世の中の子どもを持つママやパパは、誰しも我が子は健全にスクスクと成長して欲しいと思っているものです。
保育士は子育てを頑張っているママや、パパをサポートする存在でもありますから、育児に不安や悩みを抱えていたり、仕事と家庭とのワークライフバランスの調整に悩んだりしている保護者にとってとても心強いでしょう。
保育士は子どものサポートだけではなく、保護者支援も行っていくことで良好な親子関係の構築につながります。
保護者支援と似ている言葉として子育て支援があります。
保育士をしている人のなかには、保護者支援と子育て支援は違うのか気になる人もいるのではないしょうか。
今回は、保育における保護者支援と子育て支援は違うのかや、求められる役割と注意点などについてお伝えしていきます。
Contents
保育における保護者支援とは?
保育士にとって、保護者支援は子どもの成長を支える上で欠かせない役割です。
子ども達の成長を支えると同時に保護者への支援も行っていくことは、初めて子育てをする保護者や、仕事と家庭の両立に悩む方々にとって、保育士は頼りになる存在です。
適切な支援を行うためには、ただ話を聞くだけでは不十分で、専門知識やコミュニケーションスキルが求められます。
保護者が抱える育児の悩みや不安を軽減し、子どもとの良好な親子関係を築くためのサポートになりますから、保育士の専門知識と経験が活かされるでしょう。
保育士側も子どもを預けているママやパパ達から、気づきや学びが得られる可能性もあります。
家庭によっては、同じ年代の子どもを持つママ友が周りにいなくて、育児についての悩みや疑問を相談できなくて困っているところもあります。
相談できる人がいないと、大きなストレスを抱えたり心が苦しくなったりして精神的に参ってしまいかねません。
保育士が保護者支援を行うことによって、子育てについて気軽に相談できるような環境構築につながり、パパやママに安心感を与えます。
子育て支援との違い
保護者支援と子育て支援は似たような感じですが、対象範囲や具体的な内容が異なります。
保護者支援は主に保育園に、子どもを通わせているママやパパを対象としていて、個別の悩みに寄り添った対応を行うものです。
単なる子どものケアだけではなく、保護者が抱える育児の悩みや不安を軽減し、家庭と保育園が協力して子どもの成長を支えるための重要な取り組みです。
子育て支援は、地域全体の子育て家庭を対象としています。
地域の子育て広場や相談窓口の運営などで、地域社会全体で子どもを見守り育てる環境づくりを目指します。
保育における保護者支援に求められる役割
保育士が保護者支援を行うことで、パパやママ達は子どもにかかわる様々な悩みが改善、解決できるようになります。
そのためには、保育士は一人ひとりの保護者に丁寧に寄り添い、向き合わなければいけません。
各家庭で子どもに関する悩みや疑問は違いがあります。
家庭ごとにベストな回答ができるように、保育士側は努めることが大切です。
保育における保護者支援に求められる役割をお伝えしていきます。
育児ストレスの軽減
多くの保護者は仕事や家事と並行して育児を行っているため、大きなストレスを抱えがちです。
保育士はパパやママの育児ストレスを軽減するために、まずは話を聴く姿勢を大切にすると良いでしょう。
例えば、連絡帳や登降園時の会話で悩みを聞き出して、共感してあげることで、保護者が安心感を得られるよう努めます。
保護者が相談してきたら、頭ごなしに否定したり、命令口調で伝えたりするのは良くありません。
パパやママに寄り添いながら、一緒に育児ストレスの改善策や解決策を考えてあげることが大切です。
家庭環境の改善
家庭環境は子どもの成長に大きな影響を与えます。
保育士は家庭環境について理解を深めるために、積極的なコミュニケーションを図り、それぞれの家庭事情に応じた柔軟な対応が求められます。
具体的には、家庭内で守られているルールや価値観について聞き取りを行い、職場でも取り組んで、一貫性のある教育環境を提供するなどです。
親子関係の安定化
親子関係が安定すると、子どもの情緒面でも良い影響が期待できます。
保護者支援では、親子で楽しむ時間を提案することが大切ですので、休日の子どもとの過ごし方についてアドバイスしてあげたりすると良いでしょう。
日々の保育園での様子や、子どもの成長について積極的に共有することで、親としての自信と喜びを感じてもらえるようサポートしましょう。
子育て支援員に関する記事はこちら⇒子育て支援員の求人に未経験や無資格でも応募可能?職場見学・体験の重要性を解説
保育における保護者支援の注意点
保育における保護者支援の注意点をお伝えしていきます。
個人情報の取り扱いとプライバシー保護
保護者支援を行う際には、個人情報やプライバシーの取り扱いに細心の注意を払う必要があります。
保護者から相談を受ける際には、信頼関係が必要になるので相談内容や知り得た情報を他人に漏らすことは厳禁です。
面談や日々の会話で得た情報は、子どもや家庭環境に関するデリケートな内容が含まれることが多いはずです。
連絡帳や面談で得た情報は慎重に管理して、第三者への共有は避けましょう。
管理する際には施錠された場所に保管したり、不必要なコピーをしたりするのは控えるべきです。
子どもを預けるママやパパとの、信頼関係を損ねないためにも情報管理への意識は欠かせません。
感情的にならない伝え方をする
保護者とのコミュニケーションでは冷静さが求められます。
子どもの行動や成長について話す際に感情的な表現をすると、保護者がプレッシャーを感じてしまいます。
保護者とのコミュニケーションでは、命令口調ではなく、こうしてみてはどうでしょうといった言い方が大切です。
相手の気持ちに寄り添いながら、共感する姿勢を示すことで信頼関係を深めることができます。
自分自身が忙しい業務の中でストレスを感じている場合でも、感情を相手にぶつけることは避けましょう。
会話だけではなく連絡帳なども活用する
日々忙しいママやパパとのコミュニケーション手段として、連絡帳はとても役立ちます。
あるいは保護者のなかに、保育士と会話するのに苦手意識を持っている人もいるかもしれません。
連絡帳には子どもの体調や家庭での様子が記載されることが多く、保護者が抱える悩みや不安を把握できます。
ただし、連絡帳だけではニュアンスが伝わりづらい場合もあるため、お迎え時など直接会話できるタイミングも大切にしましょう。
小さな変化でも積極的に共有して、保護者と一緒に喜びや課題を共有することで信頼関係が強化につながります。
まとめ
保護者支援は単なるアドバイスではなく、子どもの健全な成長と親子関係の向上につながる重要な役割です。
子どもを保育園に預けるママやパパから、共感と信頼を得られなければ保護者支援を行っても、あまり良い結果に繋がらない可能性があります。
一人ひとりの保護者と向き合い、家庭ごとの悩みを解決できるように努めていきましょう。
地域全体への貢献として、子育て支援にも視野を広げることも重要です。
取り組みは結果として子どもの健やかな成長だけではなく、社会全体への貢献にもつながります。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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