態を把握することで、自分に合った働き方を選びやすくなります。
- 早番や遅番などシフトパターンの具体例
- 変形労働時間制や固定時間勤務の仕組み
- パートや非常勤における働き方の特徴
詳しく見ていきましょう。
早番や遅番などシフトパターンの具体例
一般的な保育園のシフトは、早番・中番・遅番の3パターンを基本として組まれています。 たとえば、早番は朝7時頃から出勤し、開園準備や園児の受け入れを行います。
登園時の視診や保護者からのヒアリングを行い、担任へ引き継ぐ重要な役割があり、午後の早い時間に退勤できるのが特徴です。
一方、遅番は午前中の遅い時間に出勤します。
通常保育後の延長保育(異年齢保育など)や、お迎えに来た保護者へその日の様子を伝える引き継ぎ業務、閉園作業などを担当します。
中番はこれらの中間の時間帯で働き、日中の主活動を中心に担当することが多いです。
変形労働時間制や固定時間勤務の仕組み
柔軟な働き方を実現するために、1ヶ月や1年単位で労働時間を調整する「変形労働時間制」を採用する園が増えています。
これは、行事の前後など忙しい時期の勤務時間を長くする代わりに、閑散期や行事代休などで勤務時間を短くし、平均して週40時間以内に収める仕組みです。
メリハリをつけて働ける一方で、日によって勤務時間が大きく変動するため注意が必要です。
対照的に、毎日決まった時間に勤務する「固定時間勤務」という働き方もあります。
パートや非常勤における働き方の特徴
パートや非常勤の保育士は、自身の希望に合わせて勤務日数や時間をある程度自由に選べるのが最大の魅力です。
「午前中だけ働きたい」「扶養内で週3日勤務したい」といった要望がとおりやすく、子育てや介護と仕事を両立させたい方に選ばれています。
担任業務を持たず、保育の補助的な役割を担うことが多いため、持ち帰り仕事や残業が少ないのも特徴の1つです。
ただし、時給制であることが多く、祝日が多い月などは収入が変動しやすい点には留意しておきましょう。
関連記事:保育士でパートなのにしんどい?正職員と変わらない責任と解決策【保育のせかい(公式)】
勤務時間に含まれない隠れた労働と残業の問題
保育士の労働時間を考えるうえで見落とせないのが、以下のような勤務時間外の作業です。
- 持ち帰り仕事になる制作物
- 休憩中に作業する連絡帳
- 行事前における準備の負担
それぞれ見ていきましょう。
持ち帰り仕事になる制作物
壁面装飾や誕生日カード、行事用の衣装といった制作物やピアノの練習は、保育活動中に時間が取れない代表的な業務です。
子どもたちの安全を見守りながらハサミやカッターを使う作業は難しく、どうしても子どもが降園したあとや休日に回さざるを得ません。
「勤務時間内には終わらない業務量の多さ」や「子どものためなら当然」という現場の意識から、サービス残業とする園も少なくありません。
自宅でのプライベートな時間が削られることで、心身の休まる暇がなくなり、仕事へのモチベーション低下につながるおそれがあります。
休憩中に作業する連絡帳
連絡帳の記入は、休憩時間を削って行われることが多い業務です。
保育中は子どもから目を離せないため、書類作業に充てる時間がありません。
そのため、昼休みに連絡帳を書く保育士が多くいます。
本来、休憩時間は労働から完全に解放される時間です。
しかし実態として、休憩室で連絡帳を書きながら食事を取る光景は珍しくありません。
こうした状況が常態化している園では、実質的な休憩時間が確保されていないといえます。
転職先を選ぶ際は、休憩時間の過ごし方についても確認しておきましょう。
行事前における準備の負担
運動会や発表会などの行事前は、残業が増える時期です。
衣装の製作やプログラムの作成、会場の装飾など、通常業務に加えて多くの作業が発生します。
行事の規模が大きい園ほど、準備にかかる時間も長くなりがちです。
変形労働時間制を採用している園では、行事前の長時間勤務を行事後の短縮勤務で相殺する仕組みを取っています。
しかし実際には相殺しきれず、サービス残業になるケースもあります。
行事の回数や規模は園によって大きく異なるため、年間行事予定を確認することが賢明です。
無理なく働くための多様な勤務形態
ライフステージの変化や個人の事情に合わせて、働き方を選べる環境が整いつつあります。
かつてはフルタイムの正社員が当たり前とされていましたが、現在では以下のような雇用形態の選択肢が広がり、自分らしくキャリアを継続することが可能です。
- 子育てと両立しやすい短時間正社員
- 時間固定で働けるパートやアルバイト
- 残業が少ない傾向にある派遣保育士
それぞれのメリットを理解し、働き方の選択肢を広げてください。
子育てと両立しやすい短時間正社員
短時間正社員制度は、正社員としての身分を保ちながら、労働時間を短縮して働ける制度です。
たとえば「1日6時間勤務」や「週4日勤務」など、フルタイムよりも短い時間で勤務できます。
そのため「3歳未満の子どもを養育している」など、時間の制約がある方でもキャリアを中断せずに済みます。
賞与や社会保険などの福利厚生は、正社員と同様に適用されるケースが多く、パート勤務に比べて経済的な安定を得られるのが大きなメリットです。
ただし、給与は労働時間に応じて減額されることが一般的であるため、収入と労働時間のバランスをよく検討したうえで利用する必要があります。
