結婚などで姓が変わり、保育士証の名前変更が必要になったものの、手続きが面倒で後回しにしていませんか?
とくに転職の場合、旧姓のままの保育士証では、採用面接で不利になる可能性があり、注意が必要です。
本記事では、保育士証の名前変更をしない場合のリスクや具体的な申請手順を解説します。
手続きに関する不安を解消し、自信を持って転職活動に臨むための参考にしてください。
Contents
保育士証は名前変更しないとどうなる?旧姓のまま働けるのか
結婚などで姓が変わった際、保育士証の名前変更は必ず行うべきなのでしょうか。
手続きをしないことで法的な罰則があるのか、また転職活動にどのような影響が出るのかは、多くの方が気になるところです。
ここでは、保育士証の名前変更をしない場合の注意点について、以下3つを解説します。
- 名前変更の義務や罰則はない
- 名前変更手続きには約2ヶ月かかる
- 採用が見送られるリスクがある
これらの点を理解し、計画的に手続きを進めることが重要です。
名前変更の義務や罰則はない
保育士証の名前変更手続きに、法的な期限や変更しなかったことに対する直接的な罰則はありません。
しかし、保育士は「名称独占資格」であり、保育士登録をしていない者が「保育士」と名乗ることは法律で禁じられています。
旧姓の保育士証では、現在の戸籍上と記載された氏名が異なるため、正規の登録者であることを公的に証明する際、確認が難しくなるリスクがあります。
しかし、日本国籍の方の場合、氏名変更手続き(書換え交付申請)を行う際、希望することにより、現在の氏名とともに旧姓を併記することが可能です。
これにより、資格の継続性を客観的に示せます。
法的な罰則はありませんが、専門職としての信用を保つためにも、姓が変わった際はできるだけ早めに変更手続きをされることをおすすめします。
名前変更手続きには約2ヶ月かかる
保育士証の名前変更手続きは、申請書類を提出してから新しい保育士証が手元に届くまで、約2ヶ月の期間を要するのが一般的です。
この期間は、提出された書類に不備がなく、スムーズに審査が進んだ場合の目安です。
もし書類に記入漏れや不足があった場合は、確認や再提出のためにさらに時間がかかってしまいます。
転職活動を始める直前になって慌てて申請しても、面接や入職手続きに間に合わない可能性があります。
新しい職場へスムーズに入職するためにも、この2ヶ月という期間を念頭に置き、転職を考え始めたら早い段階で手続きを開始することが賢明です。
採用が見送られるリスクがある
転職の面接時、保育士証は正規の有資格者であることを証明する公的書類です。
しかし、保育士証の氏名と履歴書や身分証明書の氏名が異なっていると、採用担当者は本人確認を正確に行えません。
採用側にとって、資格の真偽を確認できない応募者を採用することは大きなリスクです。
結果として、手続きを行っていないと見なされた場合、プロ意識に対して疑問を持たれたり、場合によっては採用が見送られることもあります。
子どもの安全と成長を支える保育の仕事では、信頼性が何よりも重視されます。
公的書類の不備は自身の信用を損なう要因となるため、必ず事前に手続きをすませておきましょう。
保育士証の名前変更のやり方
保育士証の名前変更手続き(書換え交付申請)は、氏名が変わった場合に行います。
この申請を行うことにより、日本国籍の方は希望に応じて旧姓を、外国籍の方は通称名を、現在の氏名とともに保育士証に併記することが可能です。
手続きはすべて郵送で行う必要があり、オンライン申請には対応していません。
また、手続きは登録事務処理センターが全国一括で管理しており、都道府県による違いはありません。
以下5つの手順に従って、手続きを進めていきます。
- 登録変更等の手引きを取り寄せる
- 手数料1600円を払い込む
- 必要書類を確認して記入する
- 申請書類を簡易書留で提出する
- 新しい保育士証を受け取る
詳しく見ていきましょう。
登録変更等の手引きを取り寄せる
