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2024.12.26

2024.12.26

保育士の検便は義務?何を調べるのかや事務員は対象外?

保育士が日々の業務を通じて、子ども達の健康と安全を守るうえで、衛生管理は重要な課題です。

なかでも検便は、保育施設内での感染症や、食中毒の発生を未然に防ぐための重要な取り組みになります。

自治体や施設ごとのルールに基づき、定期的な検査が実施されています。

保育士自身が無症状であっても、病原菌を保有している可能性があるため、検査は子どもの健康を守るために必要だと言えるでしょう。

保育業界に興味がある人や、保育士のなかには、検便は義務なのか気になる人もいるのではないでしょうか。

今回は、保育士の検便は義務なのかや、何を調べるのかと事務員は対象外なのかなどについてお伝えしていきます。

保育士の検便は義務?

保育士の検便は、法律で全国一律に義務化されているわけではありませんが、自治体の条例や保育園の内部規定によって、実施が求められる場合があります。

保育士が調理業務やミルクの調乳など、子ども達の口に入るものを扱う場合には、食中毒や感染症を未然に防ぐために定期的な検便が求められることがあります。

乳幼児は免疫力が低く、感染症にかかりやすい傾向があるため、保育士が健康状態を常に把握し、安全な環境の提供が求められるのです。

衛生管理マニュアルや食品衛生法などの指針に基づいており、園児の健康と安全を守るための重要な措置になるのです。

検便を行うと感染症の早期発見と予防が可能となり、集団生活を送る子ども達にとって、安心できる環境の実現に繋がります。

保育士だけではなく、調理員なども対象となる場合があります。

保育士の検便は何を調べるの?

保育士の検便では、主に食中毒や感染症を引き起こす細菌やウイルスを調べます。

例えば、O-157(腸管出血性大腸菌)や赤痢菌、サルモネラ属菌、ノロウイルスなどです。

病原体は症状が出ていない健康保菌者からも、排出される可能性があります。

自覚症状がない場合でも、定期的な検査を通じてリスクを把握して、感染拡大を未然に防ぐことが重要です。

特にノロウイルスは非常に感染力が強く、少量でも集団感染を引き起こす可能性があるため注意しなければいけません。

一部の自治体や施設では、さらに詳細な検査項目を設けている場合もあります。

地域で流行している特定の病原体や、過去に発生した事例などが影響しており、それぞれの施設ごとのリスク管理方針によって異なる場合があります。

病原菌は特に乳幼児にとって、重篤な健康被害を引き起こす可能性があるため、早期発見と感染拡大防止が大切です。

保育士の検便は事務員は対象外?

基本的には、保育士の検便は直接子ども達と接する機会が多い、保育士や調理スタッフなどが対象となります。

事務員が検便の対象となるかどうかは、職務内容や園内での役割によって異なります。

一般的には、直接調理業務や配膳業務に関わらない事務職員は、検便対象外とされることが多いです。

しかし、緊急時に調理補助を行う可能性がある場合や、小規模な施設で全職員が何らかの形で、子ども達と接する機会がある場合には、事務員も検便対象となるケースもあります。

一部の自治体や施設では、全職員一律で実施という方針を採用しているところもあるでしょう。

誰もが例外なく安全管理を徹底するという、考え方から来ています。

事務員であっても施設ごとの規定や、役割によって対応が異なるため注意が必要です。

自分自身が対象となるかどうかについては、勤務先で明確な確認を取ることが必要です。

保育士の検便の実施方法

保育士の検便は専用の採便キットを使用して行われます。

多くの場合、保育園では毎月または数ヶ月ごとに、決まった時期にキットが配布されます。

キットには採取用スティックや容器などが含まれており、自宅で簡単に採取可能です。

具体的な手順としては、自宅で排泄物から必要量を採取して、それを密閉容器に入れて提出します。

採取時には手指をキレイにしていたり、容器の取り扱いなど衛生面にも十分注意したりしなければいけません。

提出期限までにサンプルを提出しないと、業務上支障が出る可能性もあるため、期限内に確実に対応することが求められます。

サンプルは専門機関へ送付され、検査結果は後日届く仕組みです。

ノロウイルスなど感染症リスクが高まる冬季には、追加で実施されることもあります。

異常があった場合には適切な対応が求められます。

保育士の検便は忘れた場合はどうなる?

検便を忘れた場合、職員は一時的に調理業務やミルク調乳などの、業務から外される可能性があります。

万一の場合でも園児への感染リスクを防ぐためです。

忘れてしまった際にはすぐ上司や担当者へ報告し、新しい採便キットを手配してもらうなど迅速な対応が求められます。

ミスを防ぐためにも、自分自身でスケジュール管理を徹底することや、リマインダー機能などを活用することがおすすめです。

監査時には検便結果の提出が求められるため、不備があると厳しい指摘を受ける可能性があります。

検便を忘れた場合、速やかに施設の担当者に報告して、再度検便を行う必要があります。

検便を怠ると感染症のリスクが高まり、子ども達の健康に影響を及ぼす可能性があるため、施設としても迅速な対応と再提出依頼が不可欠です。

再提出後は速やかに結果確認を行い、安全性を確保した上で業務復帰となります。

保育士の検便の結果が陽性だったら

保育士の検便の結果が陽性の場合は、下記の取り組みが必要です。

医療機関の受診

検便の結果が陽性だった場合、速やかに医療機関を受診して、適切な治療を受けることが必要です。

医師から治療を受けた後、再度検便で陰性確認を行う必要があります。

病原体によっては、陽性の場合には感染症法に基づいて保健所への報告義務があります。

その際には、医師から詳細な説明と指示がありますので、従わなければいけません。

陽性者本人だけではなく、同じ環境で働く職員や園児への影響についても確認される場合があります。

職場復帰までの流れ

陽性となった職員は、治療後は陰性確認が取れるまで再度検査を受ける必要があります。

治療が完了して、医師からの許可が出るまでは、職場復帰は控えなければいけません。

医療機関や施設指定の手順に従い、再度検便を実施して、陰性結果が確認された段階で職場復帰となります。

一部の場合では、複数回連続して陰性結果が必要とされるケースもあるでしょう。

復帰までの日数は病原体によって異なります。

職場での対策

陽性者が出た場合、職場全体で感染拡大防止策を徹底する必要があります。

例えば、手洗いや消毒の徹底、共有物の清掃など、感染予防のための対策を講じて、安心して働ける環境を整えます。

迅速な対応ができるように、マニュアルを整備しておくことも重要です。

感染拡大防止の対策によって、二次感染リスクを抑えつつ、安全な環境下で業務継続できるよう努めます。

まとめ

保育士の検便は、子どもたちの健康と安全を守るための重要な措置です。

定期的な検便を通じて、感染症の早期発見と予防に努めましょう。

検便の結果が陽性だった場合には、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが必要です。

職場での衛生管理を徹底して、感染症の拡大を防ぐための対策を講じることも大切です。

保育士として、子ども達の健やかな成長をサポートするために、検便の重要性を理解して適切に対応しましょう。


この記事の監修は

森 大輔 

保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。

その他 学校法人の理事を兼任中。

>>プロフィールはこちら

 

 

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