保育現場で働くには、保育士の国家資格の取得だけではなく保育士登録をする必要があります。
保育士を目指す人の中には、国家資格の取得だけじゃないんだとか、保育士登録も何か試験があるのだろうかと不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
保育士登録は、筆記試験・実技試験があるものではないので安心してください。
ただし、登録する際の手続きにかかる費用が発生します。
試験に合格したり、登録したりと面倒くささを感じる人もいると思いますが、見方を変えると誰でも簡単にできないからこそ保育士は重宝されます。
保育士は簡単になれたら、就職の競争率も高くなりますしやりがいを感じにくくなるでしょう。
今回は、保育士に登録は必要なのかや登録制度に関してのイロハと、働くためにやるべきことなどについて解説していきます。
Contents
保育士登録制度とは?
保育士を目指している人の中には、国家資格に合格すれば、すぐに保育施設や保育園で働けると思っている人もいるのではないでしょうか。
保育士の仕事をするには、都道府県知事から交付される「保育士証」が必要です。
まず、保育士登録制度についてお伝えします。
保育士登録制度とは、2003年11月29日に改正された児童福祉法によって新たに設けられた制度のことです。
改正前には、保母資格を持っていれば保育士として就労することも可能でした。
しかし、改正後の保育士登録制度により、保母資格証明書や保育士養成学校の卒業証書、保育士試験の合格書を持っているだけでは保育士として働けなくなりました。
保育士登録制度により、保育士登録をして保育士証が手元に届いた段階で、やっと保育施設や保育園で働けます。
都道府県の保育士名簿に、自分の名前、生年月日などの個人情報が記載されますので、保育士証を受け取った人は、一度、確認してみましょう。
保育士に関連する記事はこちら⇒【大阪で保育士の求人】正社員・オープニングについて解説!
保育士は登録しないと働けないの?
保育士登録制度の概要でお伝えしたように、保育士として働くためには登録手続きがあります。
逆に言いますと、保育士登録をせずに保育士を名乗って働けないということです。
なぜ、そこまで細かな決まりがあるのかですが、全ては保育士の信頼性を保っていくためのものです。
保育士が働く保育施設や保育園では、保育士試験に合格していない無資格の人も働いているところもあります。
無資格の人は、原則として保育業務は担当できず、あくまで補佐的な役割の仕事しかできません。(※現在では、一定の条件の下で保育士業務を認める自治体も増えています)
保育施設や保育園で、国家資格を取得している保育士と、無資格の人が同時に働けるので保育士の権威性を保ったり保育の質を低下させないためにも、保育士登録制度を設けています。
子どもを預ける保護者も、保育士登録制度が設けられていることで信頼性が高まり、安心して我が子を保育士に託せるのではないでしょうか。
保育士はどこで登録するの?
保育士の登録はどこですることが可能なのか、気になる人も多いはずですよね。
まず登録事務処理センターから、保育士の登録をする手引きを取り寄せる必要があります。
そして、同封されている申請書や必要書類に記入して、送信用封筒の宛先に登録事務処理センターの宛先を書き、切手を貼って郵送します。
保育士登録は、手続きをする期限は特に定められていませんから、慌てないようにしましょう。
指定保育士養成施設を卒業した人は、申請書を提出した時点で住民票住所地のある都道府県が登録先になります。
次に、保育士試験に全科目合格した人の場合は、保育士試験の合格地域が登録先です。
保育士登録の手続きは文章を読んだり、活字自体が苦手な人は根気が必要かもしれませんが、仕事は生活を維持していくための大切なものですので、抜かりなくやりましょう。
保育士登録の手順を解説
保育士登録の手順を解説していきます。
先程お伝えしました、保育士の登録の手引きを取り寄せるところからスタートです。
同封されている専用の払込用紙を使用し、手数料を支払います。
そして、保育士登録の申請に必要な書類(戸籍抄本・保育士登録申請書・保育士試験合格証や保母資格証・振替払込受付証明書)などを揃えます。
送信用封筒の中に、きちんと必要な書類が入っているか確認することが大切です。
間違って別の書類を入れたり、必要な書類の入れ忘れなどがあったらまた手間がかかります。
大丈夫だと確信したら、登録事務処理センターに郵送します。
登録事務処理センターで、問題無いと判断されたら後日、晴れて保育士証が交付されて保育士登録の完了です。
現在のところ、送付方法ではメール便の受け付けは不可のようですので、間違わないように十分注意が必要です。
今後、送付の仕方が変わったり、別のやり方でもOKになる可能性もあるので、常に情報の更新がないか確認するようにしたら安心です。
保育士登録に費用はかかるの?
保育士登録は無料ではありません。
保育士登録にかかる費用が発生しますので、4000円~5000円位の金額がかかると思っていただくと良いです。
手数料・切手代・封筒代・郵送料金など色々な費用がかかります。
もし、金銭的に余裕が無い時期でしたら、支払いに悩んでしまう人もいるはずです。
保育士登録には、明確にいついつまでにしてくださいという期限は今のところ定まっていませんから、費用を捻出できない時は、無理をせずに金銭的な余裕ができたらで良いとされています。
しかし、すぐに保育士として就職、転職する必要がある際は、きちんと必要なお金を支払って保育士証を交付してもらわないと、いつまで経っても働くことができません。
ですので、期限は定められていないとは言え、すぐに保育士として勤務したい人はお金に困らないように予め準備したり貯金しておくことが大切です。
保育士登録はどれくらいの時間を要するの?
保育士登録が終わると、後は保育士証が郵送されるのを待ちます。
後日になるとお伝えしましたが、数日で送られてくるものではありません。
約2ヶ月かかるという声が多いですので、人によっては忘れた頃に届いたからしばらく気付かなかったという人もいるのではないでしょうか。
3ヶ月以上、時間が経過した段階で保育士証が届かない場合は、ちょっと遅すぎるかもと判断して良いかもしれません。
とりあえず、今は保育士としてすぐに働く必要が無いという人や、しばらく潜在保育士でも問題無い人であれば時間がかかってしまっても焦る必要はありませんし放置できます。
しかし、すぐに保育士として保育施設や保育園で働きたい人にとっては、放置することはできませんよね。
ですので、3ヶ月以上もの時間を要しても保育士証が送付されない人は、登録事務処理センターに連絡してどのような状況なのか確認した方が良いです。
自分のミスが原因で送付されなかったり、送り先や配達中に何かトラブルが起きているからなかなか届かない場合もあるでしょう。
どちらにしても、きちんと登録事務処理センターに確認しないと真相はわからないと思いますので、完全放置はせずに原因究明した方が良いです。
保育士登録のまとめ
保育士として、保育施設や保育園で仕事をする時は、保育士試験に合格しただけでは働くことができません。
保育士登録の手続きをして、保育士証が手元に届いて初めて保育士を名乗れます。
保育士証が送付される時間が、約2ヶ月かかると言われていますから、早く勤務したい人は働きたい時期から逆算して手続きを開始することをおすすめします。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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