保育園では、子ども達の生活サポートをクラス担任になっている保育士だけではなく、他の職員と協力し合いながら行うためチームワークが必要です。
協調性が必要な保育士の仕事は、人間関係が円滑でなければ回りません。
保育士を目指している人のなかには、保育園で働きたいけれどハラスメント行為に不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
どのようなハラスメントの種類があって、不快な気持ちを訴えられるのかを、人間関係の構築に苦手意識を持っている人ほど気になるはずです。
今回は、保育士が保育園でハラスメントを受けたら訴えられるのかや、ハラスメントの種類と相談先や対処法などについて解説していきます。
Contents
保育士が保育園でハラスメントを受けたら訴えられる?
保育士になって働く場合、職場選びは情報収集したりインターネットで、口コミや評判をリサーチすることで、ある程度の実態が把握できます。
人間関係は実際に働くまでは良し悪しが掴みにくいです。
保育士のなかには職場に苦手な人がいたり、ハラスメントに悩んでいるケースもあります。
ハラスメントは、嫌がらせやいじめのような行為になるので被害を受けた人は、精神的あるいは肉体的なダメージを受けることになります。
過度なハラスメントを受けた保育士は、これ以上の被害が及ばないように訴えることができたらと、考える人もいるのではないでしょうか。
人によって何がハラスメントになるのかの許容範囲が違います。
ハラスメント行為の明確な線引が難しいため、どのような被害なら訴えられるのか判断が難しいでしょう。
保育士が保育園で受ける恐れがあるハラスメントの種類
保育士が保育園で受ける恐れがあるハラスメントの種類を解説します。
パワーハラスメント
保育園に限らず多くの職場で、起こりがちなハラスメントが「パワーハラスメント」です。
パワーハラスメントは略してパワハラと呼ばれており、上下関係や権力を利用して暴言を吐いたり暴力をふるったりする行為です。
職場で役職者や経営陣など、立場が上の人間と関わる時に言動や態度は対等にできる人は少ないはずです。
仕事のコミュニケーションを図る時に、イエスマンになったりしている人や、本音を相手に伝えたりできない人は多いのではないでしょうか。
逆らうと評価や人間関係の悪化に繋がる恐れがあるため、パワーハラスメントを受けていて、訴えられると思っても我慢し続けている人もいます。
モラルハラスメント
相手に対して非常識な言動をしたり、態度にあらわしたりする行為を「モラルハラスメント」と言います。
モラルハラスメントは、略してモラハラとも呼ばれています。
モラルハラスメントは肉体的なダメージではなく、精神的な苦痛を与える嫌がらせです。
例えば、保育園に子どもを通わせている保護者が保育士に、理不尽な要望やクレームを何度も伝えたりするなどです。
直接、物理的な攻撃をするわけではないので、モラルハラスメントの被害に周囲が気づきにくい嫌がらせと言えます。
セクシュアルハラスメント
労働者の意に反する性的な言動で、不快な思いをさせる行為が「セクシャルハラスメント」です。
セクシャルハラスメントは、通称セクハラと呼ばれています。
卑猥な言葉を相手に伝えたり身体を触ったりするなどがあります。
主に男性から女性に対して、セクシャルハラスメント行為が多い傾向がありますが、逆のケースや同性同士も該当するので男女で区別されているわけではありません。
そもそも、男性と女性は身体的な構造や考え方が違います。
例えば、男性側が悪気なく女性の頭を軽くタッチしただけでも、女性側は不快感を感じる場合があります。
男性から頭を触られたことに対して、女性が不快感を感じて嫌な気持ちを表現すると、セクシャルハラスメント行為にあたる恐れがあるのです。
マタニティハラスメント
女性は子どもを妊娠や出産、育児のために、職場で育休・産休を申請することがあります。
例えば、子どもを妊娠したので長期休暇を取得したいと職場に申請したら、上司や職員から嫌がらせ行為を受けた場合は「マタニティハラスメント」の被害に該当します。
マタニティハラスメントは、略してマタハラとも呼ばれており、女性が子どもを妊娠や出産、育児などに関わる時に、相手から不快な思いをさせられる行為です。
保育士が保育園で受けた被害を訴えられるか考える前にまず相談しよう
上記でお伝えしたハラスメント行為に該当するのかは、人によって感じ方が違いますし、客観的な判断がしにくいので非常に難しい問題です。
保育園で保育士がハラスメントの被害に遭ったら、訴えられるか考える前にまず相談することをおすすめします。
訴えるべき問題かもしれませんが、多くのお金と時間が必要になる可能性があるため、保育士の仕事をしながら向き合っていくのは大変です。
ただし、自分が我慢さえすれば時間が解決するだろうとか、自分が悪いのだろうとか考えるのは止めましょう。
自分の中で抱え込んでしまうと、ストレスが溜まって体調不良の原因になってしまう恐れがあります。
もしかしたら、職場で自分以外にハラスメントの被害者がいるかもしれません。
他のハラスメントの被害者を出さないためにも、訴えられるか検討する前に信頼できる人に相談した方が良いでしょう。
ハラスメント行為を受けたら、我慢していても何も問題解決に繋がらない可能性が高いです。
何も行動しなければ加害者は調子に乗って、どんどん過激になっていくかもしれませんので、自分1人で抱え込まないようにしてください。
保育士のハラスメントに関連する記事はこちら⇒保育士の相談窓口はあるの?困った際の7つの問い合わせ先
保育士が保育園でハラスメントを受けた場合の対処法を解説
ハラスメントの被害を受けた保育士は、まずは周囲の信頼できる人に相談したうえで、次のような対処法を実践してみてください。
結局は加害者の気持ちが変わらなければ、ハラスメント行為が収まらない可能性があるので、自分の身は自分で守ることが大切です。
例えば、同僚の保育士から嫌がらせをされているのであれば、シフトが被らないように出勤の時間帯や日にちをズラしてもらうと良いかもしれません。
あるいは、今の保育園で将来的に何も改善できないと判断したら、他の職業に思いきって転職するなどです。
転職すると、また人間関係を1から構築していく必要があるので、大変さはありますが今の加害者とは関わらずに済みます。
ハラスメントの被害を受けたら、泣き寝入りはしないようにしましょう。
加害者のなかには、自分がハラスメント行為をしている自覚が無い人もいます。
ハラスメントをしている自覚が無い人に、いきなり注意しても逆上する恐れがあるので、まずは周囲の信頼できる人に相談に乗ってもらい一緒に解決策を考えることが大切です。
まとめ
保育園で保育士として働きたいけれど、ある日突然、職場でハラスメント行為の被害を受ける恐れがあるのではと不安になる人もいるのではないでしょうか。
保育士の仕事は協調性が求められ、人間関係が希薄では成り立ちません。
チームワークを必要とする職業ですから、良好な人間関係は大切です。
もし、ハラスメントの被害を受けてしまったら、訴えられるのか考える前に、信頼できる人に相談したり、上記でお伝えした対処法を実践したりしてみましょう。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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