子どもと触れ合う保育士は、抱っこやおんぶをしたり、時にはしゃがんで目線を合わせながら話をしたりなどを行うので、ひざに負担がかかってしまいます。
膝を酷使するのは一時的ではなく、毎日のことなので保育士という職業病の一種とも言えるかもしれません。
ひざを痛めるのは、加齢によるもので年配の保育士だけが痛めて、若い保育士は大丈夫なのではと思う人もいるのではないでしょうか。
保育士がひざを痛めてしまうのは、若い人関係無く誰でもがなる症状ですのでしっかりと対処法を把握しておくことが大切です。
今回は、保育士のひざが痛くなるのはなぜなのかや、その理由と痛みを軽減させるための改善案や、やってはいけないことなどについて解説していきます。
Contents
保育士でひざが痛くなる理由は?
保育士に限らず、ひざを痛める人はたくさんいます。
ひざは体重が大きくのしかかる関節なので、体型がふくよかな人は痩せている人よりも負担がかかってしまいます。
どの位、膝に負担がかかっているのかと言いますと、データでは歩いている時に体重の約3倍、階段の昇降で特に降りる時では約5倍の負荷がかかると出ているため決して軽いとは言えないでしょう。
また、半月板も酷使するので痛めてしまう恐れがあります。
保育士でひざが痛くなる理由として、標準体重より重くなればなるほど痛める確率が高くなったり、職業柄、膝の曲げ伸ばしをする回数が多いので、酷使し過ぎて筋肉の炎症・靭帯損傷になったり軟骨がすり減って変形性膝関節症を発症する恐れがあります。
変形性膝関節症を発症するとやっかいで、治療を放ったらかしにすると半月板を痛めひざの変形が進行して、最悪の場合は歩行が難しくなってしまいかねませんので注意が必要です。
軟骨の役割は、歩いたり運動をしたりなどひざを使う時に衝撃を柔らかくするクッションになります。
毎日のように、膝を酷使し続けると軟骨がどんどんすり減ってしまい股関節を痛めてしまう原因になるのです。
そして、筋肉の炎症が起きるのはひざの使いすぎによるものや、膝関節の横にある側副靭帯、関節の中にある十字靭帯などを痛めてしまうと靭帯損傷になってしまいます。
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保育士でひざの痛みを軽減させるためには?
保育士の仕事をしていて、突然、ひざに痛みを覚えて動揺してしまう人は多いでしょう。
身体は仕事だけではなく、日常生活でも動かすのでずっと放置してしまうと後から、もっと痛みが酷くなったり怪我をする原因になったりします。
放置していたら、自然治癒力ですぐに完治するだろうと安易に考えるのは良くありません。
最悪の場合は、ひざの痛みが慢性化して取り返しがつかない状態に、なるかもしれないので注意が必要です。
なかなか、保育士の仕事をしているとセルフケアや身体を労る時間が取れない人も多いので、ひざが痛くなっても気にすることができなくて、放置気味になるかもしれませんがきちんと身体を守るべきです。
保育士でひざの痛みを軽減させる改善案は、以下のようなことがあります。
サポーターを使う
スポーツ選手、アスリート選手などが良くひじやひざなどの箇所を守るために、「サポーター」を装着していますが、保育士の仕事も同じ位、膝に負担がかかることも多いですから、サポーターを身につけることで痛みの軽減に繋がります。
さらに、サポーターを保育士が使うことで、ひざをついて業務を行った時に黒ずんでしまうのを防止できるので、怪我と黒ずみを防ぐ一石二鳥の効果を得られるのです。
サポーターを選定する際は、通気性や速乾性に優れている素材のものを購入すると良いでしょう。
そして、サポーターを装着する時は、洋服の内側につけるようにすると、見栄えを気にする必要が無く目立たないので安心です。
洋服の外側から装着してしまうと、園児達が興味を示したり心配したりするかもしれないので、サポーターをつけているのはバレないようにした方が仕事に支障がでにくいでしょう。
マッサージをする
仕事中や日常生活でひざを痛めたら、無理して身体を動かすのは禁物ですが、すぐに怪我や負傷しているとは限りませんので慌てずに対処しましょう。
これ以上、膝に痛みがでないようにマッサージやストレッチなどのセルフケアを行うのも効果的です。
セルフケアは、文字通り自力で身体のケアをすることですので、自分の手で太ももやふくらはぎなどの筋肉をマッサージしてほぐしてあげます。
太ももとふくらはぎの部位は、ひざの近くにある部位ですから血行不良になると真ん中にあるひざの血行も悪くなってしまい、疲労物質が蓄積する恐れがあります。
そのため、太ももやふくらはぎの血行を良くしなければ、やがてひざが痛くなってしまう可能性があるのです。
マッサージも良いですが、お風呂上がりの身体の筋肉がほぐれている状態の時にストレッチをするのも有効です。
できれば、マッサージとストレッチを同時に行い、長期的に継続することが怪我や痛みの防止に繋がります。
医療機関へ行く
ひざの痛みを和らげるために、マッサージをしたりストレッチをしたりとセルフケアしても、全然痛みが緩和されない時もあります。
そのまま痛みを放置していると、膝痛の慢性化や筋肉、筋、軟骨、骨などに悪影響を及ぼし様々な怪我の原因になる恐れがあるので注意が必要です。
保育士は、仕事をする時間が長くて、なかなかワーク・ライフ・バランスが取りにくい職業だとされているので、ゆっくりと自分の身体をケアするのは難しいかもしれません。
それでも、ひざの痛みを放置するという選択は絶対にしないようにしてください。
セルフケアで、膝の痛みが軽減されなかったら、早急に医療機関へ診察してもらうことが大切です。
医師による適切な診断をしてもらうことで、詳しい原因がわかり治療を行えば早めに完治できる可能性が高いです。
保育士でひざが痛いときにやってはいけないこと
上記で、保育士のひざが痛い時の対処法をお伝えしてきましたが、膝の痛みが長期間にわたり続いている場合サポーターをずっと装着するのは身体に良くありません。
サポーターに頼り切ってしまうと、あまり運動ができなくなってしまうので足周りの筋肉が衰えてしまい、結果的に足腰が弱くなって転倒や怪我のリスクが高まります。
ひざの痛み具合と上手に付き合いながら、運動を適度にしていくことが大切です。
そして、保育士でひざが痛い時にやってはいけないことに、正座の姿勢から勢い良く立ち上がると膝関節に大きな負担がかかりひざをさらに痛めてしまう恐れがあるので、急に膝の曲げ伸ばしをするのは止めた方がいいです。
正座の状態から立つ時はゆっくりとした動作で立ち上がるようにしましょう。
ひざを痛めている状態の生活では、なるべく地面に座る行動はしないようにします。
座る必要がある場合は、座る時間を少なくできるように日常生活や仕事で椅子を使用するようにすると良いでしょう。
まとめ
保育士の仕事は、子ども達と接することになるので、抱っこ、おんぶをしたり、しゃがんだり立ったりする動作が日常的です。
毎日のようにひざを酷使していると、痛めてしまい悪化すると日常生活や仕事に、支障をきたす恐れがあるので注意が必要です。
もし膝を痛めてしまったら、お伝えした痛みを軽減させる改善案を試してみて、治らなければ早めに医療機関へ診察に行き悪化を防ぐようにしましょう。
この記事の監修は
保育のせかい
キャリアコンサルタント 渡辺愛菜(保育士)
保育士として勤務をした後、一般企業も経験しその後、保育のせかいに入社。
自身の経験をもとに求職者の方々へアドバイスをおこなっています。
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