保育業務は、一般的に浸透している労働基準法が採用され8時間労働が基本です。
そうは言っても、保育園では何十人も子供達の面倒を見ていますから、子供の両親の事情によって定時どおりに帰れない状況が多々あります。
子どものママやパパが、仕事で残業になれば我が子を保育園に迎えに来る時間も遅くなってしまうので、延長保育を取り入れているところも多いのです。
保育士は、早く帰って疲れを取りたいところですが、ママやパパも定時どおりに迎えに来れない理由があるので、お互いに助け合いの精神で支え合っているのですね。
そういったことからも保育士は残業が発生しがちです。
今回は、保育士の残業が多い理由や残業時間を減らしてプライベートを重視する工夫と転職エージェントへの相談についてなどをご紹介していきます。
Contents
保育士の残業が多い理由
保育士は、園児達の両親の事情や生活環境によって職場に子供を預けたり迎えに来る時間が変わってくるので、それに合わせてあげないといけません。
ですので、臨機応変に対応できるように基本的には勤務形態をシフト制にしているところがほとんどです。
シフト制とは、「早番・普通番・遅番」といった3パターンの働き方です。
このうち、普通番のシフトで勤務している保育士は定時で帰宅することができますが、早番担当になると職場の業務開始時間の前に来て保護者が早朝に子供を預けに来るのを対応します。
そして、遅番担当の保育士は子供を預けているママやパパが仕事で遅くなったり用事などで定時どおりに迎えに来れない場合、迎えに来るまで園児達の面倒を見ます。
その他にも、保育士は保育日誌を書いたり事務作業や保育業務をこなさなければいけないので、終わらない場合は持ち帰り仕事になったり職場に残って残業することも多いです。
人手不足
保育士の仕事は、自分が担任しているクラスの園児達が帰っても、他の先生達のクラスに子供が残っていたら協力し合ってお世話をしなければいけません。
チームワークで仕事をするので、自分一人だけ一日の業務が終われたから帰れるというわけではないのですね。
見方を変えますと、最低限の人数で保育業務をしているところが多いので、誰か一人でも休んだりされると仕事が回らなくなってしまう恐れがあります。
そうなると、勤務時間内に作業が終わらなくなる可能性が高くなるので、仕事を一区切りさせるには残業して頑張るしかないという状況になってしまうのです。
慢性的な人手不足が、保育業界で問題視されています。
仕事が多い
保育士は、子供達が保育園にいる時間は園児達のお世話がメインになります。
その他にも、事務作業や明日の準備などやるべきことがあるので、他の仕事は園児達が帰宅した後になってから取りかかるところが多いです。
周りから見ると、保育士は子供の面倒を見てるだけでお金を貰えると思われがちですが、その他にもしなければいけない業務は多岐にわたります。
仕事量が多くなれば、それだけ勤務時間内に終わらすことが難しくなるので残業になってしまいます。
保育園によっては、保育士にサービス残業をさせているところもあるので、職場環境や労働環境の悪化に繋がっているのです。
持ち帰りの仕事がある
保育園によっては、残業で終わらなかった仕事を自宅に持ち帰らせるようにしているところがあります。
保育日誌・保育計画書などは、持ち帰って作業することができるため、保育士にプライベートの時間を削って書かせているのですね。
自宅に帰っても、働かなければいけない環境にいると気持ちの切り替えが上手くできなくなってストレスが溜まる原因になります。
できるだけ、保育士に時間外労働をさせないようにしようと改善に努めているところは多くなってきていますが、まだ満足行くような体制にはなっていないのが現状としてあります。
保育士に関連する記事はこちら⇒保育士の休みは多い?少ない?休日や勤務時間について解説!
