保育業界は様々な課題と向き合っている現状があります。
子どもを預けたいママやパパの数に比べて、保育士の数が足りていなかったり働き方の多様化などにより、保育士の需要と供給のバランスが十分に取れていない状況です。
延長保育や深夜保育に対応する保育園や保育施設もあるなど、保育の現状は多様化しています。
世間がイメージする保育士と実際に働いている人とでは、色々とギャップを感じることも多いはずです。
保育業界や保育士の課題は、何があるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
今回は、保育士を取り巻く現状と課題は解決に向かっているのかや、ICTシステムの導入が解決の糸口に繋がる可能性と、保育業界と仕事に分けて課題をお伝えしていきます。
Contents
保育士を取り巻く現状
今の日本では子どもの数がどんどん減っているにもかかわらず、保育士が足りないと言われています。
子育て世代では共働きの世帯が増えていますので、なかには子どもを預けてでも働きに出なければ、家庭が成り立たないママやパパも少なくありません。
待機児童が増えているのは、上記のような問題が関係しています。
一昔前のように子どもがいる家庭の女性は、専業主婦をしなければいけないという考え方は当たり前ではありません。
共働き世帯が増えていることで延長保育や深夜保育、休日出勤などに対応することが求められるなど、保育業務が多様化しており保育士を取り巻く現状も刻々と変わってきているのです。
保育士のスキル・知識や保育の質が低いから課題があるの?
保育士の多くは一生懸命に職場で保育業務を行っており、スキルや知識の習得に力を入れています。
保育士の課題として保育に関するスキルや知識のアップデートを行わず、現状維持のまま過ごしている人は将来的に職場の戦力にならなくなる恐れがあるので注意が必要です。
現状では、多くの保育士はスキルや知識が不足しているわけではないので、保育の質が低いとは言えません。
ただし、保育士が不足している保育園や保育施設では、保育士一人ひとりの仕事の負担が増大してしまうため、保育の質が低下しやすくなるでしょう。
保育の質が低下してしまうと、子ども達へ充実した保育を提供できなくなるので気を付けなければいけません。
保育士がいる保育業界の課題とは?
保育士がいる保育業界の課題は何があるのかお伝えしていきます。
待機児童問題
保育業界は子ども達の未来を担う重要な役割を担っていますが、多くの課題に直面しておりその1つが待機児童問題の深刻化です。
待機児童問題は保育園や保育施設で子ども達の受入人数が満員となっていて、保育を必要とする子ども達が入所できない問題です。
特に大都市で待機児童問題が起きやすくなっていて、解決のためには保育施設や保育園の増設が求められます。
保育士不足
保育士がいる保育業界の課題として保育士不足も叫ばれています。
保育業務の内容は子ども達の生活サポートがメインになりますが、それだけではありません。
デスクワークや行事イベントの企画運営、安全管理や保護者対応など多岐にわたります。
保育士は保育業務以外にも様々な業務を遂行するために、必要なスキルや知識を身につけていかなければいけません。
労働環境や待遇が悪化すると、保育士の離職率を高めてしまう原因になるのです。
潜在保育士の多さ
潜在保育士の多さも保育業界で大きな課題の1つになっています。
潜在保育士は保育士資格は持っているものの、保育現場で働いていない保育士のことです。
保育士の労働環境や待遇がより魅力的なものになっていけば、潜在保育士が職場に復帰する可能性があるでしょう。
潜在保育士が少なくなれば、保育園や保育施設での人材不足の解消に繋がる可能性があります。
保育士の仕事の課題とは?
保育士の仕事の課題は何があるのかお伝えしていきます。
子ども達への保育業務の内容
保育士は子ども達への保育業務だけではなく、デスクワークや行事イベントの企画運営、安全管理や保護者対応などマルチタスク能力が求められます。
子ども達への教育だけ注力していれば良いわけではありません。
保育業務の内容を充実させて、保育の質の向上を図ったり業務効率化したりなどが課題の解決に向けて必要になります。
自分の保育に関するスキルや知識
保育士養成校で学んだり、独学で身につけたりした保育に関する知識やスキルは保育現場ですぐに通用するものではありません。
時には臨機応変な対応をしたり、保育に関する知識やスキルを定期的にアップデートさせたりして、保育業務以外の仕事も含めて円滑に行う必要があります。
保育士は継続的な研修や学習が求められるので、現状維持のままでは仕事の壁を乗り越えるのが難しくなるでしょう。
保護者への対応
保育士は保護者とのコミュニケーションも重要な業務の一つです。
しかしながら、保育士の現状では保護者からの要望や相談に対して、時間や労力の確保が難しい職場も少なくありません。
保護者への十分な対応を行うために必要な、時間や労力の確保も保育士の課題の1つになっています。
保育士の課題は解決に向かっている?
上記でお伝えしたように、保育士や保育業界では様々な課題を抱えているのが理解できたのではないでしょうか。
様々な課題を解決あるいは改善するためには、労働環境や待遇を良くしたり研修制度を充実させたり、デジタル化に取り組んだりが必要です。
現状は少しずつではありますが、課題の解決や改善に向かっています。
保育士や職場だけではなく、社会全体で課題の解決や改善に取り組んでいく必要があるでしょう。
現在では、国や地方自治体も様々なサポートを実施しています。
保育業界や保育士が直面する課題は、見放されているわけではなく徐々にですが課題の解決や改善に向けて、社会全体で取り組もうという動きがあります。
保育士の課題はICTシステムの導入が解決の糸口に繋がる可能性も
保育園や保育施設のなかには、デジタル化を進める職場も増えています。
保育士一人ひとりがITリテラシーを高めて、IT製品やITツールを上手く活用できれば、労働負担の軽減に繋がる可能性があるでしょう。
例えば、保育園や保育施設によってはICTシステムを導入しているところもあります。
ICTシステムを活用すると、保育士の業務負担を軽減できるため保育の質を向上させることが期待されています。
将来的に保育現場でICTシステムの導入が進むことで、保育士の業務効率化が実現して、子ども達にとっても保護者にとってもより良い保育環境が提供しやすくなるはずです。
そのため、保育士の課題はICTシステムの導入が解決の糸口に繋がる可能性もあります。
まとめ
保育士や保育業界は、上記でお伝えしたように色々な課題を抱えています。
保育園や保育施設でデジタル化やICTシステムを導入しながら上手く活用して、業務効率化を図ったり労働環境や待遇を改善したりが課題の解決、改善に重要です。
国や地方自治体との連携や絆を深めて、保育士の働き方を見直したり働きやすさを追求したりしていくことも求められるでしょう。
共働き世帯も年々、増えてきているので保育園や保育施設で子ども達の受け入れ体制を整えることも重要です。
保育士や保育業界の課題は見過ごされたり、放置されたりしているわけではないので、保育士を目指す人は今後の課題の解決あるいは改善に期待しながらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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