子供を施設で預かって、身の回りの世話をしたり日常生活に必要なことを教えるのは保育士も幼稚園教諭も同じです。
しかし、そもそも保育士と幼稚園教諭は資格が分かれているので、どちらか一方の資格を取得しても両方の職業に就くことができません。
では、どんな違いがあるのでしょうか。
周りから見ると、どっちも子どもと接する仕事をしていて、ただ触れ合っているだけでやっている仕事内容は同じように感じる人もいるでしょう。
今回は、保育士と幼稚園教諭の仕事は違うのかや、給料・資格情報の比較などについて紹介していきます。
Contents
保育士と幼稚園教諭の仕事は違うの?
保育士は、基本的に8時間労働のシフト制で働いています。
内訳は、「早番・普通番・遅番」といった3交代で働きながら、早朝勤務や夜間保育などに対応します。
なぜ、そのようにしているのかと言いますと、子どもを預けるママやパパによって、会社の始業時間が違ったり、早朝に用事があったりで、朝早くにお子様を預けにくる方もいるのです。
勤め先の終業時間も保護者によってバラバラですから、ママやパパによっては残業があったり夕方に用事などがあったりして、子どもを保育園へ定時に迎えに行けないケースもあります。
保育士は朝方から夕方、もしくは夜間まで10時間~11時間くらいの保育時間です。
保育対象となる年齢にも違いがあり、保育は0~6歳の子どもを預かります。
その他には、保育士が勤務する保育園は厚生労働省が管轄しています。
幼稚園
幼稚園教諭も保育士と同じで8時間労働ですが、預かっている子どもの保育時間が4時間程度と短いです。
ですので、保育士とは子供と接する時間に違いがあります。
幼稚園では3~6歳児の面倒を見ています。
幼稚園教諭が勤める幼稚園は、文部科学省が管轄です。
このように、保育士と幼稚園教諭では保育対象となる子供の年齢や管轄にも違いがあります。
保育士
保育士は、「早番・普通番・遅番」のシフト制の勤務形態で、早番は午前7時から16時、普通番は朝8時半から17時半位まで働くことがあります。
そして、遅番の時は午前11時から20時まで勤務になる保育施設が多いです。
保育士と幼稚園教諭の1日のスケジュール
保育士と幼稚園教諭は、勤務時間はどちらも8時間労働が基本とされていますが、子供と接する時間に違いがあるので、1日のスケジュールが全く同じような感じではありません。
7時
早番担当の保育士は、朝7時頃に保育園に出勤してくることが多いです。
園児達が登園してくる前に、保育施設の鍵を開けたり換気をし、異常がないかなどを確認し子供達を迎え入れるための準備を行います。
7時半~8時
7時半頃には、同僚や先輩の方達が出勤してくるようになります。
職員の方達や園長先生と、今日の段取りを確認したり打ち合わせなどを行います。
8時頃になると、保護者がお子様を連れて登園してくるので、ひとりひとり丁寧に対応して保育業務を開始する前に色々な準備です。
9時~9時半
子ども達の登園時間は、各家庭ごとに違いがあるので一緒ではありません。
それでも、9時頃には全員が保育園に到着しているので、園児達を集めて朝礼を行います。
朝礼が終わったら保育業務の開始です。
11時
保育士は、午前中の間、子供達の身の安全を守ったり観察しながら楽しく過ごしているのか確認したり、身の回りの世話や一緒に遊んだりサポートをしてあげます。
12時の昼食前に、園児達を集合させて手洗い・うがいをしてもらうように促し、お昼ごはんの準備をします。
12時
12時頃になると、昼食を食べ始めますので子ども達の体調が悪くないか気を配りながら、お利口さんに食べているのかや、食べ残しをしているのかなどを確認します。
ご飯を残している子どもがいても無理に食べさせるのではなく、気遣ってあげて日中に機嫌が悪くなってしまわないように気をつけます。
保育士も一緒に昼食を食べ、子ども達と一緒に後片付けをして午後からの仕事の開始です。
13時
お昼ごはんを食べ終わった13時頃は、保育士は子ども達をお昼寝させる時間帯です。
満腹になった園児は、眠気がでてきてすぐに安眠してくれることが多いですが、まだまだ元気一杯な子はなかなか寝かしつけるのが困難な場合があります。
保育士も一緒に添い寝してあげたり、仕事がある場合はその間に作業をします。
15時
食欲旺盛な子供達は、15時頃にあるおやつタイムを楽しみにしている子も多いです。
病気や体調不良にならないように、きちんと手洗いうがいをさせてからおやつをいただきます。
