保育士の保育業務は、子どもの安全・安心を守らなければいけないので、臨機応変な対人スキルが必要です。
子どもは、純粋で無邪気ですから興味がある物を目にすると、急に触りに行ったりはしゃいだりします。
本能的に動くので、ケガをするかもしれない危険な行動をしていることもあります。
保育士は、保育園で子どもの命を保護者から預かっていますから、危険やトラブルから守る為に常に気を配っているので疲れる人が多いです。
今回は、保育士が疲れる理由や、回避するための方法などについて紹介していきます。
Contents
保育士はなぜ疲れるの?
保育士として、保育施設で働く場合、メインは子どもの世話をすることですが、それ以外にもやるべき仕事は多岐にわたります。
保育日誌の作成、イベントの企画運営、雑務、デスクワーク、保護者対応など、1日の中で頭を切り替えて仕事をしなければ、業務が滞ってしまうのです。
ボーっとできる時間はあまりなく、時には休憩時間であっても休みながら子どもがケガをしていないかや危ない目に遭っていないかなど、見守る必要があります。
その為、保育士は肉体的・精神的にタフさが求められます。
子供の世話をするのも一人だけではありません。
保育園によっては、一人の保育士が何十人もの子どもを担当します。
子ども達、一人一人に合った最適な対応をしなければいけないので、臨機応変に身体も頭も使って心身共に疲れるのですね。
具体的には、保育士は何が疲れる要因になるのかは以下のようなことがあります。
責任が重い
保育士は、保護者から預かった子どもの命を守っていかなければいけません。
園内で目を離したスキに危険な場所に行ったり、他の子どもと喧嘩したり、暴れたりでケガに繋がることをしてしまうので目が離せないことも多いです。
子どもの不注意や、保育士の怠慢でケガをさせてしまうと保育園の評判にも影響しますし、保護者からの信頼も失ってしまいます。
このように保育士は、子供の命を守るという責任が重い仕事ですから疲れてしまうのですね。
重労働
保育士は、園内で動き回る子ども達の世話をしたり見守りながら他の作業も行います。
デスクワークをしたり、催し物の作成、掃除、保護者対応など、やることはたくさんあります。
玩具の消毒や、机・椅子を運んだり体力を使うことが多いので重労働なのです。
しゃがんだり、高いところにのぼって作業をしたり、子どものおんぶや抱っこもするので疲れてしまいます。
シフト制
多くの保育園では、保育士の勤務時間は8時間労働になっています。
ただし、一般的な保育園は1日13時間くらい開園している所が多いので、保育士は「早番・中番・遅番」といったシフト制を採用しています。
・早番=朝7時半分頃~夕方16時半分頃まで勤務
・中番=朝8時半分頃~夕方17時半分頃まで勤務
・遅番=朝9時半分頃~子ども達が全員帰宅するまで勤務
上記のように、保育園でシフト制を採用するのは、保護者が仕事に行く前の早朝に子どもを預けにこれるようにしたり、残業や用事などで定時に迎えに行けない人のためです。
それと同時に、保育士が長時間労働で疲れてしまうのを防止する効果があります。
持ち帰り仕事がある
保育園での業務はたくさんあるので、子どもがいる間は世話をしながら並行して色々な作業をします。
しかし、定時で終わらなかったら残業をしたり、持ち帰り仕事がある保育士もいます。
園によっては、休日に園長先生や主任から呼び出されて、仕事をお願いされるケースもあるのです。
保育園でも、自宅でも休日も仕事となると、ずっと心と身体が休まる暇がなくて疲れてしまいます。
四六時中、仕事から離れられない環境で、ずっと生活していると体調不良になったり心の病を発症してしまう恐れがあります。
子どもだけではなく保護者にも気をつかう
保育園にくる子どもは、日中にママやパパが仕事や用事などで我が子の面倒を見れないから預けられています。
ママやパパのかわりに、保育士が身の回りの世話をするのですが、保護者は園にお金を払っていて、その費用の一部が給料に反映されます。
保護者は、保育士に子どもの世話をしてもらうことで、自分の仕事や用事に集中できるようになりますが、お金を払う立場なのでお客様です。
ですので、子どもと保護者の両方と、良好な関係を築いていかなければいけません。
園内で、子どもがケガをしたりトラブルに遭ったら、保護者にも報告する必要があり、場合によっては傷つく言葉を言われたり、クレームに発展する恐れもあります。
保育士は子どもだけではなく、保護者にも気を遣わないといけないので、疲れてしまう原因になります。
人間関係
保育園は、女性が多い職場ですからどうしても派閥ができたり、仲の良い同士でグループができる場合があります。
仕事は、みんなで協力して進めなければいけません。
保育業務は、チームワークが大切なので、職員に苦手だったり気が合わない人がいても仕事だと割り切らないと人間関係で疲れてしまいます。
基本的に、毎日、顔を合わせるので人間関係を悪化させないようにしないと、居心地が悪くなってしまいやすくなります。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士は激務って本当?その理由と解決策についてを解説!
保育士が疲れないようにするための方法
保育士の保育業務は、肉体的にも精神的にも疲れますが、やりがいもたくさんありますよね。
理不尽なこともありますが、子ども達の可愛い笑顔を見て癒やされたり保護者から感謝の気持ちを伝えてもらえると、改めて頑張る力が湧いてくるのではないでしょうか。
また、子ども達の面倒を見るのが仕事のメインですが、子供達から学ばせてもらったりして一緒に成長できるのも保育士の魅力です。
できるだけ、保育士が疲れないようにするために以下の方法を実践してみましょう。
休日はストレス発散
保育士は、残業があったり持ち帰り仕事が発生することがありますが、リフレッシュする時間を取らないと体調不良になってしまいます。
休日は、ストレス発散をして気分や体調を整えることが大切です。
お風呂にゆっくり入りながら好きな音楽をかけたり、YouTubeを観たりなど、とにかく仕事のことを考えない時間をつくりましょう。
大好物のお菓子やスイーツを食べたり、プライベートを楽しんで疲れをとるようにすることが大切です。
周りの保育士と協力
保育業務は、一人では回らないので周りの保育士と協力しながら、1日の仕事が問題無く終わるように頑張ります。
仕事を一人で抱え込む人は、プライドが高い性格なのかもしれませんので、素直な気持ちで他の保育士に手伝って欲しいと伝えましょう。
いつも周りの職員を頼っていると、怠け者だと思われたり仕事の評価が悪くなってしまうので、ケースバイケースで協力してもらったほうが良いでしょう。
逆に、周りの保育士が困っていたら手助けできるような優しい心をもつことも大切です。
どうしても無理なら転職
勤め先の仕事に追われていると、今の職場環境が全てで周りが見えなくなってしまいやすくなります。
保育士として、一生懸命に頑張っているけどキャパシティーを超えた作業量に疲れてしまうこともありますよね。
保育園は他にもたくさんあって、働きやすい園もあります。
ですので、どうしてもこれ以上、今の職場で働くのが無理なら思い切って転職すると状況が好転する可能性があります。
保育士疲れたのまとめ
保育士は、保護者から預かった子どもの命を守るという義務があります。
子供の身の回りの世話をするだけではなく、事務作業、雑務、イベントの企画運営、掃除、保護者との会話など、頭を切り替えながら様々な作業をするので精神的にも肉体的にも疲れます。
疲れを溜めたまま仕事をしていると、体調を崩したりモチベーションが低下して長く働くことが困難です。
休日はストレス発散や、仕事中は周りの保育士と協力してもらったり、どうしても耐えきれない場合は転職を考えたりして心身が疲弊しないようにすることが大切です。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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