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2018.06.10

ケロポンズ、園児に人気「エビカニクス」はNY録音 本気の遊びが子どもに大ウケ

いまや幼稚園・保育園児のあいだで、大人気の定番体操曲「エビカニクス」。水着にもなる水陸両用のポップなデザインのコスチュームを着て、手にはエビとカニの爪を装着した音楽ユニット、ケロポンズ(増田裕子<ケロ>、平田明子<ポン>)が歌っている。「エビ、カニ」と子どもたちが楽しそうに歌って踊る姿はなんとも愛らしいが、子ども向けだと侮ってはいけない。よく聴くとコーラスがどこかソウルフル。じつはこの曲はニューヨークでレコーディングされたのだという。ケロポンズのコンセプトは、「自分たちが本気で面白いと思えることをやる」、「やったことないから、やってみる」だ。おばちゃんだけど、子どもみたいなケロポンズとは、どんなユニットなのだろうか?

米同時多発テロの翌月にNYでレコーディング ゴスペルシンガーがノリノリでコーラス

ケロは以前、「トラや帽子店」というバンドを組んでいて、音楽活動とともに保育士や幼稚園教諭向けのパネルシアターの講習会活動をしていた。ポンは幼稚園の先生だった頃、たまたま子供向け講習会に参加したとき、「トラや帽子店」のパフォーマンスを観て大ファンになったという。その後、二人はさまざまなイベントで交流を重ね、バンドが解散するときに「一緒にやろうよ」とケロがポンに声を掛けて、ケロポンズが結成された。

「エビ! カニ! エビ! カニ!」の掛け声がどこかソウルフルな「エビカニクス」だが、どのようなきっかけで生まれたのだろうか?

ケロ:保育雑誌の企画で、毎月の遊びネタを考えていました。編集者の方と食事をしながら体を前に倒して「エビ!」、両手を顔の横に出して足を広げて「カニ!」ってこんな動き面白いね、「エビカニエビカニフォー!」と盛り上がり、そのときに大体振り付けが出来上がっていました。エビカニって言葉、エアロビみたいだねとタイトルもすぐに「エビカニクス」に決まり、楽しいねってノリで生まれた曲です。エビとカニが目の前にあったわけではないんですけどね。いざ、曲ができて、じゃあCDにしようとなったとき、せっかくだからニューヨークに行ってレコーディングしようとなったんです。

ポン:NY在住のケロちゃんの国立音楽大学の先輩・徳家敦さんから「NYには素晴らしいミュージシャンがいっぱいいるからいい録音ができるよ!」という話を聞いて、「じゃあ、行こう」と即決。そうしたら渡米の1カ月半ほど前に9.11の米国同時多発テロが起きてしまって。ちょうど2001年。テレビでそのことを知ったときは頭が真っ白になりました。危ないし、リスクを負ってまで、行くことはないよね。やめようか……という雰囲気になりました。

ケロ:ところが、NYに電話して延期するかやめるかと相談したら、「いまこそ、音楽をやらないでどうするんだ! 僕たちはここで暮らしているんだよ。皆待っているんだよ!」みたいに言ってもらえたんです。

ポン:「いまこそ、音楽でしょ」っていう徳家さんの言葉に心が動かされて予定通り、渡米しました。

ケロ:いや本当に行ってよかった。グルーブ感があって素晴らしいかったです!歌詞の「エビカニクスで」というところは、NYのゴスペルシンガーたちがアルファベットで書いた『EBIKANIKUSU DE』という歌詞をあの歌声でパワフルに歌ってくださってもう感動! 声の圧がすごいんですよ。サウンドの良さもエビカニクスのパワーになったと思います。

ポン:ミュージシャンも同じ部屋でセーノで録音するので本当にグルーブがぴったり。シビレましたよ! 知り合いに、いまどきお金もかかるしNYでレコーディングする人なんていないよって言われたんですけど、あの体験はお金じゃ買えないです。

ケロ:始めたときから私たち、「やったことがないことをやりたい」、「つまらなくなったら、やめよう」、ってことでスタートしたんですよね。海外録音は初めての体験だからやってみたーい!って これもノリで。(笑)

ポン:テロ事件のまっただなかで、無鉄砲に行っちゃった。変に「売れよう」とかまったく思ってなかったし、面白いものを作りたい、ただそれだけで行っちゃった感じで。たいがい勢いで生きているね。それで19年ここまで来ちゃった。何も考えず、勢いだけで。あんまり子ども向けとかを考えずに、自分たちが面白いと思ったものをやろうというのが最初からコンセプトにあって。

ケロ:何も考えないってところが子どもに近いのかも。子供は面白ければずっといるし、つまんなかったらすぐいなくなるし。わりと大人なのに、子どもと同じスタンスです。有名なミュージシャンの方に「ケロポンズは子どもおばちゃんだね」って言われたことがあります(笑)

日本一、衣装が小さい小島よしお、ねば~る君など豪華ゲストと共演

5月30日リリースのDVD&CD『ケロポンズといっしょ みんなで楽しむ ケロポンタウン』では、「キンダーてれび」(テレビ東京、毎週水曜放送)のケロポンタウンの映像を中心に、豪華ゲストとのコラボが実現。鍛え上げられた体とパンツ一丁のパフォーマンスが人気の小島よしおとは「こじまじまん」という曲を作った。