まず初めに、申請に必要な書類一式がセットになった「登録変更等の手引き(保育士証書換え交付申請用)」を取り寄せます。
この手引きは、登録事務処理センターへ郵送でのみ請求可能です。
準備するものは、送信用と返信用の封筒、そしてそれぞれに貼る切手です。
返信用封筒は、A4用紙が折らずに入る角形2号サイズが指定されています。
両方の封筒の表面には、赤字で「書換え手引き〇部」と請求部数を忘れずに記入してください。
準備が整ったら、切手を貼った返信用封筒を送信用封筒に入れ、郵便ポストまたは郵便局の窓口から郵送します。
手引きが届くまで、1週間から2週間ほどかかります。
手数料1600円を払い込む
「書換え手引き」が手元に届いたら、次に手数料の払い込みを行います。
名前変更(書換え交付)の手数料は、1人あたり1,600円です。
この手続きは、必ず手引きに同封されている専用の払込用紙を使用し、郵便局の窓口で行う必要があります。
ATMでの支払いは認められていないため注意してください。
払い込み後、郵便局から「振替払込受付証明書」と「振替払込請求書兼受領証」が返却されます。
このうち「振替払込受付証明書」は申請書に貼り付けて提出するため、紛失しないようにしましょう。
もう一方の「振替払込請求書兼受領証」は、新しい保育士証が届くまでご自身で大切に保管してください。
必要書類を確認して記入する
手数料の支払いが完了したら、申請に必要な書類を準備します。
おもな必要書類は「保育士証書換え交付申請書」、「振替払込受付証明書」、現在お持ちの「保育士証(原本)」、「戸籍抄本」の4つです。
とくに注意が必要なのが戸籍抄本です。
発行日から6ヶ月以内の原本であること、そして保育士証に記載の氏名から現在の氏名への変更経緯が確認できることが条件となります。
もし1通の戸籍抄本で変更経緯が確認できない場合は、改製原戸籍など追加の書類が必要になることも。
書類に不備があると手続きが大幅に遅れる原因となるため、提出前に確認しましょう。
必要書類を確認して記入する
すべての必要書類がそろったら、登録事務処理センターへ郵送します。
この際、郵送方法には厳格な指定があり、必ず郵便局の窓口から「簡易書留」で発送しなければなりません。
ポストへの投函は認められていないため注意が必要です。
簡易書留は、郵便物の引き受けと配達が記録され、万が一の際には損害賠償も受けられるサービスです。
保育士証の原本といった重要書類を送付するため、この方法が指定されています。
簡易書留で郵送すると、窓口で「書留郵便物受領書」が渡されます。
これは申請書類をたしかに送付した証明となり、後日の問い合わせにも必要となるため、新しい保育士証が届くまで大切に保管してください。
新しい保育士証を受け取る
申請書類を郵送後、書類に不備がなければ、約2ヶ月で新しい保育士証が簡易書留で自宅に届きます。
この2ヶ月間は、保育士証の原本が手元にない状態になります。
転職活動などで保育士証の提示を求められる場合に備え、申請書類に原本を同封する前に、複数枚コピーを取っておくのがおすすめです。
もし申請から3ヶ月以上経過しても保育士証が届かず、センターからの不備連絡もない場合は、一度電話で問い合わせてみましょう。
その際には、手元に保管しておいた「書留郵便物受領書」と「振替払込請求書兼受領証」を準備しておくと、照会がスムーズに進みます。
まとめ:保育士証の名前変更は転職活動を始める前にすませましょう
保育士証の名前変更手続きを終え、本格的に転職活動を始める準備が整った方は、ぜひ「保育のせかい」をご活用ください。
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この記事の監修者

森 大輔(Mori Daisuke)
保育のせかい 代表
《資格》
保育士、幼稚園教諭、訪問介護員
《経歴》
2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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