保育士として働く中で、職場の人間関係に悩むことはありませんか?
保育士の職場でいじめが起こる理由はさまざまですが、その背景には複雑な要因があります。
この記事では、保育士が遭遇しやすいいじめの形態やその原因、いじめを受けた際の対処法を解説します。
職場でのストレスを軽減し、よりよい環境で働くための参考にしてください。
Contents
保育士が遭遇しやすい6つのいじめ
保育士同士の関係が悪化すると、自分のメンタルや仕事のパフォーマンスに影響を及ぼします。
以下に、保育士が遭遇しやすいいじめの具体的な例を6つあげます。
- 影で悪口をいわれる
- 複数人から無視される
- 面倒な仕事を押し付けられる
- 人前でわざと叱る
- 自分だけ知らないことが増える
- 私物を壊したり隠されたりする
影で悪口をいわれる
このようなことが起こると職場の雰囲気が悪化し、信頼関係が壊れてしまいます。
また、悪口をいわれることで自己評価が下がり、仕事への意欲が低下するかもしれません。
たとえば、心ない言葉をいわれる職場だと心に深い傷が残り、精神的な苦痛を感じるでしょう。
悪くいわれる状況が続くと職場での孤立感が増し、働きづらくなります。
複数人から無視される
複数人から無視されると、コミュニケーションが取れなくなり、業務をスムーズに進められません。
無視されることで孤独感や疎外感をもち、職場でのストレスも増えるでしょう。
これにより、仕事の効率が低下し、精神的な健康が損なわれるリスクが高まります。
一度、心を病んでしまうと完治するまでに時間を要するため、注意が必要です。
面倒な仕事を押し付けられる
面倒な仕事を押し付けられると業務の負担が増え、ストレスが蓄積されます。
また、適切に業務が振り分けられないとチームワークが崩れ、職場の雰囲気も悪化します。
本来、自分がやらなくてよい仕事に責任が生じるため、仕事の質が低下し全体の業務効率に悪影響となるでしょう。
このような環境では仕事のミスも増え、大きなミスにつながる危険性があります。
人前でわざと叱る
人前でわざと叱られると、尊厳を傷つけられたと感じます。
とくに、保護者や同僚の前で叱られると屈辱感を覚え、精神的なダメージが大きくなるでしょう。
このような状況が続くと自己評価が低くなり、職場での自信を失うことにつながります。
人前での叱責は職場での信頼関係を壊し、チームワークを阻害します。
プライドを傷つけられると人間関係を好転させるのも難しくなるでしょう。
自分だけ知らないことが増える
情報を意図的に共有されないことは、保育士の職場で起こりうるいじめの一種です。
大事な連絡や情報が伝えられないと業務の遂行に支障をきたし、孤立感が増すでしょう。
知らないことが増えることで職場での信頼関係が壊れ、チームの一体感が失われます。
また、これが原因で働きにくくなり重大なミスにつながることもあるため、常に最新情報にアンテナを貼ることが大切です。
私物を壊したり隠されたりする
私物を壊されたり隠されたりすると、精神的なストレスが増加し、日常業務に支障をきたします。
職場での安全性に疑問をもち、不安に感じるでしょう。
このような行為をされると、同僚から敵意を向けられているように思い、まともに働けなくなります。
いずれは物に対してだけでなく、自分への攻撃に変わる恐怖を感じるかもしれません。
保育士がいじめに合う5つの原因
保育士が職場でいじめに合う理由は、さまざまで複雑です。
以下に、保育士がいじめに合いやすい原因を5つあげました。
- 仕事がきつく同僚に人を思いやる余裕がない
- 妬まれるきっかけが生じた
- 仕事のミスが多い
- 意見をいいづらい
- 女性が多い職場である
それぞれ見ていきましょう。
仕事がきつく同僚に人を思いやる余裕がない
保育士の業務は忙しく、心に余裕がなくなることがあります。
長時間の労働や過密スケジュールが続くと、他人を思いやる気持ちが薄れ、周囲に対して厳しい態度をとることがあるでしょう。
とくに人手不足の保育園は一人ひとりに大きな負担がかかり、ストレスが蓄積されやすい環境です。
このような状況になると同僚への配慮が欠け、いじめが発生する原因となることがあります。
職場の雰囲気が悪化し、さらなるストレスを生む悪循環に陥りやすいです。
妬まれるきっかけが生じた
職場での評価や昇進などが原因で、妬みを買うことがあります。
たとえば、保育士のスキルや仕事ぶりが高く評価されると、周囲から嫉妬されることがあるでしょう。
この嫉妬がいじめに発展することがあります。
とくに女性が多い職場では、このような感情が強くなる傾向があります。
嫉妬を受けた保育士は精神的な負担を抱え、業務を継続できない可能性があるため常に謙虚でいることが大切です。
仕事のミスが多い
保育士の仕事は子どもたちの命を預かるため、責任重大です。
そのため、仕事でのミスは許されないとする厳しい雰囲気があることも。
ミスが繰り返されると周囲からの信頼を失い、いじめのターゲットになりやすいです。
指摘されることで自信を失い、さらにミスを重ねる悪循環に陥ることもあります。
職場でのミスの多さは業務効率を低下させ、ストレスを感じる要因にもなるでしょう。
いじめを防ぐためにも、ミスを減らす努力が必要です。
意見をいいづらい
保育士の職場では、さまざまな契約形態で勤務する方がいるため、意見をいうことが難しい場合があります。
