保育士の職業は社会貢献度が高く、子ども好きだったり人の役に立ちたいと思ったりする、熱い気持ちを持った方に人気です。
保育士資格という国家資格が必要な専門職ですが、合格率20%台の難関資格になります。
世間のイメージは子どもと触れ合っているだけで、給料を貰っているという認識をされがちです。
保育士の給料は国家資格が必要な専門職と比べると、全然高額ではありません。
実際に働いている人のなかには、給料が安いと感じて不満をもっていたり耐えきれなくて退職したりする人もいるのが現状です。
今回は、2024年に保育士の給料は上がる可能性はあるのかや、待遇改善や給料UPの対策とやりがいの大切さなどについて解説していきます。
Contents
保育士の給料は上がる可能性はある?
日本では少子高齢社会になってきていますので、子どもの数が減っていることから、保育園や保育施設への入園者数も減少傾向です。
人口が少ない地域や離島などでは、保育園や保育施設の統廃合も進んでいます。
子どもの数や、保育士として働ける場所が減っているため、資金繰りに悩み存続が困難になっている職場がたくさんあります。
そのため、保育士の給料が安くなってしまう原因になっているのです。
2024年も保育士の給料は大幅に上がることはないですが、10年前からすると実は給与や年収は少しずつですが上昇傾向にあります。
国による処遇改善措置や働き方改革などの施策により、保育士の労働環境や待遇がちょっとずつ見直しされたり、改善されたりしているという理由があります。
保育士の給料は歩合制で上がる?
保育園の運営は経営者が行っていますが、基本的には認可外保育園を除く場合は保育士に支払う給料は、勝手に金額を大幅に増やしたりすることはできません。
なぜなら、国や自治体からの補助金が支給されていますし、公定価格によって賃金が決定しているからです。
地方自治体によっては、認可外保育園でも補助金が支給されるケースもあります。
公定価格とは国が定めた金額です。
保育や教育に必要な費用のことを指し、地方自治体ごとに違いがあります。
保育士の給料は、公定価格によって決まった金額のなかで保育園の運営が求められるため、経営者が独断で大幅に給料やボーナスをUPして支給などができないのです。
また、保育士は一般企業で働く営業マンのように、歩合制(インセンティブ報酬)で給料を増やしたりもできません。
保育士として働きながら給料を一時的に大幅UPさせたり、個々の仕事の成果によって、高待遇にしたりすることはできないので期待しないようにしましょう。
保育士の平均給料が一気に上がる見込みは薄い
保育士の給料は、経営者が独断で決めたり歩合制を採用したりはしていないこともあり、急に上がるのは考えづらいです。
唯一、大幅に収入を上げる方法としては、より待遇が良い保育園や保育施設に転職することです。
基本的には、働く職場で年齢を重ねていくことで、昇給して給料が少しずつ上がっていくケースが多いでしょう。
主体的に動いて転職するなどしなければ、保育士の平均給料が一気に上がる見込みは薄いです。
保育士の給料が上がるためには職場での待遇改善が必要
保育士の給料を大幅に引き上げたりは、国の補助金・公定価格によって経営者が勝手にできないように基本的にはなっています。
ただし、勤務先で一生懸命に働いている保育士の待遇を良くするために、昇給・昇進をさせることで給料を増やせるので、職場での待遇改善も重要です。
保育士の給料が一気に上がるのは、転職をしない限り難しいでしょう。
職場で働いている保育士の働き方を見直して、待遇改善をすることで給料が増やせる方法もあります。
保育士の給料が上がるための対策
保育士の給料が上がるための対策をお伝えしていきます。
キャリアアップ研修制度に参加する
今までの保育士の役職は、園長・主任・役職なしというパターンでした。
現在では、保育士等キャリアアップ研修が実施されており、新たに専門リーダー・副主任保育士・職務分野別リーダーという役職が作られています。
保育士の給料が上がるのは、じっと静観しているだけでは可能性が薄いです。
自ら積極的に行動することが大切ですので、キャリアアップ研修制度に参加してキャリアアップを目指すのも良いでしょう。
転職をする
保育士の雇用形態はフルタイム勤務する正社員だけとは限りません。
他にも契約社員・派遣社員・アルバイト・パートタイマーなど、非正規社員として多様な働き方が可能です。
転職をすることで今の職場よりも給料が上がる可能性もあるため、収入を増やすためにお世話になった職場を退職して、新たな新天地で活躍を目指すのもありです。
転職する際は正社員よりも、非正規社員の方が仕事の責任が軽くて、ワークライフバランスを調整しやすいので動きやすいでしょう。
昇進をする
保育士として、勤務先に長く勤めていると役職者に昇進できる可能性があります。
昇進に関してキャリアアップ研修制度に参加しながら、今の職場で勤続年数を積み重ねることが理想的ですが、無理でしたらコツコツと保育士のキャリアを重ねることで、昇進のチャンスに恵まれるかもしれません。
昇進すると役職手当がつくようになるため、保育士の給料が上がる仕組みになっています。
非正規社員は正社員を目指す
保育士は正社員の場合は、保育士資格が求められますが非正規社員では保育補助の仕事ができます。
保育現場で働くのは、国家資格を取得していない契約社員・派遣社員・アルバイト・パートタイマーなど、非正規社員でもOKです。
ただし、非正規社員の業務はあくまで保育補助になるので、保育士のサポートが主な仕事です。
そのため、時給1000円~1200円位が相場と言われており、どうしても正社員よりも給料は低くなってしまいます。
給料が上がる見込みはそのままでは難しいため、非正規社員は正社員を目指すことで賃金を上げられます。
資格を取得する
保育士になるためには、保育士資格という国家資格を取得する必要があります。
学校に通ったり、受験対策を頑張ったりして保育士資格を取得しているはずです。
保育士資格を持っていれば、保育士の仕事ができますが実は他にも保育現場で活かせる資格は色々あります。
例えば、食育スペシャリストの資格や、TOEICなどの資格を取得して他の保育士と差別化を図り、給料UPを狙ったりです。
保育士の給料が上がるのも重要だがやりがいも大切
生活するためにはお金は絶対に必要なものですから、給料が多ければ多いほど生活水準を高めやすいでしょう。
しかしながら、保育士の仕事は子どもや保護者とかかわります。
感情を持った人間相手の仕事になるので、相手の考えや気持ちをコミュニケーションを通して理解するとともに、適切なサポートをしなければいけません。
そうすることで、子ども達の笑顔を見れたり成長を実感したり、保護者から頼りにされたりするので、給料が上がるのも重要ですが、やりがいを見いだすのも大切です。
まとめ
保育士の給料は、2024年に大幅に上がる可能性はありませんが、昔から少しずつ上昇傾向です。
世間からは低賃金なイメージを持たれがちですが、一生懸命に働いている人のなかには、お金以外にもやりがいを重視している人もたくさんいます。
保育士の給料が大幅に上がる見込みは薄いですが、国や地方自治体による支援や補助金などで、待遇改善の実現に向けて取り組みが行われています。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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