この記事の監修は
保育のせかい 監修 森 大輔(社会福祉法人理事長/認定こども園・認可保育所経営者)
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として社会福祉法人を設立、理事長に就任。その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
2023年の春に、内閣が「こども誰でも通園制度」の創設を発表したのは記憶に新しいところです。
過去の記事はこちら→2023.4.10「こども誰でも通園制度」で何が変わる?徹底解説します(保育のせかい)
大阪市がこども誰でも通園制度の試験的実施を発表
2024年4月30日の大阪市の発表によると、全ての子育て世代に対し、生後6か月から3歳未満のこどもについて、すべての世帯が仕事の有無などに関係なく、保育所や認定こども園などに通うことができる「こども誰でも通園制度」を今年7月から試験的に実施すると発表しました。
「こども誰でも通園制度」は、子育て家庭の多くが抱えている「孤立した育児」の中での不安や悩みの解消を目指して、保育所などの利用要件を緩和し、親が就労していなくても時間単位で子どもを預けられるようにする制度で、国は2026年度から全国すべての自治体での実施を目指しています。
大阪市は4月30日に、全国での本格的な実施に先駆けて今年7月から試験的に実施を始めると発表しました。
誰が使える?対象者は?
認可保育所や認定こども園などを利用していない、大阪市内に在住する生後6か月から3歳未満のこども
つまり働いていない親でも、子どもを保育園などに預けることができます。
こども1人あたり1か月に10時間まで利用できるということです。
料金は?
利用申請は、6月3日から受け付けが開始される予定です。定員を上回る場合は、各施設で抽選を行います。
大阪市の試行実施は、来年3月までを予定しています。
大阪市のスケジュールは下記の通りです。
・令和6年度 公立保育所及び民間保育所、認定こども園、小規模保育事業、幼稚園等で試行的事業を実施予定。
・令和7年度 子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業の一つとして制度化予定
・令和8年度 子ども・子育て支援法に基づく新たな給付制度として実施予定
【参考】(こども誰でも通園制度の試行的事業)※大阪市ホームページ
本制度の今後について考察
保育施設においては、従来より子どもを預かる制度として「一時預かり」があります。
「一時預かり事業実施施設」として、大阪市では50園以上が実施しています。
その内容は「保護者の傷病、介護、冠婚葬祭又は労働・職業訓練・就学あるいは育児負担の軽減などのため」とあります。
つまり「一時預かり」は、保護者支援のための制度ということがわかります。
それとは違い「こども誰でも通園制度」は、これまでの一時預かりとは制度の趣旨が違うことがみてとれます。
「こども誰でも通園制度」この制度自体は国の方針で、今後全国各地の自治体に広がっていきますが、受け入れる園児が増えることでそこで働く保育士の求人募集も活発化してくることが想定されます。
各園(認可保育所や認定こども園)の保育士の確保が課題となります。
これまでになかった求人や、保育士・幼稚園教諭の更なる優良求人が増えてくることも考えられます。
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