ポン:小島さんが体を使い、振り付けをどんどん考えてくれて「これは時計です、イグアナです」って。パンツ一丁で逆立ちして脚をパッカーンと開いて「10時10分です」とか。ベロ出しながら、這いつくばってイグアナになりきってくれたり、打ち合わせの時点でもう面白かったです。いろいろやってもらって面白かったものを採用して「こじまじまん」という歌ができました。

ケロ:小島さんもやっぱり子供に人気があってコンサートもいっぱいやっていて、子どもに人気のある躍動感のある動きを提案してくれて、一緒に作ってとても面白かったです。

ポン:あと小島さんがすごいのは衣装がすごく少ないんですよ。撮影のとき、私たちはこんな衣装なので荷物多いけれど、小島さんはポケットからパンツ2枚出して「衣装どっちかいいですか?」って。「小島さん衣装これだけですか!?」「そうすね」って真顔なんですよ。小島さんは体が衣装なんですよ。たいした人です。日本一衣装が少ないかも。お盆の人より少ないですよね。安村さんもパンツだったけど、面積からしたら、小島さんが最小だよね。「日本最小衣装賞」みたいのをあげたいよね。

ケロ:「糸ひき納豆」という歌では、ねば~るくんと一緒に踊りました。ねば~るくんは この曲をとても気に入ってくれて天井に届くくらいの高さまで伸びて踊ってくれましたよ。くまモンや、電撃チョモランマ隊のQ-TAROさんとも楽しくコラボさせていただきました。ケロポンズ の妹分の「すかんぽ」というユニットやあそびダンス作家の福田りゅうぞうもゲストとして出演してくれて、とても楽しいものができあがりました。

ケロポンズの子ども時代 ケロ「歌が大好き、前髪短め」、ポン「野山を駆け回るきかんぼう」

こんな楽しいケロポンズだが、どんな子ども時代を送っていたのだろうか?

ケロ:おちゃらけるのが好きな子でした。恥ずかしいんだけど、わざと人前でコケてみる、とかやってました。あと歌うことが好きで、小学校1年生のとき、先生に「歌が上手だから、みんなの前で歌ってみて」って言われて、「おうまのおやこ」を歌ったのをおぼえてます。その出来事はすごく励みになったかも。そのころピアノも習っていて、歌とピアノが大好きだったので、そのまま音楽の道に進みました。その頃から前髪短かったし、そのまま大人になっちゃった。大学は国立音楽大学の幼児教育専攻で学び、幼稚園の先生にもなりましたが、やはり自分は何かを表現するのが得意だと思い先生はやめて、バンド「トラや帽子店」の道に進んだわけです。

ポン:私はすごいきかんぼうで、野山を駆け回っているような子でした。海も川も山もある広島の田舎で、川で泳いだり、魚をとったり。学校ではすごくいい先生に出会いがあって、将来は学校の先生になりたいと思い、大学に進みました。方向性としてはやっぱり遊びを考えるというもので、幼稚園の先生を少ししていました。でも子どもには先生と思われていなくて、「ぼくのパパは会社に行っているけど、ポンちゃん、俺たちと遊んでいていいの?」とか、保育後にやっていた子どもの料理教室を手伝っていた時も「ポンちゃんは食べるの好きだからこの教室に入ったの?」とか言われて。たぶん先生とは思われていなかった。また、ずっと男だと思われていたこともありました。大人とも、女だとも思われてなくて。

童謡、歌謡曲、ニューミュージック、そしてピンク・フロイド

ケロポンズの音楽のルーツも気になった。

ケロ:母が台所で歌ってくれる童謡がすごく好きでした。一緒にハモったりしていろんな歌を覚えました。歌謡曲も好きでしたね、「さよならはダンスのあとに」「ブルーライト横浜」とかよく聴いていました。「こんにちは赤ちゃん」は自分が赤ちゃんなのに歌っていたそうです(笑)あと、思春期には4つ上の兄が隣の部屋でピンク・フロイドとか戸川純とかちょっと変わっている曲をガンガン聴いていたんですよ。その中でも矢野顕子とかは私も大好きになり、今も変わらず好きです。当時はうるさいなあと思っていたけど、兄の聴くものにかなり影響受けたのかな、いま思うと。

ポン:うん、聴いていた。一番最初に買ったレコードは石野真子さんの「春ラ!ラ!ラ!」で。小学校4年生、はじめて買ってもらったのがこれでね。「春という字は三人の日と書きますという歌詞に、ほんとだー」と思って感動したんですよね。これは小学生なりに衝撃が走りました。石野真子さん、けっこう好きで「狼なんか怖くない」も歌詞が面白くていいですね。

ケロ:昭和の歌謡曲って歌詞がすごいよね。ユーミン、オフコースなどのニューミュージックにもかなり影響を受けたね。

◇     ◇

来年はケロポンズ結成から20周年を迎える。「やったことないことやりたいね」と二人は言う。クレーンで吊られて蝶になったり、馬に乗って登場したり。「クレーンで吊られて蝶になったりする?」「アリーナとかでやっちゃう?」(笑)

ケロポンズのやったことのない「面白いもの探し」はまだまだ続く。


【引用元】THE PAGE

保育のせかい

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