とくに新人やパート職員は立場が弱く、意見を述べることをためらうでしょう。
自己主張できないことで、いじめの標的になりやすく周囲から軽んじられることもあります。
自分の意見をいえないと職場での孤立感が増し、精神的な苦痛を生む要因になります。
勇気をもって意見をいうことが、職場での人間関係を改善する一歩となるかもしれません。
女性が多い職場である
保育士の職場は女性が多く、特有の人間関係の問題が発生しやすい環境です。
女性が多い職場では、コミュニケーションの衝突や感情の対立が起こりやすく、いじめが発生することがあります。
厚生労働省の調査によると「職場の人間関係」を理由に退職している方が33.5%を占め、これは退職理由の1位です。
また、保育施設の女性の割合は95%を超えており、ほぼ女性だけの職場です。
これらの状況から、女性が多い職場は心理的ストレスが高まりやすい傾向があるでしょう。
職場の雰囲気を改善するためには、コミュニケーションの重要性を再認識する必要があります。
保育士がいじめを受けたときに対処すべき5つのポイント
いじめに直面したらどのように対処するかは、精神的な健康を保つために重要です。
以下5つの対処法は、つらい状況を乗り越えるための手助けとなるはずです。
- 信頼できる上司に相談する
- 意見をはっきり伝える
- 第三者機関に相談する
- 証拠を用意する
- 転職を検討する
これらの方法を検討し、自分に合った対策をとりましょう。
信頼できる上司に相談する
職場で影響力のある上司に相談できると問題が職場全体に認識され、解決の糸口が見つかるかもしれません。
とくにいじめが陰湿な場合、周囲には気づかれにくいため、上司に直接状況を説明することが大切です。
相談する際には、具体的な事例や状況をメモにまとめておくと、話が伝わりやすくなるでしょう。
上司のサポートを得ることで、職場環境の改善につながる可能性があります。
意見をはっきり伝える
嫌なことをされた場合、その場ではっきりと「それは嫌だ」と伝えることで、相手の行動を改めさせられるかもしれません。
自己主張が苦手な人でも勇気をもって自分の気持ちを伝えることが、いじめの抑止力となります。
毅然とした態度を示すことで、いじめる側に間違った行動であることを認識させましょう。
この行動は、職場での立場を守るきっかけとなります。
第三者機関に相談する
職場内で解決が難しい場合は、第三者機関に相談することも1つの方法です。
以下に、相談できる第三者機関の詳細をまとめました。
機関名 | 相談内容 | 連絡先 |
---|---|---|
総合労働相談コーナー | 労働条件、職場のトラブル全般 | 各都道府県労働局のウェブサイトで検索 |
法テラス(日本司法支援センター) | 法律相談、トラブル解決の支援 | 法テラス公式サイト |
みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル) | 人権に関する相談、職場のいじめ | 0570-003-110 |
労働組合 | 職場環境の改善、労働条件の交渉 | 各地域の労働組合のウェブサイトで検索 |
相談する際にはいじめの証拠を用意しておくと、より具体的な対応が期待できるでしょう。
自分だけで抱え込まず、専門家の意見を採り入れることで、新たな解決策が見つかるかもしれません。
証拠を用意する
いじめに対抗するためには、証拠を確実に集めることが重要です。
証拠があるといじめの事実を客観的に示せるため、問題解決に向けた強力な武器となります。
ボイスレコーダーでの録音や、いじめの状況を日記に記録することもおすすめです。
これらの証拠は、上司や第三者機関に相談する際に有効です。
証拠を集めることにより事実を明確にし、問題を解決するためのきっかけとなります。
冷静に状況を見極め、いじめを証明できるように準備を進めましょう。
転職を検討する
職場でのいじめが解決しない場合、転職を検討することも選択肢の1つです。
新しい環境で働くことで、精神的なストレスから解放される可能性があります。
転職は、よりよい職場環境を求めるための前向きな選択です。
保育士のスキルを活かせる職場は多く存在します。
新しい職場を探す際には職場の雰囲気や人間関係に注目し、安心して働ける環境を見つけましょう。
自分の健康と幸福を第一に考えてください。
まとめ:保育士でいじめに遭遇したら早めに対処しましょう
保育士のいじめの原因は忙しい職場環境や嫉妬、意見のいいにくさなど、複雑な要因が絡み合っています。
もし、今の職場でのいじめが解決しない場合は「保育のせかい」を活用して新しい職場を探しましょう。
「保育のせかい」は保育士による監修のもと、信頼性の高い求人情報を提供しています。
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安心して働ける環境を見つけ、よりよいキャリアを築くために「保育のせかい」をぜひご利用ください。
この記事の監修者

森 大輔(Mori Daisuke)
保育のせかい 代表
《資格》
保育士、幼稚園教諭、訪問介護員
《経歴》
2017年 保育のせかい 創業。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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