育の現場で働きたいと考えたとき、必ずしも「保育士」を選ぶ必要はありません。
例えば、「保育園事務員」という働き方があります。
具体的な仕事内容はどんなものなのか、必要なスキルはどんなものなのか、メリットは何なのかなど、詳しく解説していきましょう。
保育園事務員とは?
保育園事務員とは、その名の通り保育園で事務の仕事をする仕事です。
保育園で保育士として働く上には、国家資格が必要になります。
資格取得には時間もかかりますし専門的な知識も必要になりますが、保育園事務員として働く上では資格が不要であることが特徴です。
資格は持っていないものの、保育の現場に立ち子どもたちと関わりたいと考える人にとって、魅力的な職種と言えるでしょう。
毎日同じ業務にあたればいいわけではなく、保育施設ならではの季節の行事の影響を受けるところも保育園事務員の特徴と言えるでしょう。
4月には入園式、3月には卒園式、秋には運動会など大きなイベントがあればそれにあわせて事務の仕事が増えたり、忙しくなったりするでしょう。
保育園事務員の仕事内容
具体的には、園長や幹部が行っている事務仕事のサポートが主な仕事となります。
主に来客や電話の対応、人事業務、経理業務を行います。
施設によっては、人事担当の事務員と経理担当の事務員というように業務を分ける場合もありますが、多くの施設では保育園事務員は一名しか配置されず、一人で複数の作業を同時進行することになるでしょう。
例えば保育士のシフトや年間スケジュールから会計帳簿、決算、予算書、子どもたちやご家庭に渡すプリント類、行政に提出する書類まで、書類作成ひとつとっても幅広い業務が求められます。
保護者からの問い合わせや、行政の訪問があった場合には、施設の代表としての対応も求められます。
さらに保育士や子どもたちが利用するこまごました備品を管理し、適宜発注したり、ホームページやSNSなど広報の仕事を担当したりすることもあるでしょう。
保育園事務員になるために必要なスキル
基本的に、保育園事務員を目指す上で「絶対に持っていなければいけない」というスキルはありません。
保育士なら国家資格が必要ですが、保育園事務員の基本的な業務はあくまで事務仕事ですから、保育士資格は求められません。
ただし、業務の傾向から考えると基本のパソコンスキルはあって損がありません。
Excelをはじめとしたソフトの利用、書式設定、関数の利用などができるのであれば、面接時にアピールするといいでしょう。
また、経理業務ができる人材を求めている保育施設の場合には簿記なども魅力的なスキルとなります。
保有している資格があればしっかりアピールして、活躍できる人材であることを伝えましょう。
また、保育施設は子どもから大人まで多くの人とかかわり合う職場ですから、コミュニケーション能力も重要な武器になります。
いわゆる資格や検定に証明されるものではありませんが、保育園事務員として働く上で大きな強みとなるでしょう。
さらに、保育士の資格を持っているのであれば、こちらもアピールしておいて損はありません。
事務の仕事に関連する資格ではないものの、伝えておくといいでしょう。
保育園事務員の魅力
保育園事務員の魅力はやはり、保育の資格を持っていなくても保育の現場で働くチャンスがあるということです。
もし、人手が足りないタイミングで保育士から「手伝ってほしい」と言われることがあれば、子どもたちと直接触れ合う仕事に携わることもあるかもしれません。
子どもが好きな人なら、事務の仕事をしながら他の職場では味わえない喜びややりがいを感じられるでしょう。
もちろん、基本的な仕事内容はあくまで事務処理です。
だからこそ、過去に事務職の経験がある人なら即戦力として重宝されるはずです。
「これまで事務の仕事しかやったことがないけれど、保育の仕事に憧れる」という人は、新たに保育士を目指すよりも今あるスキルを活かして保育園事務員を目指す方がいいかもしれません。
保育園事務員を目指す上で気をつけたいこと
先ほどご紹介したように、保育園事務員は多くの場合各施設に一人ずついれば十分であることから、求人数そのものが少ない傾向にあります。
園長や幹部が事務処理まで担当していたり、昔からずっと同じ事務員が勤め続けたりする施設が多いことも、求人が見つかりにくいことにつながっているでしょう。
また、資格がいらないということは幅広い層が応募できるということですから、求人や募集が出たとたんにすぐ埋まってしまうこともあります。
通いやすい場所にある保育園で事務員求人を探すとなると、求人情報サイトに張り付いて見逃さないようにしなければいけません。
働きながら転職を考えるのは難しいと思いますので、転職サポートサービスを活用することをおすすめします。
サポートサービスでは、一人ひとりの希望にあわせて最適な求人を紹介してもらうことができます。
限定求人を紹介してもらうこともできますので、自分に合った求人を探してくださいね。
まとめ
今、保育業界は人手不足に嘆いているため、常に新しい人材の力を求めています。
そして資格がいらないことから、保育園事務は保育士以上にチャレンジしやすい職種と言えます。
保育の現場で働きたい人は、転職サポートを受けながら求人を探してみてください。
この記事の監修は
保育のせかい キャリアコンサルタント
大畑 はるか
現役の保育士としても活躍中。
自身の経験を活かして、求職者に寄り添った手厚いサポートに定評がある。
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