保育士は昔から給料が安いと言われており、世間からもそう思われている現状があります。
国や自治体は保育士の待遇改善に向けて、処遇改善措置や働き方改革などを行っていて徐々にではありますが、改善が図られています。
処遇改善措置の1つが保育士のキャリアアップ研修です。
一般企業の従業員のように保育士のキャリアでは、課長職や部長職などの役職がありません。
職務分野別リーダー・専門リーダー・主任保育士・園長などの役職の仕組みになっています。
保育士のキャリアアップ研修を受講すると、上記の役職者の処遇改善が行われるので給料アップが期待できるのです。
今回は、保育士のキャリアアップ研修は落ちることもあるのかや、不合格理由と研修内容などについてお伝えしていきます。
Contents
保育士のキャリアアップ研修について
昔は、保育士は働き続けても昇進して、役職を与えられるということが期待できませんでした。
保育士の賃金がなかなか上がらないことを懸念して、国は処遇改善の取り組みの1つであるキャリアアップ研修を実施することで、職務内容に合った専門性を高める
現在では、保育士にも職務分野別リーダー・専門リーダー・主任保育士などの役職が設けられるようになり、キャリアアップ研修を受講すると、給料UPが見込めるようになりました。
キャリアアップ研修は試験ではないので、受講したら何点以上をとらないといけないというものではありません。
研修は8分野あり1分野に対して15時間以上の学びが必要となります。
キャリアアップ研修の受講後にレポートを提出することで、問題なければ修了証が交付されます。
保育士のキャリアアップ研修は義務?
保育士を長くやっていて昇進に興味があったり、賃金アップしたりしたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
キャリアアップ研修に参加することで、役職の役割をしっかりと理解でき、保育に関する専門性の向上に繋がります。
あまり向上心が無い人は、研修や勉強会に対して不満があったり気が進まなかったりするかもしれません。
保育士は子どもの命を預かる責任重大な仕事です。
しっかりと保育に関する知識やスキルを身につけて、専門性を高めていくことが求められるのでキャリアアップ研修は大切です。
キャリアアップ研修は、令和5年から保育士は受講することが義務となっています。
面倒くさいから受講したくないと思う人もいるかもしれませんが、研修内容を把握してレポートを提出するのは必須です。
保育士として長く勤めて昇進を目指しているなら、キャリアアップ研修は必要不可欠なものになるでしょう。
保育士のキャリアアップ研修は落ちることもある?
お伝えしてきましたように、保育士のキャリアアップ研修は試験ではありません。
受講者の全員が必ず修了証を貰えるのかと言いますと、場合によっては落ちることもあります。
試験ではないので簡単に修了証を、取得できるだろうと思う人もいるかもしれませんが、例えば、居眠り・遅刻・欠席・途中退場・レポートの未提出などで落ちてしまうこともあるのです。
何時間もキャリアアップ研修を受講するのは、辛い気持ちになる保育士もいるでしょう。
保育士のキャリアアップ研修を通して、保育の知識やスキルの向上や成長に繋がるので真面目に受講することが大切です。
保育士のキャリアアップ研修の不合格理由は?
保育士のキャリアアップ研修は、不合格になってしまう場合があるので注意が必要です。
不合格になってしまうケースは下記のような理由があります。
研修内容の理解不足
研修の内容を十分に理解していない場合、不合格になる可能性があります。
レポートの提出漏れ
キャリアアップ研修後に提出が求められるレポートを提出しなかった場合、評価の対象外となります。
出席率の不足
キャリアアップ研修に必要な出席率を満たしていない場合、修了要件を満たさないことになります。
受講態度
キャリアアップ研修中に居眠り・遅刻・欠席・途中退場などを行い極端に態度が悪かったり、積極的な参加が見られなかったりした場合も影響することがあります。
保育士のキャリアアップ研修内容について
保育士のキャリアアップ研修内容をお伝えしていきます。
8分野を学ぶ
保育士のキャリアアップ研修では、下記の8分野について学びます。
1. 乳児保育
2. 幼児教育
3. 障がい児保育
4. 食育・アレルギー対応
5. 保健衛生・安全対策
6. 保護者支援・子育て支援
7. マネジメント
8. 保育実践
上記の8分野を通じて保育士としての専門性を高め、より質の高い保育を提供するための知識と技術を身につけます。
様々な形式で学ぶ
保育士のキャリアアップ研修は、座学やグループワーク、ディスカッションなど様々な形式で学びます。
実際の保育現場で直面する様々な状況に対応できる知識と、スキルが身につくようにするためです。
キャリアアップ研修を受けることで、給料アップやキャリアパスの構築にも繋がるでしょう。
受講後にレポート提出
保育士のキャリアアップ研修の受講後は、学んだ内容を反映させたレポートの提出が求められます。
レポートは研修の受講条件として必ず提出しなければいけないものです。
もしレポートを提出しないと、キャリアアップ研修を終えた証明ができなくなり不参加扱いになるので注意しましょう。
保育士がキャリアアップ研修を受ける年数の目安は?
保育士のキャリアアップ研修は、保育士の専門性向上と処遇改善を目的とした重要な制度です。
キャリアアップ研修を通して保育士は、高い専門知識と技術を身につけて、質の高い保育業務を行うために設計されています。
研修を受けることで保育士は、新たな役職に就く機会を得られるだけでなく、給与の増加も期待できるでしょう。
保育士がキャリアアップ研修を受ける人の保育経験の年数の目安として、下記のように役職によって分かれてきます。
職務分野別リーダー=3年以上の経験
副主任保育士=7年以上の経験
専門リーダー=7年以上の経験
2023年からは、保育士のキャリアアップ研修の修了が必須化され、段階的に研修修了要件が適用されています。
保育士は計画的に研修を受けてキャリアアップを目指す必要があります。
研修はe-ラーニングでも受講可能です。
実施機関が近くにない場合でも安心して受講できます。
保育士のキャリアアップ研修は給与アップが期待できるだけではなく、保育に関する専門性の向上や転職、ブランクからの復帰時の強みになるので重要です。
保育士としての知識や技術を深める取り組みは、子ども達と今以上に上手に関われたり良い影響を与えたりすることが期待できるでしょう。
キャリアアップ研修を有効活用して、スキルアップとキャリア形成を目指しましょう。
まとめ
保育士は令和5年から、処遇改善措置の1つであるキャリアアップ研修に参加が必要になっています。
キャリアアップ研修を受講すると、賃金アップや保育の専門性の向上が期待できるでしょう。
不合格になってしまうケースもあるため、キャリアアップ研修を受講する人は上記でお伝えした不合格理由を参考にして、対象者にならないように気を付けてください。
オンラインによる研修も行っていますので、e-ラーニングの参加者は日程を間違えないようにしましょう。
オンラインでキャリアアップ研修を受講する人は、不合格にならないように画面の前にしっかりと座って真面目に取り組むことが大切です。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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