保育現場では女性が多く活躍しているので、なかなか1つの職場で長く働き続ける保育士は少ないです。
個人的な事情の他に、子どもを妊娠、出産や結婚などで寿退職する人もたくさんいるからです。
保育士が仕事を退職した場合、雇用保険に加入中で条件をクリアしていれば、失業保険の受給資格を得られることをご存知でしょうか。
人によっては、職場を辞めた時点で収入が途絶えて、生活に支障をきたす可能性もあるでしょう。
救済措置制度として失業保険が設けられています。
今回は、失業保険は保育士にも適用されるのかや、再就職手当の活用もおすすめなことなどについてお伝えしていきます。
Contents
失業保険は保育士にも適用される?
失業保険は保育士にも適用可能です。
ただし、雇用保険への加入が求められます。
社会人になったら、誰でも自動的に雇用保険が加入されるわけではありません。
職場によっては、雇用保険など社会保険への加入は、労働者側の意思に任せていたり、公的保険に無知な人は、知らないまま過ごしたりする人も一定数いるでしょう。
あえて、年収調整をして社会保険に加入しないように、気をつけている人も少なくありません。
職場を退職する時の辞め方によっても、失業手当の受給条件が変わってくるので注意が必要です。
職場を辞める際は、自己都合退職と会社都合退職による辞め方があります。
雇用保険に加入していて、必要な条件を満たしていれば、自己都合退職、会社都合退職の辞め方は関係ありません。
両方の辞め方のどちらを選んでも、基本手当の受給資格を得られます。
どちらかだけしか、失業保険が適用されないというわけではありません。
ただし、会社都合退職の方が失業手当を貰う条件が緩和されているので、ケースバイケースによりますが、自己都合退職が不利になってしまう状況もあります。
自己都合退職の場合、給付制限が設けられていますが、職場側の都合による退職では待機期間を過ぎれば、受給できるようになっています。
失業保険に関連する記事はこちら⇒失業したらもらえるお金は退職の仕方で違う?ハロワで貰える給付金を解説
失業保険を保育士が受給するための準備
失業保険は、雇用保険に加入していた保育士が離職後に受け取れる支援制度です。
受給するにはいくつかの条件を満たす必要があります。
前職で雇用保険に加入しており、離職前の2年間で被保険者期間が通算12か月以上あることが必須です。
雇用保険加入の有無は給与明細や雇用契約書で確認できます。
ハローワークで求職活動を行い、再就職への意思を示すことも求められます。
・雇用保険被保険者証
・離職票(1、2)
・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
・証明写真
・印鑑
・本人名義の通帳やキャッシュカード
上記の物を揃えたら、最寄りのハローワークで手続きを開始します。
離職票の発行は通常、退職後10日から2週間以内に行われますが、遅れる場合もあるため早めに確認しましょう。
失業保険を保育士が受給するまでの流れ
失業保険を保育士が受給するまでの流れをお伝えしていきます。
離職
離職後は求職者が失業状態であることが求められます。
失業状態とは、再就職する意思と能力がありながらも仕事に従事できない状況です。
病気や妊娠などで働けない場合は対象外となります。
退職したら前職の職場から雇用保険被保険者離職票を受け取ります。
雇用保険被保険者離職票は、失業手当申請に必須なので忘れずに取得してください。
前の勤務先から離職票を貰う
退職したら前職の職場から雇用保険被保険者離職票を受け取ります。
書類には退職理由や、雇用期間が記載されており失業手当の申請に使います。
雇用保険被保険者離職票は、失業手当申請に必須なので忘れずに取得してください。
離職票は退職後に勤務先から郵送される場合が多いですが、遅れる場合は前の職場へ連絡しましょう。
ハローワークで申請手続き
前の勤務先から離職票を受け取ったら、すぐにハローワークに行きましょう。
必要書類を揃えてハローワークで、求職申し込みと失業保険の申請を行います。
申請手続きには、離職票の他にも、身分証明書や印鑑などが必要ですので、事前に準備しておきましょう。
ハローワークで申請手続きを行うと、雇用保険受給資格者証と、失業認定申告書が交付されます。
待機期間後に雇用保険受給説明会に参加
申請後は7日間の待機期間があります。
待機期間中は失業手当は支給されません。
待機期間中には、雇用保険受給説明会に参加する必要があります。
失業保険の受給に関する重要な情報が提供されるので、雇用保険受給説明会に参加して、制度や求職活動について学びます。
ハローワークで求職活動
待機期間が終了したら、ハローワークで求職活動を行います。
失業手当を受け取るには、失業認定日までに少なくとも2回以上の求職活動実績が必要です。
活動内容はハローワークでの求人検索や面接などが対象です。
求職活動を行うことで、失業保険の受給資格を維持できます。
活動の実績を作り失業認定申告書に記入して、提出することで初回認定という流れになります。
失業保険を保育士が受給する際は待機期間や給付制限に注意
失業保険を受給する際には、待機期間や給付制限に注意が必要です。
待機期間中は、失業保険を受給することができません。
待機期間は全員一律7日間ですが、自己都合退職の場合にはさらに2~3ヶ月間の給付制限期間があります。
給付制限期間中は手当は支給されません。
会社都合退職の場合は給付制限がなく、待機期間終了後すぐに支給開始となります。
失業手当の総支給額は、基本手当日額☓所定給付日数で計算されます。
基本手当日額は直近6か月分の給与総額を180で割り、50~80%の割合で計算されますが、個々によって違いがあるので、ハローワークで確認しましょう。
待機期間中や給付制限期間中に、アルバイトなど収入が発生すると、支給対象外となる可能性がありますので注意してください。
失業保険を保育士が利用する際は再就職手当の活用もおすすめ
失業保険を保育士が利用する際は、再就職手当を利用することで経済的負担の軽減に繋がります。
再就職手当とは、失業手当の受給期間中に早期再就職した場合に支給される制度です。
支給額は残りの日数分の40~60%程度です。
再就職手当を受け取るためには、いくつかの条件がありますので、事前にハローワークで確認しておくと良いでしょう。
早期の再就職ほど有利な条件です。
正社員だけではなくパートやアルバイトにも適用されるため、新しい働き方を模索している場合にも活用できます。
新しい勤務先で1年以上働く見込みがあること、長期的に働く意思がないと駄目です。
まとめ
保育士が受け取る失業手当は、雇用保険へ加入した日数を満たしていれば、職場を辞めた時にハローワークで申請手続きを行うと、受給資格を得られます。
会社都合退職と自己都合退職のどちらであっても、基本手当を貰える仕組みです。
求職活動中は、単に失業保険だけを当てにするのではなく、職業訓練校や再就職手当などを活用することをおすすめします。
正社員だけではなく、非正規労働者にも適用される公的保険になります。
ワークライフバランスを考えながら職場選びを行い、長く勤めて給付額や給付日を、最大限度活用できるように目指してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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