2022年の現在、少子高齢社会に入ってだんだんと子供の数が少なくなっていると言われています。
その影響もあり、保育園に入園する子どもが少なくなってきていますが、実は保育士さんが不足している状況です。
どんどん少子化になっているのであれば、保育士さんが少なくなっていってもなんとかカバーできるのではないかと考える人も多いでしょう。
例え保育園に通う子供が少なくなっても、保育士さん一人あたりクラスで何十人もの児童たちを抱えるのは変わりません。
ですので、現状、保育士になる人が少なくなっていることは保育園にとって深刻な問題になるわけです。
今回は、2022年に保育士が不足しているのはなぜなのかの理由や、現状についてと良い方向に向かっていることなどについてご紹介していきます。
Contents
保育士不足の現状について
2014年1月の、保育士の有効求人倍率が統計結果として出ていますが全国平均で1.74倍ほどとなっています。
2022年は、もっと有効求人倍率が低くなるでしょうから何年も前から保育士が不足しているという事実があります。
保育士不足の現状として、資格を持ちながらも保育士として就職をしようと思わない求職者のうち、半分以上が勤続年数が5年未満という結果も出ています。
これはどういうことを示しているのかと言いますと、保育園に就職しても短期間に辞めてしまう保育士が多いと言うことなんですね。
もちろん、一度、保育士を退職しても後々、また保育士として働くことは可能ですから辞めた人が保育園に出戻りして働いても良いわけなんです。
一度、保育士さんを辞めて違う職業に転職する人のほうが出戻りする人よりも多いのが現状としてあるのも、保育士さん不足が解消されない要因の一つです。
こうした方々は潜在保育士と言われています。
全国で保育士が不足している理由
保育士不足は、どこかの限定した地域だけではなく全国的なものです。
保育園で働く保育士さんが足りなくなることで、今、頑張って働いている職員や園長先生に負担がかかり体調不良になったり辞めることになったりと、ますます負のスパイラルに陥る恐れもあるでしょう。
ですが、保育士という資格を取得しておけば退職しても、また保育園に再就職できますから潜在保育士と言われる方々が少なくなっていけば徐々に保育士不足は解消に繋がるはずです。
全国で保育士が不足している理由としては、以下のようなものがあります。
責任
保育園という場所は、たくさんの子供達が集団行動・生活をしています。
ママやパパの大切なお子様を、預かってお世話をするのが保育士さんの務めですから子供の命を預かるということになります。
そのため、責任が重くのしかかります。
毎日、園児達を安全に何事もなく過ごさせなければいけないので、プレッシャーに耐えきれずに退職してしまう保育士さんも多いのです。
給料
保育士が不足している理由として、給料の不満があげられます。
サービス残業や持ち帰り仕事も多いので、肉体的にも精神的も大変な職業です。
その割には、全職種の平均的な給料に比べて保育士の給与は低くこのことが保育士不足の原因になっています。
保育士という資格を持っていれば保育園以外でも働くことができます。
学童やベビーシッター、児童館などでも仕事をすることができるので、キャリアアップとして給料が高い関連した職場・職種に転職することで給料をアップさせることも可能ですので賃金が上げられず一生同じ待遇で居なければいけないということはありません。
環境
保育園によって、給料や人間関係などに違いがありますから、それぞれの保育園で保育士さんは色々な悩みを持っています。
給与に不満はないけど、人間関係が悪かったりその逆パターンもあります。
また、サービス残業が多かったり長時間労働をしている保育士さんもおり、労働環境が過酷すぎて退職してしまうことも多いです。
職場環境や労働環境が合わないことで、働きづらくなって保育園を辞めてしまう保育士さんが多いところは入れ替わりが激しいところも多く保育士さんの勤続年数が短いです。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士で大変なことって何?しんどいと思うことを公開!
各保育園で見ても環境はいい方向に変わってきている
2022年現在も、少子化が進み保育園に入園する子供達が少なくなっていると同時に、保育士さんも不足気味です。
全国の保育士が不足している理由として、「責任・給料・職場や労働環境」がありますが保育園側は何も対策していないわけではありません。
各保育園で見ても、待遇や環境は徐々にいい方向に変わってきています。
具体的には、以下のようなことがあります。
給与のアップ
国により、2013年に保育士の給与の向上を目的とした保育士処遇改善等加算という制度が出ています。
これは、保育園に金銭的な援助をするというより、役職を決めたり保育士の賃金やキャリアアップの改善に取り組んだところに対して国が補助金を支給するという施策です。
条件はありますが、このような国の補助金によって保育さんの給与のアップが実現できたり、保育園によって保育士の待遇や給与の見直しをしているところもあります。
残業や持ち帰り仕事をなくす
保育士は、子供の世話をするだけではありません。
日々の保育日誌を作成したりイベントの企画・開催をしたり、保護者と話をしたりと業務は多岐に渡ります。
その影響で、残業や持ち帰り仕事が発生することも度々あるので、保育士さんは体調不良になったり精神的に参ってしまう状態になりやすいです。
最近では、保育園でのIT化が進み保育士の出退勤をパソコンで管理したり日常の業務をデジタルで管理したりして時短に繋がっています。
また、徐々にサービス残業や持ち帰りの仕事を減らすような工夫をしている保育園もあります。
風通しの良い職場になっている
人間関係が良ければ、少々、保育園での仕事がキツくてもみんなで支え合いながら乗り切れている保育士も多いでしょう。
潜在保育士の多くは、職場に人間関係や金銭面・労働や職場環境に何らかの不満があって退職している方達が多いので風通しの良い職場をつくることで復帰しやすくなります。
保育士さん同士のコミュニケーションを良く取るように意識している、保育園も増えてきているのでだんだんと保育士さんにとって居心地の良いところも増えてきています。
人事評価を変える
保育士さんは、パート・契約社員・正社員など雇用形態は色々あります。
やはり、正社員が一番園長先生や職員達から人事評価は厳しくされ、査定が良いと給与や待遇が大幅に良くなりますが、それ以外の働き方をしている保育士も頑張っている人は、給与や待遇など見直したり人事評価を変えるような取り組みをしているところも多くなってきています。
このように、2022年の現在も保育士は不足している現状がありますが、保育園によって色々と改善していっているのでいい方向には向かっているでしょう。
保育士不足のまとめ
保育士不足が、年々加速しています。
その理由としては、給料や待遇に不満があったり職場や労働環境が過酷すぎたり、人間関係の悪化など辞めた保育士によって色々あります。
保育園を退職した保育士は、別の職業に就いたりして資格を保有したままの潜在保育士もたくさんいる状況です。
あまりにも短期間で辞める人が多くなってきているのも、保育士不足の要因の一つなので最近では、保育園によって給料や待遇面を見直したり、風通しの良い職場や労働環境をつくろうと努力しているところも多いです。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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