絵本専門士という資格が、保育士の間で人気上昇中です。民間資格ですが養成講座の応募倍率は高く、保育士が取りたい資格として注目されています。
では、絵本専門士とはどのような資格なのでしょうか? 本記事では、絵本専門士という資格の概要から取得するメリット、受験の方法まで詳しく解説します。
資格を取ってスキルアップをしたい保育士の方は必見です!
Contents
絵本専門士とは、どんな資格?
絵本専門士は、平成26年に絵本専門士委員会によって創設されました。絵本に関する知識と技能を備えた、絵本の専門家を認定する資格です。
同制度は絵本の有識者からなる絵本専門士委員会が主催し、事務局は独立行政法人国立青少年教育振興機構が担っています。絵本専門士は絵本のプロフェッショナルを養成することを目的に立ち上がった制度で、同事務局では創設の同年から絵本専門士養成講座を開講し、平成29年までに159名が絵本専門士として認定されました。
平成31年からは、大学や短大等の授業で絵本の専門知識を学べる認定絵本士の養成制度を開設し、絵本専門士を通して子どもたちの読書活動の推進を目指しています。
参照:http://www.niye.go.jp/services/plan/ehon/
絵本専門士が活躍できる場と役割
絵本専門士の資格を取得すると、以下のような場所でその専門知識を発揮できます。
・保育園
・幼稚園
・小学校
・児童養護施設
・介護施設
・図書館
・医療機関(治療の一環として絵本を扱う)
絵本専門士に求められる役割はさまざまで、子どもたちへの読み聞かせだけでなく、指導や助言も行います。
・読み聞かせ
・おはなし会
・ワークショップ
・絵本に関する指導、助言
・人的、物的コーディネート
・絵本に関する研究
・研究会の開催
・読書活動の推進
絵本保育士の取得で身につくこと(メリット)
絵本保育士は上記の場で活躍し、役割を担うために、以下の技能の習得を目指します。
・絵本の知識
・絵本に対する感性
・絵本を選ぶ力(子どもの年齢や状況に合わせて選ぶ)
・読む力(上手に読み聞かせする力)
・表現力
・指導力
・企画力
・コミュニケーション力
・コーディネート力
絵本保育士は、読書を通して子どもたちの言語力や感性を育てるために、表現力と絵本を選ぶ力が求められます。それには絵本の知識が必要ですし、子どもたちに読書の魅力を伝えるには感性も欠かせません。
絵本保育士の資格を取得するには読む力を鍛える必要があるので、上手に読み聞かせする力が身につきます。同じ絵本を読んでも、絵本保育士と他の保育士では子どもたちを惹き付ける力に差が現れることでしょう。
ワークショップや研究会の開催も絵本保育士の活躍の場となるため、指導力や企画力も必要となります。コーディネート力は個人と個人、個人とグループをつなげる力で、絵本普及の推進に欠かせない技能です。
絵本保育士養成講座の受講資格
絵本保育士養成講座を受講・修了すると、絵本保育士として認定されます。絵本保育士養成講座は、以下の4つのいずれかに該当することが条件です。
・子どもや絵本に関連のある資格等
・絵本に関する3年以上の実務経験
・絵本に関わる活動に携わった3年以上の経験
・絵本や児童文学の研究実績
「子どもや絵本に関連のある資格」は、保育士資格・幼稚園教諭や小学校教諭の免許・司書や司書補の資格などです。保育所や幼稚園、小学校、児童養護施設、介護施設など、実務で絵本に携わった経験が3年以上あれば受講資格が得られます。
絵本保育士養成講座の受講から資格認定までは、以下のスケジュールとなります。
・受講者募集(毎年2〜3月頃)
・受講者決定(5月中旬頃)
・講座受講(6〜1月)
・修了課題
・審査
・絵本保育士の認定(翌年5月頃)
講座の受講は約半年ですが、受講から認定までの期間は約1年です。講座では「知識の深める」「技能を高める」「感性を磨く」の3つのカリキュラムが実施され、絵本の専門家としての知識・技能を磨いていきます。
仕事をしながら受講できるの?
絵本保育士養成講座は、全5回を2ヶ月ごとに分けて実施されます。開講日は土日の2日間です。
土日が休みの方は、または2ヶ月ごとに土日の休みが取れる方は仕事をしながらでも受講ができるでしょう。
ただし、講座の開催場所は東京の代々木にある国立オリンピック記念青少年総合センターとなります。関東近郊にお住まいであれば受講しやすいですが、遠方にお住まいの方は交通費と時間がかかるので、その点に注意してください。
絵本保育士は高倍率の人気資格
絵本保育士養成講座は少人数制で開講しているため、募集人数は多くありません。第2回養成講座(平成27年)では定員60名に対し491名の応募があり、約8.2倍という高倍率でした。
定員が少ないため、毎年高倍率になることが予想されます。それだけに取得できれば保育士としてアドバンテージとなりますし、活躍の場も広がるため、取得を検討したい資格です。
おわりに
絵本保育士は新しい資格ですが、多くに保育士が興味を持っています。養成講座の開催場所が東京であるため、受講が難しい方も多いかと思いますが、可能であれば受講を検討してみてください。
絵本は奥深いものですので、絵本の知識を習得したり読み聞かせの表現力を磨いたりするなど、絵本について学んでみてはいかがでしょう。
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