厚生労働省は保育所での感染症対策のガイドラインを約6年ぶりに見直す。感染が懸念されるB型肝炎やC型肝炎などの対策を追加。衛生管理を強化するため、他の子供の歯ブラシを誤って使用させないなどの対策を求めた。4月にも都道府県などを通じて周知し、集団感染を防ぐ。
厚労省は2012年にまとめた現在のガイドラインで(1)飛沫感染(2)空気感染(3)接触感染(4)経口感染――について感染経路ごとの対策を示している。これに対して、同省の研究班は16年度の報告書で、B型肝炎やC型肝炎など血液が媒介する感染症の記載がなく、ガイドラインの改定を求めていた。
これを踏まえ、厚労省は「すべての血液や体液には病原体が含まれていると考え、防護なく触れることがないよう注意が必要」と保育所に対策を求めることを決めた。手袋を装着して、傷口は素早く手当てし、ガーゼなどできちんと覆うべきだとしている。
蚊が媒介する感染症も追加する。アジアの一部で日本脳炎が大規模に流行していると指摘。蚊の発生を防ぐため、植木鉢の水受け皿や古タイヤを置かないなどの対策が有効だとしている。
保育所で行うべき衛生管理の記載も充実させた。歯ブラシを個人専用とするほか、手洗いの際にはタオルの共用を避けるよう求めた。子供が直接口に触れた遊具は、その都度、お湯などで洗い流す。
このほか、新ガイドラインでは関係機関との連携を明記。感染症対策で医師や保健所などの協力を求めるよう促している。
厚労省の担当者は「保育の現場で使いやすいように、分かりやすい表現を含め工夫した。子供の健康と安全が守られるように周知していきたい」と話している。
記事引用元(日経)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28038340T10C18A3CR0000/
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