子どもが好きな人が多い保育士ですが、それだけでは保育業務は簡単に務まりません。
保育士の仕事を長く続けるためには、向き不向きも関係してくるでしょう。
資質や適正・能力などは、どのようなものが備わっていれば向いているのか気になる人は多いのではないでしょうか。
保育業界に就職や転職を目指している人や、すでに保育士として働いている人も理解していると、自己分析に役立ち理想的な働き方を行える可能性があります。
保育業界は人手不足に陥っている現状があるため、保育士資格を持ちながらも保育士として働いていない潜在保育士も多くいます。
潜在保育士の人達にも、自分の資質や適正・能力など改めて自己分析してみると、保育士の仕事を始める動機づけになるかもしれません。
今回は、保育士に必要とされる資質や適性・能力などについて解説していきます。
Contents
保育士の必要な能力は?
保育業界で働く保育士は、人手不足に陥ってはいますが保育士資格を取得している人は少なくありません。
保育士として働いてはいないけれど、目指す人は多いと言えます。
なぜ、せっかく保育士資格を取得しているのに、保育業界で就労しないのかは労働環境や待遇面の不満があったり、向き不向きがあったりするので、みんな同じではありません。
保育士の仕事に携わらない理由も人それぞれ違いがあります。
保育士として働くための向き不向きに関わってくる必要な能力は、以下のようなことが関係します。
子ども好き
子ども好きという気持ちがある人は、子ども目線で物事を考えたり成長を共に喜べたりできるので保育士の仕事に向いていると言えます。
保育士に必要な能力として、とても重要なものであるのは間違いありません。
保育士の仕事は、色々な作業が発生しますがメイン業務は子どもの生活サポートになるので、根っからの子ども好きな人は園児の違和感にいち早く気付いたり、気持ちに寄り添った行動ができやすいです。
責任感が強い
保育士の使命として、日中に子どもの面倒を見れないママやパパの代わりに大切な命を預かります。
保育園や保育施設で過ごしている子どもが、怪我をしたり事故・事件などに巻き込まれたりしないように常に気を配っていなければいけません。
安易な気持ちでは保育士の仕事は務まりませんから、責任感が強いことが求められます。
リーダーシップがある
保育業務は一人で行うのではなく、同じ施設で働いている職員と協力し合いながら日々の仕事をこなしています。
チームワークが大切なので、仲間の気持ちがバラバラだったり、独りよがりの行動をしたりしてしまうと業務が円滑に進まなくなります。
集団生活をしていくので、誰かが率先して引っ張ったりまとめ役になる必要があるので、保育士をする人はリーダシップがある方が向いているでしょう。
また、長く勤めていると後輩が入ってきた時に、保育業務を教える機会もあるためリーダシップがあると質の良い指導やアドバイスができやすくなります。
コミュニケーション能力がある
チームワークが必要な保育士は、職場で働く職員、保護者、園児などとコミュニケーションを重ねて良好な関係を構築していくことが求められます。
信頼できる人になるためには、会話が上手くて相手の気持ちを考えながら適切な言葉選びができることが大事です。
子どもと大人の両方に対して、スムーズなコミュニケーション能力や対応力を身につけている人は重宝されます。
日中、保育園や保育施設で過ごす園児の様子を保護者はわかりませんから、保育士はママやパパがお迎えに来た時などに伝えてあげます。
その時に、詳しく話したりわかりやすく子どもの様子を伝えることができると、保護者はとっても安心するので保育士はコミュニケーション能力がある人が適していると言えるでしょう。
音楽に関する能力
保育士試験の実技問題で「音楽」を選択すると、ピアノなどの楽器演奏や歌を披露することが求められるように、保育士は子ども達に歌・音楽の楽しさを伝えるのも大事な役割です。
音楽の力で楽しい気分になったり、先生と園児達との心の距離が縮まったりするので楽器演奏や歌ができるのは素晴らしいことです。
歌唱力や楽器の演奏は、一朝一夕で身につくものではありませんよね。
子どもの頃から、習い事に通ったり練習したりして習得してきた人は多いのではないでしょうか。
簡単には身に着けられない音楽に関する能力をもっている人は、保育士として活躍しやすくなります。
パソコン作業ができる
保育業界では、保育園や保育施設で働く職員の業務負担の軽減や業務効率化になるように、積極的にICTシステムを導入しているところもあります。
ICTシステムは、オンラインで事務作業が完結できるため書類のペーパーレス化を実現できます。
ICTシステムを導入している保育園や保育施設は、まだそこまで多くはありませんがパソコンは職場に置いているというところは増えてきました。
パソコンの使用頻度は、保育園や保育施設によって違いがあるものですが世の中のデジタル化が進んでいるので、PCスキルは保育士が身につけておきたいスキルの1つです。
職場で求められるのは、そこまで難しい操作ではなく、保育日誌や保育だよりの作成、職員の勤怠管理などを行うのでワードやエクセルが扱えるようになれば基本的には十分でしょう。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士の現状はどうなっているの?人手不足と言われてる理由
保育士の資質はどう改善するの?
上記でお伝えしてきたように、保育士として長く活躍していくためには兼ね備えておくべき能力をもっている方が有利です。
では、まったく当てはまらない人は保育士の仕事は務まらないのかと言いますと、そうではありません。
あくまで向き不向きなので、努力次第でお伝えした能力・資質を開花させることも不可能ではないでしょう。
「責任感・リーダーシップ・子ども好き・音楽に関する能力・パソコン作業」は、考えてみると後天的ですから努力をすることで身につけることができます。
人それぞれ性格や気質、学習能力などに違いがありますから、身につけられる期間は早い人もいれば遅い人もいるものです。
保育士の資質・能力が自分に今の段階で備わっていないからといって、保育士を目指すのを諦める必要はありません。
資質は先天的なものですので、本人の努力でどうこうなるわけではありませんが能力に関しては努力次第で伸ばすことができます。
ですので、保育士の資質はもっていないかもと思う人でも、保育士に必要な能力を磨けば魅力ある先生になれる可能性は十分にあります。
それに保育士の資質はもっていないかもという気持ちは、あくまで主観ですから本人がそう思っているだけで実は適正があったり、他人から見たら保育士に向いていると思われたりする場合もあるでしょう。
どんな物事に対してもそうですが、初めから諦めていたらそれ以上の成長や進展はありません。
保育士を目指そうと思ったり、興味があってなれるチャンスがある人で能力や資質が備わっている人ほど、向いているはずですので挑戦してみてください。
まとめ
保育士は保育士試験に合格して、国家資格の取得が必要な職業で誰でも簡単になれるわけではありません。
保育士に向いている資質・能力を備えている人ほど、保育業務を要領よくこなせる可能性があります。
今は保育士に向いていないと思っている人でも、能力は本人の努力次第で伸ばすことができるので、最初から諦めてしまう必要はないでしょう。
保育士として働くために必要な能力は、後天的なものなので時間をかけて身につけることが可能ですから、保育士になりたい人やすでに働いている人は、長く勤められるようになるためにも習得してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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