時間固定で働けるパートやアルバイト
パートやアルバイトの利点は、勤務時間や曜日を固定できることです。
「早番のみ」「土日は休み」といった条件で契約を結べるため、プライベートの予定が立てやすく、ワークライフバランスを重視したい方に適しています。
未経験やブランクがある場合でも、補助的な業務から開始するため、心理的なハードルを下げて現場復帰できる点も魅力です。
ただし、園によっては繁忙期に残業をお願いされたり、急な欠勤が出た際にシフト変更を打診されたりすることも。
そのため、面接時に希望条件を明確に伝えておくことが肝心です。
残業が少ない傾向にある派遣保育士
派遣保育士は、人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の保育園で勤務する働き方です。
派遣会社が間に入ることで、契約内容に基づいた勤務が徹底されるため、サービス残業や持ち帰り仕事が発生しにくい傾向にあります。
万が一、契約外の業務を頼まれた場合でも、派遣会社の担当者に相談して調整してもらえるため、安心して働けます。
ボーナスがない代わりに時給が高めに設定されていることが多く、効率よく収入を得たい方にも人気です。
一定期間ごとに契約更新があるため、さまざまな園を経験しながら自分に合った職場を探したいという方にも向いています。
勤務時間が適正なホワイト保育園の見分け方
働きやすい保育園を見つけるには、求人情報だけでなく複数の視点から判断することが肝心です。
勤務時間が適正に管理されている園には共通点がありますので、以下を押さえましょう。
- 年間休日数と有給取得率を確認する
- ICT導入状況や業務効率化をチェックする
- 園見学で職員の休憩室や表情を見る
- 変形労働時間制の運用実態を聞く
それぞれ見ていきましょう。
年間休日数と有給取得率を確認する
求人票を見る際は、まず年間休日数に注目しましょう。
一般的に、年間休日が120日以上あれば、土日祝日や年末年始などの休みが確保されている可能性が高いです。
有給休暇の取得率や、平均取得日数も重要です。
「有給取得率が高い」とアピールしている園は、職員が休みを取りやすい雰囲気や体制が整っていることの裏付けといえます。
面接の際に「皆さんは夏休みをどのように取られていますか」などと質問し、具体的な取得状況や連続休暇の可否を確認してみるのも有用です。
ICT導入状況や業務効率化をチェックする
保育業務支援システムなどのICTツールを導入している園は、業務効率化や職員の負担軽減に積極的であるといえます。
登降園管理や指導案作成、連絡帳記入などがデジタル化されていれば、手書きによる事務作業の時間が大幅に短縮され、残業の削減につながります。
また、子どもと関わらない事務時間を設けているかどうかも確認したいポイントです。
勤務時間内に事務作業を終わらせる仕組みがある園であれば、持ち帰り仕事やサービス残業が発生しにくく、メリハリをつけて働けるでしょう。
園見学で職員の休憩室や表情を見る
園見学は、職場の雰囲気を肌で感じる絶好の機会です。
すれ違う職員の表情が明るく、活気があるかどうかを観察してください。
疲れた表情や殺伐とした雰囲気を感じる場合は、過重労働が常態化している可能性があります。
可能であれば、休憩室の様子もさりげなくチェックしてみましょう。
整理整頓されており、リラックスできる環境が整っていれば、休憩時間を大切にしている証拠です。
反対に、休憩室が物置のようになっていたり、常に誰かが仕事をしているような状況であれば、休憩が十分に取れていない可能性が高いため注意が必要です。
変形労働時間制の運用実態を聞く
変形労働時間制を採用している園では、その運用実態を確認することが欠かせません。
制度上は繁忙期と閑散期で労働時間を調整できますが、実際に調整が行われているかは別問題です。
「行事後に代休は取れますか」「繁忙期の残業は月何時間くらいですか」と具体的に質問しましょう。
曖昧な回答や「状況による」といった答えには注意が必要です。
タイムカードや勤怠管理システムの有無も、労働時間が適正に管理されているかの判断材料になります。
まとめ:保育士の勤務時間を正しく理解して自分らしい働き方を探そう
保育士の勤務時間は園によって大きく異なりますが、自分に合った働き方を見つけることで、仕事とプライベートの両立は可能です。
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保育士有資格者のアドバイザーが多く在籍しており、現場のリアルな情報に基づいたサポートを行っているのが特徴です。
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この記事の監修者

森 大輔(Mori Daisuke)
保育のせかい 代表
《資格》
保育士、幼稚園教諭、訪問介護員
《経歴》
2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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2026.01.05
2026.02.06





