保育士の平均残業時間について
保育士は、定時どおりに退社できないのは、子どもを預けるママやパパに事情があったり、職場の業務が終わらないことだったりなどが原因としてあります。
勤め先によって、残業時間の違いはありますが保育士の一日の平均残業時間は約4時間位していると、2019年に厚生労働省の賃金構造基本統計調査が行われた際に示しています。
一ヶ月で計算しますと、20日働く場合は約80時間も時間外労働をしていることになります。
そして、残業をした場合、通常は定時内で働いた賃金よりも割増です。
保育業界だけではなく、他の職業でも残業が発生すると残業代は割増した金額を貰うことができますが、職場によってはサービス残業をさせているところもあるのです。
時間外労働は、違法なことですが働き手としては解雇されたくない想いがあったり、状況が悪化してしまう恐れがあるため、職場に言い出し辛いのですね。
保育士で残業時間を減らすためには
保育業界全体で、違法なサービス残業をさせたり長時間労働が蔓延しているわけではありませんが、人手不足は加速している状況なので、どうしても保育士一人あたりの負担が増加しています。
ずっと、残業をし続けていては心も身体も休まりませんから、無理は禁物です。
できるだけ、保育士で残業時間を減らすためには以下のような改善策を実践してストレスを溜めたり体調不良にならないように配慮してみてください。
自分でぜんぶの仕事をしない
保育士は、チームワークで業務を回すことが基本ですので、仕事の全部を自分一人で抱え込まずにすることが大切です。
職場の人達と協力して行うことは悪いことではありません。
他の保育士仲間や園長先生との人間関係を円滑にしていく為にも、報連相は大事です。
残業時間でダラダラしない
残業時間を全くのゼロにすることは、保育業務では難しいでしょう。
毎日の残業が慢性化していくと、疲れが溜まってダラダラと仕事をするようになってしまう恐れがあります。
日々の業務に追われていることで、残業が癖になってしまうと時間外労働をしても良いと考えてしまうので、残業時間でダラダラと仕事をしないように気をつけなければいけません。
勤務時間内に仕事を終わらせる努力をする
残業は次の日の業務に支障が出ないようにする為にも、どうしてもしなければいけない状況になってしまうのは仕方がありません。
ですが、勤務時間内に仕事を終らせる努力はして少しずつ労働環境や職場環境の改善をしていくことが大切です。
例えば、業務ごとに30分や60分以内に作業を終わらせるように計画を立てるなど、目標を定めて仕事をしていったほうが効率よく進めることができます。
保育園によっては残業も持ち帰り仕事もない園がある
全ての保育園で、サービス残業や持ち帰り仕事が発生しているわけではなく、園によっては定時で終わるところがあります。
初めて保育士として働く人は、そのようなホワイトな職場は働いて見るまでは見つけるのは難しいでしょう。
保育士を経験している人は転職して、別の保育園で働く際に前の職場と転職先の施設とを比較できるのでホワイトな職場を見つけやすい傾向があります。
保育士で残業を避けたいなら転職エージェントに相談しよう
勤め先の職場で、サービス残業や持ち帰り仕事などがある場合は、長く働くことを考えると身体がもたないかもしれません。
身体を壊してからでは、健康状態だった時ほどのパフォーマンスを発揮できなくなります。
残業がない園もありますので、職場を変えたいと思ったら転職エージェントに相談することで自力で探すよりも見つけやすくなります。
保育士残業のまとめ
保育士は、保育園に子どもを預けるママやパパの事情や、職場の業務によって残業をしないと仕事が片付かないことがあります。
保育業務に携わっている人は、一日平均4時間程度を時間外労働していると調査結果で出ています。
多くの保育園では、残業や持ち帰り仕事が発生しないように改善に努めていますが、身体を壊してからでは遅いです。
職場を変わりたくなったら、転職エージェントに相談して今より良い労働環境・労働条件のところに転職するのも自分の身を守る為に必要なことです。
この記事の監修は
保育のせかい 代表 森 大輔
2017年 保育のせかい 創業。保育士資格・訪問介護員資格を保有。2021年 幼保連携型認定こども園を開園するとともに、運営法人として、社会福祉法人の理事長に就任。
その他 学校法人の理事・株式会社の取締役を兼任中。
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