昼食でお腹いっぱいになっていて、食べきれない子供には無理して食べさせないようにして嫌な気持ちにならないようにします。
16時
夕方になっても、園児達は活発に行動しています。
保育士も子供達を一緒に遊んであげたりピアノ演奏や、本の朗読などを行いママやパパがお迎えにくるまでの時間を退屈させないようにします。
16時半~17時
16時半頃になると、我が子をお迎えにくるママやパパがじょじょに増えてきます。
保育士は、園児達を集合させて帰りの会をして日中の振り返りや連絡事項を伝えます。
帰りの会が終了後、子供達に帰宅の準備をさせて保護者のお迎え待ちです。
17時~
まだお迎えに来てもらっていない子供は、大好きなママやパパが早く迎えに来るのを心待ちにしています。
17時頃には、多くの保護者が子どもを迎えにくる時間帯ですので、保育士はまだ親を待っている園児が不安にならないように話しかけてあげたりして安心させます。
保護者に引き渡す時は、今日の出来事や子どもの過ごし方を伝えながらお見送りです。
17時以降も居残りをしている園児達は、ママやパパが迎えにくるまできちんと保育士が見守ります。
幼稚園教諭
幼稚園の1日のスケジュールは、保育園よりも保育時間が少なく多くの幼稚園で朝9時~14時位です。
ですので、保育園よりも早く保護者が迎えにくるケースが多いです。
ただし、延長保育を行っているところもあり、早朝7時位から18時頃まで子供達を預かっている幼稚園もあります。
幼稚園教諭は、基本的に朝8時から17時までの固定勤務をしていて、子どもが居ない時間帯は翌日の準備や必要な作業に取り組みます。
保育士と幼稚園教諭で給料はどちらがいいの?
保育士と幼稚園教諭は、どちらも子どもの保育業務に携わっていますが、預かる子どもの対象年齢や仕事内容などに違いがあります。
周りから見ると、どちらも同じような仕事をしているように見える人も少なからずいますが、理解を深めていくとたくさんの違いがあることがわかりますよね。
保育士と幼稚園教諭は、給料は約23万円位が平均的だと言われており、平均年収にもあまり差がでていない職業だと言われています。
公立保育園・幼稚園は、公務員職になるので給料はもう少し高くなることもあります。
保育士と幼稚園教諭の資格の違いは?
保育士も幼稚園教諭のどちらも、保育業務に携わるには国家資格の取得が必要です。
学校に通うならば、保育士は厚生労働省が認定した「専門学校・短期大学・大学」などに入学して必要な科目を勉強して卒業することで資格を得ることができます。
幼稚園教諭は、文部科学省が認定した「専門学校・短期大学・大学」などに入学して必要な科目を勉強して卒業することで資格取得ができます。
また、幼稚園教諭免許は「1種・2種・専修」の3種類があり、1種免許は4年制大学の卒業が必要です。
2種免許は短期大学・専門学校を卒業した人、専修は大学院を修了した人が手にすることができます。
逆に、どちらも認定外の学校に通うのであれば卒業後に、国家資格を取得するための試験を受ける必要があります。
保育士と幼稚園教諭の資格の難易度は?
保育士ならば厚生労働省が認定、幼稚園教諭ならば文部科学省が認定した学校を卒業と同時に資格取得が可能です。
保育士の場合、認定外の学校へ通うと試験勉強をしなければいけない分、プレッシャーが大きいかもしれません。
保育士試験に合格するのは簡単なものではありません。
合格基準は、筆記試験・実技試験で6割以上の点数が必要で合格率は公表はされていませんが、約20%ほどだと言われています。
そして、保育士が幼稚園教諭の資格を取得する方法として「幼保特例制度」というのがあります。
逆に、幼稚園教諭が保育士の資格を取得したい場合もその制度の利用が可能です。
条件として、3年かつ4320時間以上の実務経験を有する人が対象になっています。
保育士と幼稚園教諭の違いのまとめ
保育士は、厚生労働省が認定した専門学校・短期大学・大学などを卒業したら保育業務に携わる国家資格を取得できます。
認定外の学校を卒業したら、受験資格が与えられるだけとなり試験に合格しなければいけません。
幼稚園教諭は、文部科学省が認定した専門学校・短期大学・大学などを卒業と同時に資格が貰えます。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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